オウンドメディアとは?目的・メリット・成功のポイントを解説

寺倉 大史

寺倉 大史

Director

デジタルマーケティングの進化により、企業と顧客をつなぐ接点は多様化しています。広告に依存した集客から脱却し、自社でコントロールできるメディアを持つことの重要性が高まっています。

一方で、以下のような声も増えています。

  • オウンドメディアとホームページの違いがよく分からない
  • 始めてみたいが、どこから手をつければいいか分からない
  • 運用を続けているが、成果につながっているか判断できない

そこで本記事では、AIを実装したプロジェクト推進に特化する弊社KAAANの知見を活かして、オウンドメディアの基本的な定義から、導入のメリット・デメリット、そして成果を出すための運用ポイントまで、体系的に解説します。

オウンドメディアとは

オウンドメディアを効果的に活用するためには、まずその定義と本質を正しく理解することが重要です。ここでは、オウンドメディアの基本概念から、マーケティング全体における位置付け、そして混同されやすいホームページとの違いについて解説します。

オウンドメディアの定義と本質

オウンドメディアとは、企業が自社で保有し運営するメディアの総称です。具体的には、Webサイト、ブログ、メールマガジン、SNSアカウント、パンフレットなどが該当します。「Owned(所有している)」という言葉が示すとおり、自社でコントロールできるメディアであることが最大の特徴です。

しかし、オウンドメディアの本質は単にメディアを「所有している」ことではありません。重要なのは、オウンドメディアが事業課題を解決するための手段であるという点です。

商業メディア(ニュースサイトやキュレーションメディアなど)は、トラフィックを集めること自体がビジネスモデルの根幹となっています。広告収益やアフィリエイト収益を得るために、できるだけ多くのページビューを獲得することを目指します。基本的にはトラフィックの伸びと比例して収益性が高まるため、いかにトラフィックを集めるかがメディア戦略の肝となります。

一方、企業が運営するオウンドメディアは、トラフィックそのものが目的ではありません。オウンドメディアを通じて達成すべきは、リード獲得、認知拡大、採用強化といった事業課題の解決です。ページビューが増えても、事業貢献につながらなければ意味がありません。

この違いを理解していないと、「とにかく記事を量産すればいい」「PVが増えれば成功」という誤った方向に進んでしまう可能性があります。オウンドメディアを始める際には、「なぜオウンドメディアが必要なのか」「どのような事業課題を解決したいのか」を明確にすることが出発点となります。

弊社がご支援した事例でも、この本質の理解が成否を分けるケースを数多く見てきました。ある企業では、アウトバウンド営業に依存したリード獲得から脱却するため、オウンドメディアを立ち上げました。重要だったのは、検索ボリュームではなく、ツール・サービスの検討段階で検索されるキーワードに絞ったこと。その結果、立ち上げ1年で月100件を超えるお問い合わせを獲得し、最終的には広告・営業コストゼロを実現しました。

トリプルメディアにおける位置付け

オウンドメディアの役割を理解するうえで欠かせないのが、トリプルメディアというフレームワークです。トリプルメディアとは、マーケティングで活用するメディアを3つに分類した考え方で、オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアで構成されます。

**オウンドメディア(Owned Media)**は、自社が保有・運営するメディアです。Webサイト、ブログ、SNS公式アカウント、メールマガジンなどが該当します。自社でコントロールできるため、発信内容やタイミングを自由に決められる一方、認知を広げるには時間がかかるという特徴があります。

**ペイドメディア(Paid Media)**は、費用を支払って掲載するメディアです。リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、テレビCM、新聞広告などが該当します。即効性があり、短期間で認知を広げられる反面、費用が継続的にかかり、広告を止めると効果も止まります。

**アーンドメディア(Earned Media)**は、第三者が発信するメディアです。SNSでの口コミ、レビューサイト、報道記事、ブログでの紹介などが該当します。信頼性が高く、拡散力もある一方、自社ではコントロールできないため、良い評判も悪い評判も含まれます。「Earned(獲得した)」という言葉のとおり、信頼を獲得した結果として得られるメディアです。

近年では、この3つに**シェアードメディア(Shared Media)**を加えた「PESOモデル」という考え方も広まっています。シェアードメディアは、SNSなど企業とユーザーが共同で情報発信するメディアを指します。

重要なのは、これらのメディアは互いに補完し合う関係にあるということです。たとえば、ペイドメディアで認知を獲得し、オウンドメディアで詳細な情報を提供し、アーンドメディアで信頼性を高めるといった連携が効果的です。オウンドメディアは、他のメディアで興味を持ったユーザーを受け止め、関係を深める「ハブ」としての役割を果たします。

実際、ある菓子メーカーでは、ブランドサイトとECサイトの役割が曖昧になっていたことで、ユーザーに情報が伝わりづらい状態が発生していました。そこで、ブランドサイトは「企業の価値観や品質へのこだわりを伝える場」、ECサイトは「購買体験を提供する場」と役割を明確に分離。さらにSNS運用を新たに開始し、即時性のある情報発信と双方向コミュニケーションを実現しました。その結果、各メディアが独立して機能しながらも、全体として一貫したブランド体験を提供できるようになりました。このように、各メディアの特性を理解し、役割を明確にしたうえで連携させることが、効果的なマーケティングにつながります。

ホームページ・コーポレートサイトとの違い

「オウンドメディアとホームページは何が違うのか」という質問はよく聞かれます。実際、両者は混同されやすく、明確な区別がつきにくいケースもあるのではないでしょうか。

広義では、ホームページ(コーポレートサイト)もオウンドメディアの一種です。自社で保有し運営しているメディアであることに変わりはありません。しかし、マーケティング文脈で「オウンドメディア」という場合、ホームページとは異なる役割を持つメディアを指すことが一般的です。

ホームページ・コーポレートサイトの主な目的は、企業情報を掲載することです。会社概要、事業内容、サービス紹介、採用情報、IR情報など、企業について知りたいユーザーに対して必要な情報を提供します。主な訪問者は、すでに企業名を知っている人(指名検索ユーザー)や、取引先、株主、求職者などです。

一方、オウンドメディアの主な目的は、ユーザーに価値あるコンテンツを提供し、関係を構築することです。ターゲットユーザーが関心を持つテーマについて、課題解決のヒントや有益な情報を発信します。主な訪問者は、企業名を知らないが特定の課題やテーマに関心を持つ人(非指名検索ユーザー)です。

たとえば、BtoB SaaS企業の場合を考えてみましょう。ホームページでは、サービスの機能や料金、導入事例などを紹介します。一方、オウンドメディアでは、「業務効率化の方法」「DX推進のポイント」といったテーマで記事を発信し、まだサービスを知らない潜在顧客との接点を作ります。

このように、ホームページとオウンドメディアは役割が異なります。ホームページは「すでに興味を持っている人」に情報を提供する場であり、オウンドメディアは「まだ出会っていない人」との接点を作る場と考えるとわかりやすいでしょう。

オウンドメディアの目的と役割

オウンドメディアを活用する目的は企業によってさまざまです。しかし、大きく分けると「リード獲得・顧客獲得」「認知拡大・ブランディング」「採用力の強化」の3つに集約されます。ここでは、それぞれの目的について詳しく解説します。

リード獲得・顧客獲得

オウンドメディアの最も代表的な目的が、リード(見込み客)の獲得です。※リードとは、自社の商品やサービスに興味を持ち、将来的に顧客になる可能性がある人を指します。

従来、BtoB企業のリード獲得は、展示会への出展、テレアポ、広告出稿などが中心でした。しかし、これらの手法は費用がかかり、持続性がないという課題があります。特に近年は、Web広告のCPA(顧客獲得単価)高騰が多くの企業で課題となっています。

オウンドメディアによるリード獲得は、インバウンドマーケティングの考え方に基づいています。インバウンドマーケティングとは、企業側から積極的にアプローチするのではなく、顧客から「見つけてもらう」ことを重視するマーケティング手法です。

具体的な流れとしては、まずターゲットユーザーが検索するキーワードに対して、価値あるコンテンツを用意します。検索を通じてオウンドメディアに訪問したユーザーに対して、ホワイトペーパーのダウンロードやメールマガジン登録などを案内し、リード情報を獲得します。その後、メールマガジンやウェビナーなどでナーチャリング(育成)を行い、商談につなげていきます。

この手法のメリットは、ユーザー自身が情報を求めて訪問しているため、関心度が高いという点です。広告でアプローチするよりも、質の高いリードを獲得しやすい傾向があります。また、一度作成したコンテンツは資産として残り続けるため、中長期的に見ると費用対効果が高くなります。

ある専門分野向けマッチングサービスを提供する企業では、アウトバウンド営業に依存していたリード獲得体制を抜本的に見直しました。業界特有の専門用語や機器名称との掛け合わせキーワードに絞り、検索上位を獲得した記事について記事内CTAやUIのチューニングを徹底。その結果、立ち上げ半年で月数十件、1年後には月100件を超えるお問い合わせを創出し、広告費や営業リソースは最終的にゼロになりました。

認知拡大・ブランディング

オウンドメディアは、リード獲得だけでなく、認知拡大やブランディングにも効果を発揮します。

多くの企業は、自社の商品やサービスを知らない「非認知層」にアプローチすることに苦労しています。広告を使えば認知を広げられますが、費用がかかり、広告を止めると効果も止まります。また、広告だけではブランドに対する深い理解や共感を得ることは難しいでしょう。

オウンドメディアでは、ターゲットユーザーが関心を持つテーマについて継続的にコンテンツを発信することで、まだ企業名を知らない人との接点を作ることができます。そして、繰り返しコンテンツに触れることで、企業やブランドに対する認知が深まり、信頼感が醸成されていきます。

たとえば、「オウンドメディア 始め方」と検索したユーザーが、ある企業のオウンドメディアで有益な記事を読んだとします。その後、別のテーマで検索したときにも同じ企業の記事に出会い、質の高い情報を得られたとします。こうした体験を繰り返すうちに、そのユーザーはその企業を「この分野に詳しい会社」として認識するようになります。

これがオウンドメディアによるブランディング効果です。一方的に「弊社は○○が強みです」と主張するのではなく、コンテンツを通じて実力を示すことで、自然と信頼やブランドイメージが形成されていきます。

また、オウンドメディアはブランドに意味を持たせる受け皿としての役割も果たします。広告やPRで認知を獲得しても、その先にブランドの世界観や価値観を伝える場がなければ、認知は単なる「名前を知っている」状態にとどまります。オウンドメディアで一貫したメッセージを発信し続けることで、ブランドに深い意味を持たせることができます。「利便性を重視するならA社」「セキュリティを重視するならB社」といったように、自社サービスの強みや特徴をユーザーに認知してもらい、ユーザーが持っている評価軸とブランドを結びつけることを目指します。

大手化学メーカーが運営する健康情報メディアの事例では、限られた予算で信頼できるライター4人に依頼し、高品質なコンテンツによる「点」を作ることから始めました。この証拠づくりが成功したことで、全体予算や組織体制をグロースに向けて再構築でき、最終的には8万UUから300万UUへの40倍成長を2年で実現。健康関連領域では最大規模のメディアへと成長しました。

採用力の強化

オウンドメディアは、採用活動においても効果を発揮します。採用を目的としたオウンドメディアは「採用オウンドメディア」や「リクルーティングメディア」と呼ばれることもあります。

採用活動における課題の一つが、カルチャーフィットした人材の獲得です。求人サイトや人材紹介サービスでは、スキルや経験を条件に候補者を集めることはできますが、企業文化との相性を見極めることは難しいでしょう。結果として、入社後のミスマッチが発生し、早期離職につながるケースも少なくありません。

オウンドメディアでは、企業の文化や価値観、働き方、社員の人柄などを発信することができます。具体的には、社員インタビュー、チームの雰囲気、社内イベントのレポート、代表メッセージなどのコンテンツが考えられます。こうしたコンテンツを通じて、求職者は入社前に企業の雰囲気を理解することができます。

企業文化を理解したうえで応募してくる候補者は、入社後のギャップが少なく、定着率が高い傾向があります。また、オウンドメディアで発信している内容に共感して応募してくる人は、すでに企業への関心や理解が高い状態であるため、選考プロセスもスムーズに進みやすいといえます。

さらに、オウンドメディアは採用ブランディングにも貢献します。採用市場において「働きたい企業」としての認知を高め、応募者の質と量を向上させることが期待できます。

あるマーケティング支援企業では、シニア層とジュニア層の実力格差が大きく、ジュニア層は早期退職や途中離脱に至るケースが多発していました。会社の考え方や存在意義を明確にするため、カルチャーブックの作成に着手。代表との議論を重ね、ミッションやビジョンを再設計し、バリューを整理。3ヶ月かけて完成させた結果、全社で統一した価値観を共有できるようになり、採用活動においても一貫性を持たせることが可能となりました。

オウンドメディアのメリットとデメリット

オウンドメディアの導入を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも正しく理解しておくことが重要です。ここでは、オウンドメディアのメリット・デメリットを整理したうえで、自社に適しているかを判断するための基準について解説します。

導入のメリット

オウンドメディアを導入することで得られる主なメリットは、以下の4つです。

1. コンテンツの資産化

オウンドメディアに掲載したコンテンツは、削除しない限り残り続けます。広告は出稿を止めれば効果も止まりますが、コンテンツは一度作成すれば継続的にユーザーを集め続けることができます。これは「コンテンツの資産化」と呼ばれます。

たとえば、今日書いた記事が検索上位に表示されれば、1年後、3年後も継続的にトラフィックを集め続けます。時間が経つほどコンテンツが蓄積され、オウンドメディア全体の集客力が高まっていきます。

2. 長期的な費用対効果(ROI)の向上

オウンドメディアは、短期的に見ると広告よりも費用対効果が低いケースがあります。しかし、コンテンツが資産化されることで、長期的には広告を上回る費用対効果を実現できる可能性があります。

広告のCPA(顧客獲得単価)が年々高騰している企業にとって、オウンドメディアは「広告費を下げながら集客を維持する」ための有効な手段となります。

ある法人向けヘルスケア関連サービスを提供する企業では、オウンドメディア施策を立ち上げから順調に成長させ、立ち上げ翌年度に年1,000リード、その翌年度は年2,000リード、3年目には年3,000リードの創出に成功。上半期だけで約1.5億円の受注がオウンドメディア経由で生まれる結果となりました。当初は未経験メンバー1名の運用でスタートしたプロジェクトでしたが、攻めるポイントを見定めることで、限られたリソースでも事業貢献につながりました。

3. 自由度の高い情報発信

オウンドメディアは自社で運営するため、発信する内容やタイミングを自由にコントロールできます。広告やPR記事では伝えきれない詳細な情報や、企業の想い、専門的な知見なども自由に発信できます。

また、掲載期間の制限もありません。重要なコンテンツを長期間にわたって掲載し続けることができます。

4. 顧客との関係構築

オウンドメディアを通じて継続的に価値ある情報を提供することで、ユーザーとの信頼関係を構築できます。一度訪問したユーザーが再訪問したり、メールマガジンに登録したりすることで、継続的な接点を持つことができます。

これは単なる認知ではなく、「この企業は役立つ情報を提供してくれる」という信頼に基づく関係性です。こうした関係を築くことで、いざ商品やサービスを検討する際に、候補として想起されやすくなります。

運用上のデメリットと課題

一方で、オウンドメディアには以下のようなデメリットや課題もあります。

1. 成果が出るまでに時間がかかる

オウンドメディアは、運用を開始してすぐに成果が出るものではありません。一般的に、効果を実感できるまでには半年から1年以上かかるといわれています。

検索エンジンからの流入を増やすには、コンテンツを蓄積し、サイトの評価を高める必要があります。これには時間がかかるため、短期的な成果を求められる場合には不向きです。

2. 専門知識が必要

オウンドメディアを成功させるためには、SEO、コンテンツマーケティング、Webライティング、アクセス解析など、さまざまな専門知識が必要です。

これらの知識がないまま運用を始めると、効果が出ないだけでなく、誤った施策によってマイナスの影響を受ける可能性もあります。社内に専門人材がいない場合は、外部の支援を検討する必要があるでしょう。

3. 運用リソースの確保が必要

オウンドメディアは継続的な運用が必要です。コンテンツの企画、制作、編集、公開、効果測定、改善というサイクルを回し続けなければなりません。

兼務で運用を行なうケースも多いですが、本業との両立が難しくなり、更新が滞ってしまうこともあります。運用体制を事前に検討し、必要なリソースを確保することが重要です。

4. 継続的な投資が必要

オウンドメディアは、一度構築したら終わりではありません。継続的にコンテンツを制作し、サイトをメンテナンスし、施策を改善していく必要があります。

また、成果が出るまでに時間がかかるため、その間も投資を続ける覚悟が必要です。途中で運用を止めてしまうと、それまでの投資が無駄になってしまいます。

外注して立ち上げる場合の費用相場としては、構築費が100万円〜300万円程度、運用費が毎月90万円〜130万円程度かかります。初年度でみると1,000万円ほど掛かる場合も珍しくありません。依頼する範囲や工程によって外注に掛かる費用が変わるため、自社で対応する業務と依頼する業務を決めてから予算を組むことが大切です。

自社に適しているかの判断基準

オウンドメディアはすべての企業に適しているわけではありません。自社にとってオウンドメディアが有効かどうかを判断するための基準を持っておくことが重要です。

「競合がオウンドメディアを始めたから始める」というように、オウンドメディアの立ち上げを目的にするのではなく、自社にとってオウンドメディアが施策として適しているのかを見極めることが重要です。特にBtoB企業では、BtoCと比較してターゲットが限定的であり、一度方向性を決めると軌道修正が困難になる特徴があります。そのため「どうやるか」以前に「やるかやらないか」の判断が成功の鍵を握ります。

オウンドメディアが有効なケース

以下のような条件に当てはまる場合、オウンドメディアが有効に機能する可能性が高いといえます。

  • デジタルサービスを提供している: オンラインで完結するサービスや、Webで情報収集してから購入するような商材の場合、オウンドメディアとの親和性が高い
  • 全国を対象としている: ターゲットが全国に広がっている場合、Webでのリーチが効率的
  • 市場規模が大きい: 検索ボリュームが十分にあるテーマであれば、オウンドメディアからの集客が見込める
  • 購買までの検討期間が長い: BtoBや高額商材など、検討期間が長い商材では、コンテンツを通じた関係構築が効果的

オウンドメディアが見合わないケース

一方、以下のような条件の場合、オウンドメディアへの投資対効果が見合わない可能性があります。

  • アナログサービスが中心: 対面でのサービス提供が中心で、オンラインでの接点が少ない場合
  • 地域限定のビジネス: 特定のエリアに限定したビジネスでは、オウンドメディアよりも地域密着の施策が効果的なケースがある
  • 市場規模が狭い: ニッチな市場で検索ボリュームが少ない場合、オウンドメディアからの集客が難しい
  • すでに十分な認知がある: 業界で圧倒的な認知があり、指名検索が多い場合、オウンドメディアの優先度は低いかもしれない

重要なのは、「オウンドメディアをやるべきか、やらないべきか」を安易に決めるのではなく、自社の状況を客観的に分析したうえで判断することです。オウンドメディアは手段であり、目的ではありません。事業課題を解決するために本当に必要な手段なのかを見極めることが、成功への第一歩となります。

オウンドメディアの立ち上げと運用

オウンドメディアを成功させるためには、立ち上げ前の準備から運用開始後の施策まで、計画的に進めることが重要です。ここでは、オウンドメディアの立ち上げと運用に関する具体的なステップを解説します。

立ち上げ前に検討すべきこと

オウンドメディアの立ち上げは、「計画」「準備」「運用」の3つの段階に分けられます。始める前に、以下の点を十分に検討しておく必要があります。

1. 運用目的・ミッションの定義

まず最初に明確にすべきは、「なぜオウンドメディアを始めるのか」という目的です。リード獲得が目的なのか、認知拡大が目的なのか、採用強化が目的なのかによって、作成すべきコンテンツやKPIが変わってきます。

目的が曖昧なまま始めてしまうと、「何を書けばいいかわからない」「成果が出ているかわからない」という状態に陥りやすくなります。経営層や関係部門と合意形成を行い、オウンドメディアのミッションを明文化しておくことをお勧めします。

ミッションの例としては、「検索からのコンバージョンを獲得し、広告費を抑制しながらも売上を伸ばす」「インバウンドでのリード獲得基盤を構築する」「認知を拡大し採用のエントリー数を増やす」などがあります。

2. 成果指標(KGI/KPI)の設定

目的が定まったら、それを測定するための指標を設定します。KGI(重要目標達成指標)は最終的に達成したいゴールであり、KPI(重要業績評価指標)はKGIに至るまでのプロセスを測定する指標です。

たとえば、リード獲得が目的であれば、KGIは「月間リード獲得数」「資料ダウンロード数」などになります。KPIは「オーガニック流入数」「特定ページへの遷移率」「フォーム到達率」などが考えられます。

注意すべきは、オウンドメディアのフェーズによって重視すべき指標が変わるということです。立ち上げ初期はコンテンツの蓄積や流入数の増加を重視し、成熟期にはコンバージョン率や売上貢献を重視するなど、段階に応じた指標設計が必要です。

KPIは効果的に設計するために「SMART」を意識します。S(Specific:明確であるか)、M(Measurable:測定可能か)、A(Achievable:現実的に達成可能か)、R(Relevant:ゴールと関連性があるか)、T(Time-bound:期限があるか)という観点でチェックすることで、実効性の高い指標設計ができます。

3. 予算・リソースの確保

オウンドメディアには継続的な投資が必要です。サイト構築費用、コンテンツ制作費用、運用人件費、ツール費用などを試算し、必要な予算を確保しましょう。

また、人的リソースの確保も重要です。誰がコンテンツを企画するのか、誰が執筆するのか、誰が編集・公開するのか、誰が効果測定を行なうのかを明確にしておく必要があります。すべてを内製で行なうのか、一部を外部に委託するのかも含めて検討しましょう。

4. 本当にオウンドメディアが必要かの見極め

ここで改めて考えていただきたいのは、「本当にオウンドメディアが必要なのか」という点です。前述のとおり、オウンドメディアがすべての企業に適しているわけではありません。

事業課題を解決するための手段として、オウンドメディア以外にもっと効果的な選択肢がないかを検討することも大切です。「周りがやっているから」「トレンドだから」という理由で始めるのではなく、自社の状況に照らして判断することが重要です。

運用開始までのステップ

オウンドメディアの立ち上げは、大きく「計画」「準備」「運用」の3段階に分けられます。

1. 計画フェーズ

計画フェーズでは、オウンドメディアの戦略を設計します。

まず、ターゲット設定とペルソナ設計を行います。どのような人に向けてコンテンツを発信するのかを具体的に定義します。業種、職種、役職、課題、情報収集の方法などを明確にしましょう。

次に、カスタマージャーニーを設計します。ターゲットがどのような経路でオウンドメディアに訪問し、どのようなプロセスを経て顧客になるのかを可視化します。カスタマージャーニーに基づいて、各段階で必要なコンテンツを洗い出します。

さらに、コンテンツ戦略を策定します。どのようなテーマで、どのようなキーワードを狙い、どのくらいの頻度でコンテンツを公開するのかを計画します。競合分析も行い、差別化ポイントを明確にしておきましょう。

戦略の設計においてはリソースをどこに投下するかが大切です。「やる」と決めたことに振り切るためにも、同時に「やらないこと、諦めること」も明確に定めることが重要です。

ある企業では、コンテンツSEOの最初の一歩として、3つの対策キーワードから始めることで、多岐にわたるサービスの中から最重要な領域に絞り込み、成功体験を作ってから運用を加速させる戦略を取りました。最初から幅広く手を出すのではなく、まずは小さな成功を確実に作ることが、その後の展開を有利にします。

2. 準備フェーズ

準備フェーズでは、オウンドメディアの基盤を構築します。

サイト構築では、CMS(コンテンツ管理システム)の選定とサイトデザインを行います。CMSは、更新のしやすさ、SEOへの対応、拡張性などを考慮して選定します。WordPressが主流で、HTMLやCSSの専門知識がなくても構築可能です。デザインは、ターゲットに合わせたトーン&マナーを設定し、読みやすさを重視しましょう。

また、コンテンツ制作体制を構築します。社内ライターを育成するのか、外部ライターに委託するのか、その両方を組み合わせるのかを決定します。品質を担保するためのレギュレーション(執筆ガイドライン)も作成しておくことをお勧めします。

効果測定のための環境も整えます。Google AnalyticsGoogle Search Consoleなどの計測ツールを設定し、KPIを追跡できるようにしておきましょう。

3. 運用フェーズ

準備が整ったら、コンテンツの公開を開始します。計画したスケジュールに沿ってコンテンツを制作・公開し、効果測定と改善を繰り返していきます。

運用開始直後は、まずコンテンツを蓄積することを優先します。一定数のコンテンツがなければ、オウンドメディアとしての価値を発揮することは難しいためです。

コンテンツが蓄積されてきたら、効果測定に基づいて施策を改善していきます。どのコンテンツが読まれているか、どこから流入しているか、どこで離脱しているかなどを分析し、次の施策に活かします。

コンテンツは公開して終わりではなく、長い目でコンテンツを育て、運用していく必要があります。特にSEOの視点に立つと、コンテンツが評価されるには一定の時間がかかり、公開すれば読んでもらえる、というわけにはいきません。上位表示され多くのターゲットユーザーに訪れてもらうには、コンテンツを改善しつづけていく必要があります。

成果を出すための運用ポイント

オウンドメディアを運用するうえで、成果を出すために意識すべきポイントがあります。

1. 目的と手段の一致

常に「目的のために手段がある」という順序を意識することが重要です。コンテンツを作ること自体が目的になってしまうと、本来達成すべきゴールから外れてしまいます。

たとえば、「毎月10本記事を公開する」というKPIを設定した場合、記事の本数を達成することが目的になりやすくなります。しかし、本来の目的がリード獲得であれば、本数よりも「リード獲得につながる記事を作る」ことを重視すべきです。

詳細な行動計画を立てることで、毎月の記事本数やカテゴリー配分といった「やるべきこと」が目的になってしまうことがあります。データを振り返っても、計画変更のハードルが高すぎて改善に活かせない状態に陥ることも。これは目的・目標があるはずなのに、手段を実行することが目的に変質してしまう最も危険な構造です。

2. フェーズごとのKPI設計

オウンドメディアは、フェーズによって重視すべきKPIが変わります。

集客フェーズ(立ち上げ期)では、まずはコンテンツを蓄積し、トラフィックを集めることを重視します。対策キーワードの検索順位、表示回数、クリック数、セッション数などがKPIになります。

ファン化フェーズ(成長期)では、訪問者との関係を深めることを重視します。ページ/セッション、直帰率、滞在時間、メールマガジン登録数などがKPIになります。

成果獲得フェーズ(成熟期)では、事業貢献を重視します。CV数、CVR、資料ダウンロード数、問い合わせ数、商談数、売上貢献額などがKPIになります。

フェーズを見極めずに成果を焦ると、まだ土台ができていない段階で高い目標を追いかけることになり、疲弊してしまいます。

なお、認知獲得フェーズでPVを指標におくことは推奨されません。PV数は季節やトレンドなど、コントロール不可能な要因に影響されてしまうこと、そして検索順位が上がれば、ユーザーが検索結果画面からサイトを訪れてくれる割合(CTR)が上がり、PVも自ずと増えるからです。大事なのは、狙ったキーワードで1位を獲得することです。

3. 余白設計による柔軟な運用

オウンドメディアの運用では、計画どおりに進まないことも多くあります。市場環境の変化、競合の動き、社内状況の変化など、さまざまな要因で軌道修正が必要になります。

そのため、計画を固定しすぎないことが重要です。詳細な行動計画を立てすぎると、計画を守ること自体が目的になり、手段が目的化してしまう危険性があります。

「定数」と「変数」を分けて考えることをお勧めします。達成すべきゴール(定数)は固定しつつ、そこに至る手段(変数)は柔軟に変更できる余白を持たせておきましょう。この設計により、メンバーが計画変更の判断に参加しやすくなり、データの振り返りから改善を実行する組織体制が整います。

ある企業では、この「定数と変数を分けた余白設計」を導入することで、メンバーが自律的に判断できる体制を構築し、2年間で数百万UUへのグロースを実現したケースもあります。

4. 定量指標だけに頼らない評価

オウンドメディアの成果は、定量的な指標だけでは測れない部分もあります。たとえば、「この記事を読んで問い合わせました」という声や、「いつも記事を参考にしています」というフィードバックは、数値には現れにくいですが、オウンドメディアの価値を示すものです。

定量的なKPIを追いかけることは重要ですが、それだけでなく、定性的なフィードバックも収集し、総合的に評価することが大切です。

オウンドメディアで成果を出すために

ここまで、オウンドメディアの基本から運用方法まで解説してきました。最後に、オウンドメディアで成果を出すために押さえておきたいポイントについて解説します。

成功と失敗を分けるポイント

オウンドメディアの成功と失敗を分けるポイントは、大きく「戦略」「運用」「継続」の3つに集約されます。オウンドメディアにおける失敗とは、目的に対して定義した「成果」を達成できないこと。成果は、正しい戦略に基づいて、運用と継続を繰り返せば、必ず出てきます。

1. 戦略面

成功するオウンドメディアは、明確な目的と戦略を持っています。「誰に」「何を」「なぜ」発信するのかが明確であり、それに基づいてコンテンツが作られています。

一方、失敗するオウンドメディアは、目的が曖昧なまま始めてしまうケースが多いです。「とりあえず始めてみよう」「競合がやっているからやろう」という動機で始めると、途中で何を目指しているのかわからなくなりがちです。

よくある失敗として、オウンドメディアの目的が「リード獲得」であるにもかかわらず、PV数・UU数といったトラフィックばかりを追いかけてしまうケースがあります。これは戦略と実行がずれてしまっている典型例です。

2. 運用面

成功するオウンドメディアは、PDCAサイクルを回し続けています。コンテンツを公開して終わりではなく、効果を測定し、改善策を講じ、次のコンテンツに活かすというサイクルが回っています。

一方、失敗するオウンドメディアは、「作って終わり」になってしまうケースが多いです。公開したコンテンツを振り返ることなく、ただ新しいコンテンツを作り続けるだけでは、改善のサイクルが回りません。

3. 継続面

成功するオウンドメディアは、成果が出るまで継続しています。前述のとおり、オウンドメディアは効果が出るまでに時間がかかります。その期間を乗り越えて継続できたかどうかが、成否を分けるポイントです。

ここで大切なのが、成果と結果の違いを理解することです。成果とは「良い結果」のことであり、努力が報われた状態を指します。しかし、成果を得た際には必ず「結果」が生じます。その結果をもとに次の成果と結果を手にし、さらに伸ばしていくという視点が重要です。

つまり、短期的な成果だけを追い求めるのではなく、成果が生んだ結果を次につなげていく長期的な視点を持つことが、継続的な成功につながります。

よくある失敗パターンと対策

オウンドメディアで陥りやすい失敗パターンと、その対策について解説します。

1. 目的と成果が曖昧なまま始める

最も多い失敗パターンです。「オウンドメディアを始めること」が目的になってしまい、「オウンドメディアで何を達成したいのか」が不明確なままスタートしてしまいます。

対策としては、立ち上げ前に目的とKPIを明文化し、関係者間で合意を取っておくことです。また、定期的に目的を振り返り、ぶれていないかを確認することも重要です。

2. 短期的な成果を求めすぎる

オウンドメディアは中長期的な施策であるにもかかわらず、短期間で成果を求めてしまうケースがあります。「3ヶ月やったけど成果が出ない」「半年経っても売上につながらない」と判断して、運用を止めてしまうことがあります。

対策としては、経営層を含めた関係者に「オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかる」ことを事前に説明し、中長期的な投資として位置づけることです。フェーズごとのKPIを設定し、短期的には「集客の伸び」、中期的には「リードの獲得」、長期的には「売上貢献」というように、段階的に成果を示していくことも有効です。

初期段階では小さな成功でも共有・称賛し、チームの自信とモチベーションを高めることが大切です。「このキーワードで検索順位が上がった」「この記事のPVが増えた」「読者からポジティブなフィードバックがあった」など、小さな変化でも積極的に共有し、チームで喜びを分かち合うことが、ブレイクスルーまで走り続ける精神力を支えます。

3. 運用体制が整っていない

オウンドメディアを始めたものの、運用体制が整っておらず、更新が滞ってしまうケースがあります。担当者が兼務で対応していて本業に追われている、外部ライターとのコミュニケーションがうまくいかない、社内での優先度が低くなってしまったなど、さまざまな要因が考えられます。

対策としては、立ち上げ前に運用体制を明確にし、必要なリソースを確保しておくことです。また、運用が軌道に乗るまでは、担当者が集中できる環境を整えることも重要です。

ある老舗飲料メーカーでは、記事制作フローを複数ステップに分け、構成設計・執筆・監修の役割を外部と社内で明確に分担しました。執筆前の構成案作成は外部チームが担当し、同社の監修を通じて方向性を確認。これにより、初稿段階から品質担保された記事制作が可能になり、1年で目標としていた月間8万UUを達成しました。

4. 手段が目的化する(計画の固定化)

「毎月10本記事を公開する」「毎週ブログを更新する」といった計画を立てたものの、その計画を守ること自体が目的になってしまうケースがあります。計画どおりにコンテンツを公開しているが、本来の目的であるリード獲得にはつながっていない、というような状態です。

対策としては、前述の「余白設計」を意識することです。計画を固定しすぎず、定期的に目的に照らして軌道修正できる柔軟性を持つことが大切です。

年間契約や報告制度まで計画に組み込まれると、反応のない施策も繰り返さざるを得ず、逆に伸びている施策にもリソースを振り向けられなくなります。組織運営上の制約は避けられませんが、その中でも「変更可能性」を組み込むことが重要です。

5. 作って終わりになる

コンテンツを公開したら終わり、次のコンテンツへ…というように、過去のコンテンツを振り返ることなく、ただ新しいコンテンツを作り続けてしまうケースがあります。

オウンドメディアは、既存コンテンツの改善(リライト)も重要な施策です。検索順位が上がらないコンテンツを改善したり、古くなった情報を更新したり、CVR(コンバージョン率)を高めるための改善を行ったりすることで、効果を高めることができます。

対策としては、新規コンテンツの制作だけでなく、既存コンテンツの分析と改善も運用サイクルに組み込むことです。

あるインフラサービス企業では、Googleのコアアップデートによる検索順位の低下に直面し、売上も低迷していました。リライトの行動量を増やしても、CV数や売上の回復には十分つながりませんでした。そこで、売り方自体を見直し、個別販売からセット販売へ移行。検索順位の回復に固執せずに売上回復の方法を模索したことで、過去最高のマーケティングリード数を創出し、数千万円以上の増収を達成しました。

継続的な成長のための組織づくり

オウンドメディアを継続的に成長させていくためには、運用を支える組織づくりが重要です。

1. 自走する組織の構築

オウンドメディアの立ち上げ期には、外部のコンサルタントや制作会社の支援を受けるケースも多いでしょう。しかし、長期的には社内でオウンドメディアを運用できる体制を構築することが理想です。

外部への依存度が高いと、コストがかかり続けるだけでなく、ノウハウが社内に蓄積されません。また、外部パートナーとの契約が終了したときに、運用が立ち行かなくなるリスクもあります。

自走する組織を構築するためには、外部の支援を受けながらも、社内のメンバーがスキルを身につけていくことを意識することが大切です。マニュアルやナレッジを整備し、担当者が変わっても運用を継続できる体制を目指しましょう。

自走する組織づくりには3つのポイントがあります。

  • 共通の目標と判断軸の確立: オウンドメディアの明確な目的(KGI)と判断基準をチーム全体で共有することが重要です。関係者が多いプロジェクトほど、ゴールの言語化が効いてきます
  • 成功体験の積み重ね: 特に初期段階では小さな成功でも共有・称賛し、チームの自信とモチベーションを高めます。立ち上がりが鈍い新たな事業や施策では、成功事例のトレースで初動を早めることも有効です
  • 段階的な自律性の向上: 初めは手厚いサポートと具体的な指示を行い、成果が出始めたら徐々に「確認」へとコミュニケーションをシフトしていきます

2. 小さな成功の積み重ねとモチベーション維持

オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかるため、運用チームのモチベーション維持が課題になることがあります。「頑張っているのに成果が出ない」という状態が続くと、チームの士気が下がりやすくなります。

対策としては、大きな成果を待つだけでなく、小さな成功を認識して共有することです。「このキーワードで検索順位が上がった」「この記事のPVが増えた」「読者からポジティブなフィードバックがあった」など、小さな変化でも積極的に共有し、チームで喜びを分かち合うことが大切です。

経験の浅いメンバーが数値データを見ると、PVの上下に一喜一憂し、本質と離れた表面的な数値改善に躍起になることがあります。初期段階では基礎の習得(執筆力、情報整理、読者視点)、習慣の確立(執筆リズム、情報共有、PDCA)、戦略理解に集中させることが重要です。4ヶ月目以降に、小さな数値変化(滞在時間10秒の伸び、SNSでの初シェア)に全員で喜び、チーム全体で祝う文化を作ることで、ブレイクスルーまで走り続ける精神力が支えられます。

3. 外部依存からの脱却

外部パートナーの支援を受けることは問題ありませんが、過度に依存しないことが重要です。コンテンツ制作をすべて外部に任せていると、社内にノウハウが蓄積されず、品質のコントロールも難しくなります。

たとえば、外部ライターにコンテンツ制作を依頼する場合でも、社内で編集・監修を行なう体制を整えることで、品質を担保しながらノウハウを蓄積することができます。

4. AIの活用による生産性向上

近年では、AIを活用してコンテンツ制作の生産性を大幅に向上させる取り組みも増えています。重要なのは、AIを「人 vs AI」の対立構造で考えるのではなく、優秀な「人材」として活かす視点を持つことです。

あるデジタルマーケティング支援企業では、AI対話システムを構築し、社員をライター化する仕組みを作りました。メンバーに覚えてもらうことや、やってもらうことを極力排除し、1つのファイルを実行するだけで、あらゆるプロンプトが連動して会話、編集、コンテンツ化が全て自動で行われるシステムです。その結果、月2本だったコンテンツ制作が月30本以上に増加し、15倍の生産性向上を達成。「思っていることをコンテンツ化するのは楽しい」という声が多数上がり、暗黙知を資産化する仕組みが構築されました。

5. コンテンツはコミュニケーション創出という視点

最後に、オウンドメディアに対する考え方として持っておきたい視点があります。それは、コンテンツそれ自体に価値があるのではなく、コンテンツを通じて発生するコミュニケーションに価値があるという考え方です。

記事を公開すること、PVを獲得することが目的ではありません。コンテンツを通じて読者と対話し、信頼関係を構築し、最終的には事業に貢献することが目的です。

この視点を持つことで、「読者にとって本当に価値があるコンテンツとは何か」を常に考えるようになります。そして、読者との良質なコミュニケーションが生まれれば、それがリード獲得やブランディングにつながっていきます。

「良いコンテンツ」の定義は、少なくとも「読み手の悩みや課題が解決されること」、そして「その企業だからこそ発信する価値があるもの」です。他社のコンテンツの真似事にならず、届けるべきユーザーに目を向け、自分たちだからこそできるコンテンツ発信を心がけることが大切です。

最後に

本記事では、オウンドメディアの基本的な定義から、目的と役割、メリット・デメリット、立ち上げと運用のステップ、そして成果を出すためのポイントまで、体系的に解説しました。

オウンドメディアは、正しく活用すれば、リード獲得、認知拡大、採用強化など、さまざまな事業課題を解決する強力な手段となります。しかし、目的が曖昧なまま始めたり、短期的な成果を求めすぎたりすると、期待した効果を得られないこともあります。

重要なのは、オウンドメディアを「手段」として捉え、「何のためにやるのか」という目的を明確にすることです。そして、成果が出るまでには時間がかかることを理解したうえで、中長期的な視点で継続していくことが求められます。

本記事が、オウンドメディアの導入を検討されている方、すでに運用されている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

この記事は、社内の知見や実績データを活用し、ユーザーにとって利便性の高いコンテンツを生み出すよう設計されたAIを活用して制作し、マーケターがレビュー・監修した後に公開しています。KAAANは、AIと人の共創によって高品質なコンテンツを効率的に制作しています。

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著者

寺倉 大史

寺倉 大史

Director

業界歴10年以上。マーケティング全体の戦略、プランニング、PM、組織開発など幅広く累計100社以上を支援。藍染職人、株式会社LIG執行役員を経て、デジタルマーケティングカンパニー『MOLTS』を設立。

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