AIベース化するチームに放り込まれた若手が、10ヶ月でどう変わったか

須藤 萌

須藤 萌

In-house Marketer / Operations

こんにちは、KAAANの須藤です。

前職ではコンテンツ制作とオウンドメディア立ち上げを担当し、2025年5月にKAAANに参画しました。いまは未経験ながら新規プロダクトのPdM(プロダクトマネージャー)として、AIをフル活用して自社サービスをふたつ動かしています。

もともとは、コンテンツを作るときに少しAIを触る程度。そんな私が、「AI駆動組織」になっていく現場の真ん中に放り込まれたのは、2025年9月のことです。

これからお話しするのは、AI活用の経験も専門スキルもたいしてないところからスタートした若手のひとりが、AI駆動組織への変遷の10ヶ月をどう過ごしていたのか、という記録です。

当時の私には何が起きていて、私自身がどう変わっていったかを、書き留めておきたいと思います。

上司は、組織を「サーキット」のように回そうとしていた

上司は当時、組織のあり方そのものを変えようとしていました。

よく口にしていたのは、「AIで個人の生産性が5倍、10倍になっても、組織のほうがついてこないとプロジェクト全体の成果は伸びない」 ということです。

たとえ話としてよく聞かされたのが、「F1マシン」の話でした。これまで時速60キロで走っていた人が、AIで時速300キロのF1マシンに乗ったとしても、走っている場所が一般道のままだと、赤信号や速度制限で結局止まらされる。

だから組織のほうを「サーキット」の形に作り変えないといけない、と。決裁待ちやレビュー遅延といった「赤信号」を、組織の運営から一つずつ消していく。そういう発想です。

もう一つよく口にしていたのが、「これまでのやり方や思い込みを、どう壊せるか」というテーマでした。「AIにはこれができない」「このやり方が正しい」といった頭の中の前提こそが、新しい可能性を見落とす一番の原因になる

だから、従来の延長線上にない高いゴールを置いて、考え方を強制的にリセットしてしまおう、と。

これからお話しするのは、その「サーキット」と「前提を壊すゴール設定」が、私の日常にどう降りてきていたか、という話です。

いきなり始まった「2週間スプリント」

最初に経験したのは、「2週間で1ゴール達成」というスプリントの繰り返しでした。2025年9月、社内に新しく6名のチームが立ち上がり、私もそのひとりとして参加することになります。

私が任されたミッションは、第一に、ミーティングの録画データを整理して組織の大切な「暗黙知」を抽出して活用するための基盤を構築すること。ほかにも、議事録を自動化するデータベース作りなど、複数のプロジェクトを同時進行しました。期間は約1ヶ月。それぞれを2週間ごとにゴールを区切って進めていく、という設計です。

ただ、当時の私はAI活用と言ってもClaudeでコンテンツを生成するぐらいでした。AIを本格的に組み込んで業務プロセスごと作り変えていくような使い方は、経験がありません。そんな私が、いきなりAI活用もガッツリに進めながら、2週間でゴールを達成しないといけない状態に追い込まれることに。

先の道筋が見えず、それはもうとにかく焦りました。

進捗報告は禁止、週3回のレビュー

特にきつかったのは、レビューを受けるための完成物を毎日揃え続けないと回らない感覚です。

私たちのチームは、週に3回「レビュー会」を実施しています。

ここで強く言われていたのは、「進捗を報告する場ではない」 ということ。「こう進めています」では会は成り立たない。評価してもらえる完成物を持っていって、レビューを受けて、フィードバックをもらう。それを次の数日に活かす——これが定例会の進め方でした。

「AIで業務が5倍、10倍のスピードで進むようになったのに、レビューの頻度が以前のままだと組織が追いつかない。何より、レビューが遅れると、間違った方向のアウトプットがどんどん生まれてしまう」というのが、上司の言い分です。

だから、毎日何かしらを評価できる形まで持っていく。仕上げる。出す。その繰り返しが、週3回のレビュー会でした

もう、毎回ドキドキして「やばい」という状態でした。頭の中は焦りばかり。どうしよう、どうしよう、と。

そんな状況の乗り越え方は、シンプルです。もうひたすらやるしかなかった。

やっていくうちに少しずつ慣れてきて、最終的には、1回のミーティングが「報告の場」ではなく「レビューを受けて次に活かす場」になったほうが絶対にいい! という考えに変わっていきました。

この経験は、仕事における時間の使い方そのものを見直すきっかけにもなっています。

高い目標と短いスパンが、私の「前提」を壊した

10ヶ月で、私のAI活用度合いは、自分の感覚で0%から60%くらいまで引き上がりました。数字の基準は、上司を100%として置いたとき、です。

1年前はゼロだった私が、10ヶ月で6割地点まで来た。なぜそこまで進めたのかを振り返ると、結局は 「ゴールを高く置いて、これまでの自分のやり方と頭の中の前提をいかに壊せるか」 に尽きるなと思っています。

2週間でやらないといけないとなれば、もう、とにかく遅くまで時間を使ってやり込むしかない。AIもよく分からないけど、とりあえず試してみる。触って動かしてみる。それを続けているうちに、「あ、こうすればできるようになるんだ」という気づきが、少しずつ生まれていきました。

ここで効いていたのは、高い目標と短いスパンがセットだったことです。どちらかひとつだったら、たぶん変わっていません。高い目標で道筋を見えなくしながら、短いスパンで強制的に手を動かさせる。その環境が、私を変えてくれていました。

また、身の回りにAIをたくさん活用しているメンバーがいたこと、なかでもスタートの近い同僚がいたことも大きかったです。

私と同じタイミングで同じチームに飛び込んできた、同い年のその同僚は、任された場所でちゃんと形にして、爆速で成果につながる一歩を踏んでいました。その姿を見て、「私ももっとやらないと」と素直に思えた。

1人だったら多分続かなかったことを、近くに走ってくれている人がいたから走り続けられました。

それでも私たちは、まだ壁の前にいる

これだけ読むと「組織変革がうまくいきました」と聞こえるかもしれませんが、いま私は新たな壁に直面しています。「2週間で1ゴール」で鍛えられたにもかかわらず、新規事業ではなかなかリリースまで持っていけていない。これが、いまの課題です。

私はいまPdMとして、自社サービスをふたつ動かしています。PdMとしての経験もなかったところから、AIに壁打ちしてもらいながらロードマップを引き、それを上司にすり合わせてフィードバックをもらうことを繰り返してきました。AIが使えるようになって、できる幅は確実に広がりました。生産性も上がっているはずです。

ただ、それを実際にリリースして世の中の反応を見られているかと言われると、まだそこに立てていないというのが正直なところです。

理由のひとつは、「すぐ修正できてしまう」ことだと思っています。ちょっと違うなと思った瞬間に、AIで修正に走れてしまう。「これじゃ無理じゃない?」「これ売れるの?」を繰り返しているうちに、世の中の変化で見直すべきポイントもまた生まれてしまう。

すぐ作り直せるからこそ、「ここで一旦区切って出してみよう」がずるずる後ろにずれてしまいがちです。プロダクトは「世の中に出してからが本当のスタート」だと頭では分かっているのに、出すタイミングが決めきれない。

いざ決断するためには、ビジネスの経験や知識が欠かせないと思っています。AIの活用度合いを磨き込むだけではなく、ビジネスの実力もちゃんと積み上げていかないといけない。ここが足りていないことの大きさを日々痛感しています。

ただ、この壁を越えるためのやり方は、いつも一貫しています。

上司は、答えを授けません。私が壁にぶつかっても、考え方のフィードバックはくれますが「答え」は言わない。理由は、「答えを教えたら、次に同じ課題が生まれた時に自分で解決できなくなるから」。私が自分で考えて越える、という前提を崩さない人です。

そのうえで、「致命的なものはカバーするから、失敗してもいいから進めよう」「失敗は知識として溜まる」というのが上司の口癖でした

リリースの壁は、まだ目の前にある。でも、自分でそれを越えるための走り方を、私はもう知っている。そう思える状態にはなれています。

いま、「特化したものがない私」が強みになる時代がきた

最後にもう一つ、この10ヶ月で大きく変わったものを紹介させてください。それは、自分のキャリア観です。

私はもともと、いわゆるジェネラリストタイプでした。SEOのスペシャリストみたいな分かりやすい看板はなく、ある程度どれもそつなくこなせるけれど、これと言って特化した経験や知識があるわけではない。

1年前の私は、何かに特化して磨いていかないと「こいつ、結局何ができるんだ」となってしまうのではないか? このままだと「ただの何でも屋」になっちゃうんじゃないか? と、ずっと小さな不安を抱えていました。KAAANに入社したのも、もともとはマーケティングという領域で何かに特化したい、という気持ちがあったからです。

ただ10ヶ月この組織のなかにいて、思っていることが少し変わりました。

マーケだけではなく、プロダクトをつくったり、エンジニアっぽいこともしたり。範囲を広げざるを得ない経験を、AIに支えられながらたくさんさせてもらった。その結果いま思うのは、AIがあるからこそ「何でもできる」が逆に強みになる時代なのかもしれない、ということです。特化していないことを引け目に感じるのではなく、「いろいろできる」をもっとプラスに考えてもいいのかもしれません。

おわりに

「AI駆動組織化計画」がスタートしてもうすぐ10か月。

進んでも進んでも、壁は立ち現れます。ただ、10ヶ月前の私にPdMという肩書きがまったく考えられないものだったように、半年後の自分にも、いまの私には想像できない場所があるはず。そう信じられるくらいには、この10ヶ月で少しは時代にあわせた前進ができたのではないかと思います。

この記事は、社内の知見や実績データを活用し、ユーザーにとって利便性の高いコンテンツを生み出すよう設計されたAIを活用して制作し、マーケターがレビュー・監修した後に公開しています。KAAANは、AIと人の共創によって高品質なコンテンツを効率的に制作しています。

カテゴリ

AIの考え方

タグ

AI

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著者

須藤 萌

須藤 萌

In-house Marketer / Operations

株式会社マイベストで新規メディアの立ち上げを担当し、運営ロードマップ・KPI作成から制作管理まで一貫して実施。2025年5月よりKAAANに参画。広報業務とプロジェクト効率化、組織の仕組み構築に取り組む。

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