オウンドメディア戦略の立て方| 設計から運用まで成果につなげる実践ガイド

オウンドメディア戦略の立て方| 設計から運用まで成果につなげる実践ガイド

オウンドメディアを活用したマーケティング施策は、多くの企業にとって重要な選択肢となっています。広告費に依存しない継続的な集客基盤として、また自社の専門性を発信する場として、オウンドメディアへの関心は年々高まっています。

一方で、以下のような声も増えています。

  • 記事を作り続けているが、なかなか成果につながらない
  • 運用が続かず、更新が止まってしまった
  • 何をKPIに設定すればよいかわからない
  • 戦略を立てたはずなのに、いつの間にか「記事を公開すること」が目的になっている

これらの課題の多くは、「戦略設計の不備」に起因しています。弊社がこれまで支援してきた企業の中にも、立ち上げ当初は明確な目的を持っていたものの、運用を続けるうちに目的と手段が入れ替わってしまい、結果として成果が出ないまま運用が止まってしまったケースが少なくありません。

そこで本記事では、オウンドメディアの戦略設計から運用継続、成果創出までのポイントを体系的に解説します。これからオウンドメディアを立ち上げる方はもちろん、すでに運用しているが成果に伸び悩んでいる方にも参考にしていただける内容となっています。

オウンドメディア戦略とは何か

オウンドメディア戦略を考える前に、まずオウンドメディアそのものの定義と、戦略設計の重要性について整理しておきましょう。明確な理解がないまま取り組みを始めてしまうと、途中で方向性を見失う原因になりかねません。

オウンドメディアの定義と役割

オウンドメディアとは、「企業の事業・採用課題を解決するための手段としてのメディア」です。単に自社で運用するWebマガジンやブログを指すのではなく、企業の収益を増やし、人を集め、事業に貢献するという観点で捉える必要があります。

例えば、自社でBtoB向けのサービスを提供している場合、そのサービスに関連するキーワードでコンテンツを制作し、検索上位を獲得することで、狙っているターゲットを効率よく集客できます。また、採用課題を抱えている場合は、社員インタビューや企業文化を発信するコンテンツを通じて、自社に共感する人材を集めることも可能です。

ここで重要なのは、オウンドメディアを「情報発信の場」としてだけ捉えないことです。「いかに企業の収益を増やし、人を集め、事業に貢献するのか」という視点で考えることが、オウンドメディア戦略の出発点となります。

商業メディアとオウンドメディアの違いも押さえておきましょう。商業メディアは、メディア自体での収益化を目的として運営されます。多くのトラフィックを集め、広告収入を得ることがゴールです。一方、オウンドメディアは事業課題の解決が目的であり、いくらトラフィックが集まっても、事業課題の解決につながっていなければ意味がありません。

弊社が支援したある専門分野向けマッチングサービス企業では、この点を最初から明確にしていました。新規事業立ち上げ当初は広告出稿やアウトバウンド営業でリード獲得を行っていましたが、コスト上昇と人的リソース逼迫により継続的なリード獲得が困難になっていました。そこで、長期的なリード獲得チャネルとして、オウンドメディアを「事業課題を解決する手段」として位置づけ、オーガニック検索強化に注力する決断をしたのです。結果として、立ち上げから1年で月100件を超えるお問い合わせが生まれ、広告費と営業コストは最終的にゼロになりました。

戦略設計がなぜ重要なのか

オウンドメディアを運用する上で、戦略設計が重要な理由は大きく2つあります。

1つ目は、オウンドメディアには「絶対的な成功パターン」が存在しないからです。運用の目的に応じて様々な事業・採用課題を解決できますが、それゆえに、すべてのオウンドメディアに共通する正解はありません。自社の状況に合わせた戦略を設計する必要があるのです。

2つ目は、戦略がないまま運用を始めると「手段の目的化」が起きやすいからです。例えば、「月10本の記事を公開する」という目標を設定した場合、いつの間にか記事を公開すること自体が目的になってしまい、本来達成すべき成果から目が離れてしまうケースが少なくありません。

弊社の経験では、詳細な行動計画を立てることで、毎月の記事本数やカテゴリー配分といった「やるべきこと」が目的になってしまうケースを多く見てきました。データを振り返っても、計画変更のハードルが高すぎて改善に活かせない状態に陥ってしまうのです。これは目的・目標があるはずなのに、手段を実行することが目的に変質してしまう最も危険な構造です。

ある企業では、この「手段の目的化」を防ぐために、目的達成に必要な「余白(変数)」と「必須事項(定数)」を明確に分離しました。この設計により、メンバーが計画変更の判断に参加しやすくなり、データの振り返りから改善を実行する組織体制が整ったのです。立ち上げ初期から詳細計画を作るのではなく、まず運用体制やリソース、予算を整理し、その上で「何を変えられるか」を定義することが、柔軟な運用を可能にします。

戦略設計によって「何のために」「誰に向けて」「どのような価値を提供するのか」を明確にしておくことで、日々の運用における判断基準ができ、成果につながる施策に集中できるようになります。

AI時代における戦略の変化

生成AIの登場により、コンテンツ制作の生産性は飛躍的に向上しました。以前は1本の記事を作成するのに数日かかっていた作業が、AIを活用することで大幅に短縮できるようになっています。

しかし、AIを活用したコンテンツ制作には「60点問題」と呼ばれる課題があります。AIは公開情報を基に情報を生成するため、同じような情報ソースから類似したコンテンツが生成されやすいのです。その結果、どのメディアも似たような内容になり、差別化が難しくなります。プロフェッショナルから見ると「60点」程度の品質に留まることが多いのです。

この課題を克服するためには、自社独自の知見や経験を「暗黙知」から「形式知」へと変換し、コンテンツに反映させることが重要になります。社内のプロフェッショナルが持つ経験や判断、ノウハウをコンテンツに組み込むことで、他社との差別化を図ることができます。

暗黙知には様々な種類があります。プロフェッショナルの経験に基づく物事の良し悪しの判断(判断知)、効率よく業務をこなすための体感的なノウハウ(実践知)、相手との関係を築くための人への理解(関係知)、美的感覚や品質基準(価値知)、状況の背景や暗黙のルール(文脈知)などです。これらをコンテンツに織り込むことで、真に価値のある情報発信が可能になります。

AIはあくまでツールであり、PowerPointやExcelと同じカテゴリーに属するものです。AIを使って低品質なコンテンツができた場合、それはAIの責任ではなく、適切な指示やプロンプト設計ができていない使い手の責任です。AIを「優秀な新人」と捉え、その能力を最大限に引き出すための組織設計を行うことが、これからのオウンドメディア戦略には欠かせません。

オウンドメディア戦略設計の7ステップ

オウンドメディア戦略を設計する際には、以下の7つのステップを踏むことをおすすめします。これらのステップを順番に進めることで、成果につながる土台を構築できます。

目的・目標の明確化

オウンドメディア戦略設計の最初のステップは、「何のためにオウンドメディアを運用するのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま始めてしまうと、どのようなコンテンツを作成すべきか、どのターゲットに焦点を当てるべきかが不明確になり、効果的なマーケティング活動が行えなくなります。

オウンドメディアの代表的な目的には以下のようなものがあります。

リード獲得: 特にBtoB企業に多い目的です。サービスや商品のお問い合わせや資料請求といったリードを獲得します。検索エンジン経由で確度の高い見込み客を集客し、コンバージョンにつなげる戦略が一般的です。

認知拡大: サービスや商品自体を知らない「非認知層」に向けての認知拡大を目的とするケースです。潜在顧客が興味・関心を示しそうなコンテンツを発信することで、会社名やサービス名を知ってもらうきっかけを作ります。

ブランディング: 「利便性を重視するならA社」「セキュリティを重視するならB社」といったように、自社サービスの強みや特徴をユーザーに認知してもらうことを目的とするケースです。

採用力の強化: 社員へのインタビューや働き方に関するコンテンツを発信することで、会社のカルチャーやビジョンに共感する採用候補者を獲得することを目的とするケースです。

目的を定めたら、その達成状況を定量的に計測できるよう成果指標を設定します。リード獲得が目的なら「問い合わせ数」「資料請求数」、認知拡大が目的なら「新規ユーザー数」「指名検索数」といった具合です。

ある大手化学メーカーが運営する健康情報メディアでは、当初、自社製品の販売促進と企業ブランドの認知向上を目的として設定しました。しかし、上場企業として株主への説明責任を重視する環境下で、PVやUUといったわかりやすい数値での成果も求められていました。このように、複数の目的がある場合は、優先順位を明確にしておくことが重要です。

ペルソナ・ターゲット設定

目的が明確になったら、次は「誰に向けて発信するのか」を定義します。ターゲットオーディエンスを広範に定義し、その中から具体的なペルソナを設定することで、読者視点に立ったコンテンツ制作が可能になります。

ターゲットとペルソナは似ているようで異なる概念です。ターゲットは「30代のマーケティング担当者」のように比較的広い属性の集団を指します。一方、ペルソナはその集団の中から抽出した具体的な一人の人物像を詳細に設定したものです。

ペルソナ設定で定義すべき項目には、以下のようなものがあります。

  • 基本属性(年齢、性別、職業、役職)
  • 業務上の課題や悩み
  • 達成したい目標
  • 情報収集の方法や使用するメディア
  • 価値観やライフスタイル

BtoB企業の場合は、ペルソナが所属する企業の業種や規模、決定権の有無なども重要な設定項目になります。

ペルソナ設定のポイントは、「おそらくこのような人が読んでいるはず」という思い込みではなく、できる限り客観的な情報を基に設定することです。既存顧客へのヒアリングやアンケート、アクセスデータの分析などを活用しましょう。

ある特定職種に特化した人材サービス企業では、ターゲットの解像度を上げるため、現場のキャリアアドバイザーに対する複数回のヒアリングを実施しました。その結果、一般的な訴求軸に共感する層よりも、特定の状況において「主体的に動きづらいため、効率的にサポートを受けたい」といったニーズを持つユーザーが一定数存在することが明らかになりました。

また、この企業では自社のユーザー行動に関する定量データが、他社が一般に提示している数値傾向とは異なることが確認されました。その要因や背景についてもヒアリングを通じて明確化し、ターゲットのニーズに沿った訴求内容に変更するための情報整理を実施。すでに蓄積されている数値や事業部の重要視するポイント、過去の実績を再評価した上で、訴求すべき軸や提供すべき情報を再構築したのです。このような現場の声と定量データの両方を活用することで、より精度の高いペルソナ設定が可能になります。

競合調査とポジショニング

ターゲットが明確になったら、同じターゲットに向けて情報発信している競合メディアを調査します。競合調査の目的は、自社メディアの独自のポジショニングを見つけることです。

競合調査で確認すべきポイントは以下の通りです。

  • どのようなキーワードでコンテンツを展開しているか
  • どのようなテーマや切り口で情報を発信しているか
  • どのようなコンテンツが上位表示されているか
  • どのような差別化ポイントを打ち出しているか

競合と同じことをやっても勝てません。競合が取り組んでいない領域や、自社だからこそ発信できる独自の視点を見つけることが重要です。

ポジショニングを考える際には、「ターゲット」と「提供価値」の掛け合わせで考えると整理しやすくなります。例えば、「中小企業の経理担当者向けに、実務に直結する節税ノウハウを発信する」といった具合です。ターゲットと領域を絞り込むことで、短期間でも専門性を確立しやすくなります。

弊社が素人から成果を出す編集部を構築した際も、一点集中戦略を採用しました。限られたリソースで全方位戦争に勝つことは不可能です。ターゲットと領域を絞り込むことで、短期間でも専門性を確立でき、成果も可視化しやすくなります。

KPI・KGIの設計

オウンドメディアの目的(KGI)を達成するために、どのような中間指標(KPI)を設定するかを決めます。KPI設計のポイントは、フェーズに応じて適切な指標を選択することです。

オウンドメディアの運用は、立ち上げ期、成長期、成熟期といったフェーズに分けて考えることができます。それぞれのフェーズで重視すべきKPIは異なります。

立ち上げ期のKPI例:

  • コンテンツ公開本数
  • 運用体制の確立度合い
  • 基本的なSEO対策の実施状況

立ち上げ期は、具体的な数値目標よりも「運用体制の基盤づくり」といった行動目標を設定することをおすすめします。オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかる施策であり、初期から高い成果目標を設定すると挫折しやすくなります。

弊社では、初期3ヶ月の基礎訓練期間は数値を見させない、競合を見させないというルールを設けています。経験の浅いメンバーが数値データを見ると、PVの上下に一喜一憂し、本質と離れた表面的な数値改善に躍起になってしまうからです。初期段階では基礎の習得(執筆力、情報整理、読者視点)、習慣の確立(執筆リズム、情報共有、PDCA)、戦略理解に集中させることが重要です。

成長期のKPI例:

  • 対策キーワードの検索順位
  • セッション数・表示回数
  • ページ滞在時間

成長期は、集客に関する指標を重視します。狙ったキーワードで上位表示できているか、コンテンツがきちんと読まれているかを確認します。

成熟期のKPI例:

  • CV数・CVR
  • 資料ダウンロード数
  • 問い合わせ数

成熟期は、事業貢献に直結する指標を重視します。集客ができるようになった段階で、いかにコンバージョンにつなげるかに注力します。

KPI設計で重要なのは「見るべき指標を絞ること」です。多くの指標を追いかけすぎると、どこに注力すべきかがわからなくなります。見るべき指標は6〜7つ程度に絞ることをおすすめします。

コンテンツ方針の策定

ペルソナとポジショニングが決まったら、具体的なコンテンツ方針を策定します。コンテンツ方針には、以下のような項目を含めます。

コンテンツのテーマ・カテゴリ: どのようなテーマでコンテンツを展開するかを決めます。ターゲットのニーズと自社の専門性が重なる領域を中心に設定します。

コンテンツの種類・形式: 記事コンテンツだけでなく、ホワイトペーパー、動画、インフォグラフィックなど、様々な形式が考えられます。ターゲットの情報収集行動に合わせて選択します。

コンテンツのトーン・マナー: 専門的で堅めのトーンにするか、親しみやすいトーンにするかなど、メディア全体の統一感を保つためのルールを決めます。

更新頻度: 継続的に更新できる現実的な頻度を設定します。最初から高すぎる目標を設定すると、運用が続かなくなる原因になります。

コンテンツ方針を策定する際に意識すべきは、「コンテンツそのものに価値があるわけではなく、コンテンツから生まれるコミュニケーションに価値がある」という視点です。読者の課題解決に貢献し、読者との信頼関係を構築することを念頭に置きましょう。

ある老舗飲料メーカーでは、SEO起点だけのコンテンツでは全テーマを満たすことができないため、独自のテーマ体系を設計しました。情報構造の可視化によって、制作すべきテーマや進捗が全体像として把握できる環境を整備したのです。また、ライターにはSEO専門人材ではなく、日常的に対象製品を楽しむ愛好家をアサインしました。嗜好品特有の主観的な価値観を活かし、読み手の共感を得る自然な語りを重視したのです。この判断が、他社では真似できない独自性のあるコンテンツ創出につながりました。

流入経路の設計

コンテンツを作成しても、読者に届かなければ意味がありません。どのような経路でターゲットにコンテンツを届けるかを設計します。

自然検索流入(SEO): 検索エンジン経由での流入です。検索順位が重要な指標となり、上位表示されるほど多くの流入が見込めます。検索流入は「特定の情報を探している」という明確な意図を持ったユーザーにリーチできるため、コンバージョンにつながりやすい傾向があります。

SNS流入: SNSでの情報拡散を通じた流入です。検索流入とは異なり、「たまたま目に入った」ユーザーにリーチするため、認知拡大に適しています。ただし、SNSユーザーの属性によってリーチできる層が変わるため、ターゲットに合ったプラットフォームを選ぶ必要があります。

メールマガジン流入: 既存の顧客リストやメール登録者へのアプローチです。すでに接点のある相手に向けた発信のため、関係性の維持・強化に適しています。

広告流入: 短期間で多くのユーザーにリーチできますが、継続的な予算が必要です。オウンドメディアの立ち上げ初期に認知を広げる目的で活用するケースがあります。

複数の流入経路を組み合わせることで、集客の安定性を高めることができます。特にSEOは成果が出るまでに時間がかかるため、立ち上げ初期はSNSやメールマガジンを活用して流入を確保しながら、中長期的にSEOを強化していくアプローチが有効です。

ある飲料メーカーでは、SEOに依存しすぎず、SNSなど他チャネルでの接点創出にも着手しました。開発担当者や店舗関係者へのインタビュー企画を別チームで進行し、SNSで拡散されやすいコンテンツを設計。多面的なアプローチにより、接点を広げながらブランド価値を伝えることを目指しました。

運用体制の構築

戦略を実行に移すための運用体制を構築します。オウンドメディアの運用には、以下のような役割が必要になります。

プロジェクトリーダー(編集長): メディア全体の方向性を決め、進捗を管理する役割です。オウンドメディア運用にフルコミットできる担当者を配置することが理想的です。

コンテンツディレクター: 個々のコンテンツの企画・構成を担当する役割です。SEOの知識やコンテンツ制作のスキルが求められます。

ライター・制作者: 実際にコンテンツを作成する役割です。社内で対応する場合と、外部パートナーを活用する場合があります。

分析・改善担当: アクセスデータを分析し、改善施策を立案する役割です。Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのツールを使いこなせる人材が求められます。

すべての役割を社内で賄う必要はありません。社内リソースが限られている場合は、外部パートナーを活用することも有効な選択肢です。ただし、「安いから外注する」という発想は危険です。コンテンツの質はオウンドメディアの成功を左右する要素であり、質の低いコンテンツを量産しても成果にはつながりません。

弊社の経験では、BtoBマーケティングの戦略設計者と、オウンドメディア領域のプロフェッショナルが協働する場合、互いの専門性を完全に信頼することが重要です。BtoBマーケの全体戦略を一人に任せ、オウンドメディアからのリード創出を専門家に任せることで、それぞれが本当に必要な領域に集中できます。役割分担が明確であれば、お互いの手法を細かく議論する必要はなく、効率的に進行できるのです。

外部パートナーを選ぶ際には、以下の点を確認することをおすすめします。

  • どのようなプロセスでコンテンツを制作しているか
  • どのような課題を解決してきた実績があるか
  • 専門性や信頼性のある情報発信ができるか

ある老舗飲料メーカーでは、初めてのオウンドメディア立ち上げにあたり、社内にコンテンツ制作体制がないという課題を抱えていました。この企業では、記事制作フローを複数ステップに分け、構成設計・執筆・監修の役割を外部と社内で明確に分担する体制を構築しました。執筆前の構成案作成は外部チームが担当し、社内の監修を通じて構成や主張の方向性を確認。これにより、初稿段階から品質担保された記事制作を可能にしたのです。

特に注目すべきは、ライターの選定方針です。SEO専門人材ではなく、日常的に対象製品を楽しむ愛好家をアサインしました。嗜好品には決まった正解がないため、その人の色や考え方、主張が盛り込まれている方がメディアらしさが出ると考えたのです。この判断が、他社では真似できない独自性のあるコンテンツ創出につながり、プロジェクト開始から1年半で月間8万UUを達成。主要なSEOキーワードで上位を獲得し、社内でも中核メディアとして評価されるまでに成長しました。

成果を出すためのKPI設計

オウンドメディアで成果を出すためには、適切なKPI設計が欠かせません。ここでは、KPI設計の具体的な方法と、陥りやすい落とし穴について解説します。

フェーズ別のKPI設定方法

オウンドメディアのKPIは、運用フェーズに応じて変化させていく必要があります。よくある失敗は、立ち上げ初期から「CV数」や「リード獲得数」といった成果指標をKPIに設定してしまうことです。

オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかる施策です。特にSEOを主軸とする場合、検索エンジンにコンテンツが評価されるまでには数ヶ月から半年以上かかることも珍しくありません。初期から成果指標を追いかけると、「記事を書いても成果が出ない」という状況に陥り、運用が続かなくなってしまいます。

フェーズ別のKPI設定の考え方は以下の通りです。

立ち上げ期(0〜3ヶ月): 行動量にフォーカス

  • 週あたりのコンテンツ公開本数
  • コンテンツ制作フローの確立
  • 運用ルールの整備

この時期は、数値の上下に一喜一憂せず、基礎の習得と習慣の確立に集中することが重要です。

成長期(4〜12ヶ月): 集客指標にフォーカス

  • 主要キーワードの検索順位
  • 月間セッション数
  • 新規ユーザー数

コンテンツが蓄積されてきた段階で、集客に関する指標を確認します。検索順位が上がれば、流入数も自然と増えていきます。

成熟期(1年以降): 成果指標にフォーカス

  • CV数・CVR
  • リード獲得数
  • 商談数・受注数

集客が安定してきた段階で、いかにコンバージョンにつなげるかに注力します。CTA(行動喚起)の改善やコンバージョン導線の最適化が重要になります。

事業貢献につながるKPIの考え方

オウンドメディアのKPIを設計する際に最も重要なのは、「そのKPIの達成が事業課題の解決に紐づいているか」という視点です。

よくある失敗例として、リード獲得を目的としているにもかかわらず、PV数やUU数といったトラフィック指標ばかりを追いかけてしまうケースがあります。いくらPVが増えても、リード獲得につながっていなければ、本来の目的は達成されていません。

KPIは「KGI(最終目標)」から逆算して設定することが重要です。例えば、「年間リード獲得数100件」というKGIを設定した場合、そこから逆算して「月間リード獲得数」「月間CV数」「CVR」「必要なセッション数」といった形でKPIを分解していきます。

ある Instagram運用支援企業では、3カ月で100記事を制作したものの、想定していた成果に繋がっていませんでした。流入は見込めたがCVに結びつかない状態だったのです。そこで、KPIを「PV」から「コンバージョン獲得数」へ変更し、「どのようなコミュニケーションであればユーザーに興味を持ってもらえるか」という設計をもとにCTA改善施策やリライト施策を実行しました。結果として、リード創出は月10件から500件へと50倍に増加しました。

また、KPIは6〜7つ程度に絞ることをおすすめします。見るべき指標が多すぎると、どこに注力すべきかがわからなくなり、改善のアクションが取りにくくなります。

効果測定とPDCAの回し方

KPIを設定したら、定期的に効果測定を行い、改善につなげていきます。効果測定には、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのツールを活用します。

効果測定で確認すべきポイントは以下の通りです。

検索パフォーマンスの確認: サーチコンソールで、対策キーワードの検索順位、表示回数、クリック数を確認します。狙ったキーワードで順位が上がっているか、クリックされているかを定期的にチェックします。

コンテンツ単位のパフォーマンス確認: Googleアナリティクスで、各コンテンツのセッション数、滞在時間、直帰率などを確認します。どのコンテンツが読まれているか、どこで離脱が起きているかを把握します。

コンバージョン経路の確認: どの流入経路から来たユーザーがコンバージョンしているか、どのコンテンツを経由してコンバージョンに至っているかを確認します。

効果測定の結果を受けて、改善施策を実行します。改善施策には、既存コンテンツのリライト、CTAの改善、内部リンクの最適化などがあります。

PDCAを回す際のポイントは、「計画に縛られすぎないこと」です。詳細な行動計画を立てすぎると、計画を実行すること自体が目的になってしまい、データに基づいた柔軟な改善ができなくなります。

弊社では、目的達成のために必要な「余白(変数)」と「必須事項(定数)」を明確に分離することを推奨しています。この設計により、メンバーが計画変更の判断に参加しやすくなり、データの振り返りから改善を実行する組織体制が整います。立ち上げ初期から詳細計画を作るのではなく、まず運用体制やリソース、予算を整理し、その上で「何を変えられるか」を定義するのです。

運用を継続するためのポイント

オウンドメディアは継続してこそ成果が出る施策です。しかし、多くの企業が運用継続の壁にぶつかります。ここでは、運用を継続するための具体的なポイントを解説します。

リソース確保と外部活用

オウンドメディア運用が続かなくなる最も大きな理由は、「他業務で忙しく手が回らない」というリソースの問題です。特に、オウンドメディア担当者が他の業務と兼務している場合、コンテンツ制作に十分な時間を割けなくなりがちです。

リソース確保のためのアプローチは大きく2つあります。

1つ目は、社内リソースの最適化です。オウンドメディア運用に専任担当者を配置できることが理想ですが、難しい場合は、担当者がコンテンツ制作に集中できる時間を確保する仕組みを作ります。例えば、週に1日はオウンドメディア業務に集中する日を設ける、といった工夫が考えられます。

2つ目は、外部リソースの活用です。コンテンツ制作を外部パートナーに依頼することで、社内リソースの不足を補うことができます。外部パートナーを活用する際のポイントは、「安さ」ではなく「質」を重視することです。コンテンツの質はオウンドメディアの成否を左右する要素であり、質の低いコンテンツを量産しても成果にはつながりません。

ある大手化学メーカーの健康メディアでは、限られた予算で確実に成果を出すため、過去の信頼できる協力者4人に依頼し、各自1本ずつ高品質なコンテンツを制作してもらいました。不確実性の高い状況で確実に成果を出すためには、コンテンツの品質が極めて重要であり、信頼関係のある優秀なライターへの集中投資が最も合理的な選択だったのです。この4本のコンテンツは予想を上回るパフォーマンスを発揮し、メディア全体への波及効果も生まれました。

外部パートナーを選ぶ際には、以下の点を確認することをおすすめします。

  • どのようなプロセスでコンテンツを制作しているか
  • どのような課題を解決してきた実績があるか
  • 専門性や信頼性のある情報発信ができるか

コンテンツ企画・ネタ出しの方法

オウンドメディア運用が続かなくなるもう1つの理由は、「ネタが尽きる」という問題です。最初は企画が出てきても、継続していくうちに何を書けばよいかわからなくなってしまうケースがあります。

コンテンツ企画を継続的に生み出すためのアプローチをいくつか紹介します。

キーワード起点のアプローチ: ターゲットが検索するであろうキーワードをリストアップし、それぞれのキーワードに対応したコンテンツを企画します。キーワードプランナーやサーチコンソールなどのツールを活用し、検索ニーズのあるキーワードを洗い出します。

顧客の声起点のアプローチ: 営業やカスタマーサポートに寄せられる質問や相談を収集し、それに答えるコンテンツを企画します。実際の顧客が抱えている課題に基づいたコンテンツは、ターゲットのニーズに合致しやすくなります。

社内の知見起点のアプローチ: 社内の専門家が持つ知見やノウハウをコンテンツ化します。普段の業務で当たり前に行っていることでも、外部から見れば価値のある情報であることが多いです。

競合分析起点のアプローチ: 競合メディアがどのようなテーマでコンテンツを展開しているかを分析し、自社でカバーできていないテーマを見つけます。ただし、単なる真似ではなく、自社ならではの視点を加えることが重要です。

コンテンツ企画を継続するためには、これらのアプローチを組み合わせて、定期的にネタ出しを行う仕組みを作ることが効果的です。

AI活用による効率化と差別化

生成AIの活用は、オウンドメディア運用の効率化に大きく貢献します。一方で、AIの活用方法を間違えると、質の低いコンテンツを量産してしまうリスクもあります。

AIを効果的に活用するためのポイントは、「AIと人間の役割分担を明確にすること」です。

AIが担う役割の例:

  • キーワードリサーチ・競合分析
  • コンテンツの構成案・下書き作成
  • 定型的な情報の整理・まとめ

人間が担う役割の例:

  • 戦略立案・企画の最終判断
  • 企業独自の知見・経験の提供
  • AIが生成したコンテンツの編集・品質管理
  • 最終的なアウトプット責任

AIを「人間の代わり」と捉えるのではなく、「優秀な新人」と捉えることで、活用の幅が広がります。優秀な営業担当者が入社したら、既存のプロセスを見直してその能力を最大限に活かそうとするでしょう。AIも同様に、AIの能力に合わせて業務プロセスを再設計することが重要です。

また、AI時代だからこそ、差別化の源泉となるのが「暗黙知」です。社内のプロフェッショナルが持つ経験や判断、ノウハウは、AIが生成できない独自の価値です。この暗黙知を形式知化し、コンテンツに反映させることで、他社との差別化を図ることができます。

弊社では、AIを活用して非ライターのメンバーでもコンテンツを作れる仕組みを構築しました。10人のメンバーに1週間で1本のペースで依頼したところ、なんと20本のコンテンツが自主的に生成されました。通常1ヶ月1本でも重いライティング作業が、30分の会話でコンテンツが完成するようになり、「思っていることをコンテンツ化するのは楽しい」という声が多数上がったのです。

最終的に月30本以上のコンテンツが作成され、一人当たり平均3本という当初の予想を大きく上回る成果となりました。また、公開できるレベルのコンテンツ化率は50%から85%以上に向上しました。

さらに、副次的効果として、作成されたコンテンツが暗黙知の集約となったため、これらを戦略オートメーション化AIエージェントに組み込んで考慮観点を増やしたり、コンテンツSEOのリライトに自動活用するなど、売上向上と原価削減の両面で暗黙知を設計・活用する仕組みが構築されました。

オウンドメディア戦略を成功させる5つの視点

最後に、オウンドメディア戦略を成功に導くための5つの視点を紹介します。これらの視点を持つことで、長期的に成果を出し続けるメディアを構築できます。

長期視点での運用

オウンドメディアは、短期間で成果が出る施策ではありません。特にSEOを主軸とする場合、成果が出始めるまでに半年から1年以上かかることも珍しくありません。

成功しているオウンドメディアの多くは、3年以上継続して運用しています。短期的な成果を求めすぎると、成果が出る前に運用をやめてしまうことになりかねません。

長期視点で運用するためのポイントは、以下の通りです。

  • 経営層や関係者に、オウンドメディアは中長期施策であることを理解してもらう
  • 短期的な成果よりも、継続的な運用体制の構築を優先する
  • 小さな成功を積み重ね、チーム全体のモチベーションを維持する

特に「小さな成功の積み重ね」は重要です。滞在時間が10秒伸びた、SNSで初めてシェアされた、といった小さな変化でも、チーム全体で共有し、喜び合う文化を作ることで、長期間にわたって運用を続けるモチベーションを維持できます。

弊社の支援事例でも、4ヶ月目以降は小さな数値変化に全員で喜び、チーム全体で祝う文化を作ることを意識しています。これらの小さな成功体験がモチベーション維持と組織的な一体感につながり、ブレイクスルーまで走り続ける精神力を支えます。素人集団でも、正しい方向性と小さな成功の積み重ねで、驚異的な成長が可能になるのです。

長期視点で特に重要なのは、初期段階での「証拠づくり」です。ある大手化学メーカーの健康情報メディアでは、月間8万UUという低迷状態から40倍の成長を2年で実現しました。このプロジェクトが成功した最大の要因は、最初の証拠づくりの段階で確実に成果を出せたことでした。

限られた予算で信頼できるライターに依頼し、質の高いコンテンツによる「点」を作れたことが、その後の線、面への展開を可能にした分岐点となったのです。証拠が生まれたことで仮説の正しさが実データで証明され、全体予算や組織体制をグロースに向けて再構築できるようになりました。既存パートナーとも建設的に協議できる環境が整い、チーム全体が同じ方向を向いて取り組める体制が実現したのです。長期施策だからこそ、早い段階で小さな成功を証明することが、その後の展開を大きく左右します。

ユーザー視点のコンテンツ制作

オウンドメディアで成果を出すためには、ユーザー視点でコンテンツを制作することが不可欠です。「企業が伝えたいこと」ではなく、「ユーザーが知りたいこと」を起点にコンテンツを設計する必要があります。

ユーザー視点のコンテンツ制作で意識すべきポイントは以下の通りです。

検索意図の理解: そのキーワードで検索するユーザーが何を知りたいのか、どのような課題を抱えているのかを深く掘り下げます。検索結果の上位に表示されているコンテンツを分析し、ユーザーのニーズを把握します。

顕在ニーズと潜在ニーズの把握: ユーザーが自覚している「顕在ニーズ」だけでなく、ユーザー自身も気づいていない「潜在ニーズ」にも目を向けます。潜在ニーズに応えるコンテンツは、読者に「なるほど」という気づきを与え、信頼感を醸成します。

読者との「コミュニケーション」の意識: コンテンツは情報を伝える箱ではなく、読者とのコミュニケーションを生み出すきっかけです。読者の心に何かを残し、「この会社、いいな」と感じてもらうことを意識します。

弊社が重視しているのは、「情報発信の責任を最優先にする」という原則です。誤った情報は読者に不利益を与え、企業ブランドに計り知れないダメージを与えます。成果追求の前に「嘘や誤情報を絶対に出さない」という原則を全メンバーに徹底させることが不可欠です。事実確認の厳格化、推測と事実の区別、専門家監修の義務化、引用元の明確化といった具体的な基準を設定することで、素人が編集部を担当しても、信頼されるメディアの基盤が築けます。

SEOとSNSの組み合わせ

オウンドメディアの流入経路として、SEOとSNSはそれぞれ異なる特性を持っています。両者を効果的に組み合わせることで、集客の安定性と幅を広げることができます。

SEOは「探している人」にリーチできる強みがあります。特定の課題を解決したいと考えて検索しているユーザーに対して、解決策を提供するコンテンツを届けられます。一方で、成果が出るまでに時間がかかるというデメリットがあります。

SNSは「探していない人」にもリーチできる強みがあります。拡散性を活かして、まだ課題を認識していない潜在層にアプローチできます。一方で、アルゴリズムの変更や投稿頻度に成果が左右されやすいというデメリットがあります。

両者を組み合わせるアプローチとしては、以下のようなものがあります。

  • 立ち上げ初期はSNSで認知を広げ、中長期的にSEOを強化する
  • SEO向けのコンテンツをSNSでも発信し、相乗効果を狙う
  • SNSで反応の良かったテーマを深掘りしたSEOコンテンツを制作する

検索アルゴリズムの変動リスクを考慮すると、SEOだけに依存せず、複数の流入経路を確保しておくことが安定的な運用につながります。

あるインフラ事業者では、Googleのコアアップデートによる検索順位の低下に直面し、売上が低迷した経験があります。検索順位の回復に固執するのではなく、売上回復の方法を多角的に模索した結果、検索順位の変動に依存しない戦略への転換を決断しました。CV数が完全に回復しなくても、顧客単価を向上させることで全体の収益性を向上できるという結論に至り、安定的に成果を生み出せる運用体制を構築することができたのです。

社内連携と情報収集

オウンドメディアで質の高いコンテンツを継続的に発信するためには、社内の様々な部門との連携が欠かせません。営業、カスタマーサポート、製品開発など、顧客に近い部門が持つ情報は、コンテンツの企画や制作において貴重な素材となります。

社内連携を進めるためのポイントは以下の通りです。

オウンドメディアの目的と成果を共有する: 他部門のメンバーに、オウンドメディアが何を目指しているのか、どのような成果を上げているのかを定期的に共有します。「なぜ協力が必要なのか」を理解してもらうことで、協力を得やすくなります。

情報収集の仕組みを作る: 顧客からの質問や相談を定期的に収集する仕組みを作ります。例えば、月に1回、営業部門からよくある質問をヒアリングする場を設けるといった方法があります。

コンテンツ制作への参加を促す: 社内の専門家にインタビューしてコンテンツを作成する、専門家に監修してもらうといった形で、コンテンツ制作への参加を促します。自分が関わったコンテンツには愛着が生まれ、社内での認知も高まります。

社内連携がうまくいくと、オウンドメディアに対する社内の理解と協力が広がり、より質の高いコンテンツを継続的に発信できるようになります。

あるマーケティング支援企業では、属人的な案件獲得から脱却するためにインバウンドマーケティングの基盤構築に取り組みました。しかし、リード獲得から商談創出、受注までのプロセスが形になりつつある中で、組織の課題が浮き彫りになったのです。特にシニア層とジュニア層の実力格差が顕著で、シニア層はカルチャーを重視したリファラル採用で定着する一方、ジュニア層は早期退職や途中離脱が多発していました。

この企業では、会社の考え方や存在意義を明確にし、組織内で浸透させる必要があると判断。代表との複数回の議論を重ね、会社のミッションやビジョンを再設計し、重視するバリューを整理したカルチャーブックを作成しました。このプロセスを通じて、全社で統一した価値観を共有できるようになり、採用活動においても一貫性を持たせることが可能になったのです。オウンドメディアの成功には、コンテンツ制作だけでなく、組織全体の価値観の共有が不可欠であることを示す好例です。

弊社の経験では、マーケティング組織の立て直しやシステム導入のテクニカルな面よりも、実際には営業とマーケティング部門のペルソナやカスタマージャーニーの認識齟齬が根本的な課題となることが多いです。「マーケのリードは質が悪い」「営業が動いてくれない」といった相互不信を解消するには、双方を巻き込んで、顧客実像から議論を構築し直す必要があります。成果を生み出す組織へ変革するには、テクニカルな施策よりも、人と組織の側面への深い着目と継続的なアドバイスが不可欠なのです。

継続的な改善と最適化

オウンドメディアは、一度作って終わりではありません。検索エンジンのアルゴリズムは日々変化し、ユーザーのニーズも変わっていきます。継続的な改善と最適化が、長期的な成果につながります。

継続的な改善で取り組むべきことは以下の通りです。

既存コンテンツのメンテナンス: 公開したコンテンツの検索順位やパフォーマンスを定期的に確認し、順位が下がっているコンテンツはリライトを行います。情報が古くなっているコンテンツは、最新の情報にアップデートします。

コンバージョン導線の最適化: CTAの設置場所や文言、コンバージョンページへの導線を定期的に見直し、改善を行います。A/Bテストなどを活用して、効果的なパターンを見つけます。

成功パターンの横展開: 成果が出ているコンテンツやテーマがあれば、その成功パターンを他のコンテンツにも展開します。なぜ成果が出たのかを分析し、再現性のある形にまとめます。

失敗からの学び: 成果が出なかったコンテンツや施策からも学びを得ます。なぜうまくいかなかったのかを分析し、同じ失敗を繰り返さないようにします。

改善を続ける際に意識すべきは、「すべてを完璧にしようとしないこと」です。優先順位をつけ、インパクトの大きいところから改善していくことで、限られたリソースで最大の効果を得られます。

ある専門分野向けマッチングサービス企業では、検索上位を獲得した記事について、記事内CTAやUIの設計・改修を徹底しました。ユーザーの状況・動機・ニーズに応じてCTA配置や訴求内容をチューニングしたのです。CTAクリックが増えると、お問い合わせフォームでの離脱が課題化したため、フォーム項目簡略化やUI見直しなどEFO施策も実施しました。キーワード獲得だけでなくCVR改善も徹底した結果、立ち上げ半年で月数十件、1年後には月100件を超えるお問い合わせが生まれるようになったのです。

まとめ

本記事では、オウンドメディア戦略の設計から運用、改善までのポイントを解説してきました。

オウンドメディアは、正しい戦略に基づいて運用と継続を繰り返せば、必ず成果が出てくる施策です。成果に至らないケースは、戦略の立て方や運用方法が間違っている、もしくは継続ができていない場合がほとんどです。

オウンドメディア戦略で重要なポイントを改めて整理します。

  • オウンドメディアの本質は「事業課題の解決」であり、単なる情報発信ではない
  • 目的を明確にし、そこから逆算して戦略を設計する
  • KPIはフェーズに応じて適切に設定し、見るべき指標は絞る
  • 運用体制を整え、継続できる仕組みを作る
  • 長期視点を持ち、小さな成功を積み重ねる
  • ユーザー視点でコンテンツを制作し、読者との信頼関係を構築する
  • 継続的な改善により、成果を最大化する

中長期的な視点で見ていくオウンドメディアだからこそ、成果と結果を積み重ね続けていけば、マーケティング、売上、利益、組織、カルチャー、さらには企業の競争力まで変えていける可能性を持っています。実際に、運用開始3年で対法人向けのリード数が年1万を超え、数千人規模のテレアポ文化企業がインバウンドカルチャーに切り替わった事例もあります。

オウンドメディアは中長期的な施策であり、成果が出るまでに時間がかかります。しかし、一度成果が出始めれば、広告に依存しない安定的な集客基盤として、長期にわたって価値を生み続けます。

本記事で紹介した内容が、皆様のオウンドメディア戦略の参考になれば幸いです。

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著者

永田 さおり

永田 さおり

Growth Architect

業界歴10年以上。2017年株式会社MOLTSに参画。BtoB・BtoC問わず多様な業種業態でマーケティングの立ち上げから実行までを一貫支援。組織開発やコミュニケーション設計を中心にコンサルティングを行う。

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