オウンドメディアの6つの集客方法|戦略設計から効果測定まで解説

オウンドメディアの6つの集客方法|戦略設計から効果測定まで解説

デジタルマーケティングの重要性が高まる中、オウンドメディアを活用した集客に取り組む企業が増えています。広告費用の高騰や競争激化を背景に、自社メディアを通じた継続的なリード獲得や認知拡大を目指す動きは、BtoB・BtoCを問わず広がっています。

一方で、オウンドメディアの集客には以下のような課題や不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

  • 記事を公開しても思うようにアクセスが増えない
  • どの集客方法から優先的に取り組むべきか判断できない
  • 集客はできても問い合わせや購入といった成果につながらない

そこで本記事では、オウンドメディアの集客方法6選を体系的に解説するとともに、戦略設計から効果測定までの具体的な手順をご紹介します。自社の状況に適した集客戦略を策定し、継続的に成果を出せる体制を構築するためのヒントとしてお役立てください。

オウンドメディアの集客とは

オウンドメディアの集客について、その定義と目的、そしてうまくいかない典型的な原因を解説します。集客施策を検討する前に、まずはオウンドメディアにおける集客の全体像を把握することが重要です。

オウンドメディア集客の定義と目的

オウンドメディアとは、「企業の事業・採用課題を解決するための手段としてのメディア」です。単なる情報発信の場ではなく、収益増加、人材獲得、事業貢献という視点で捉える必要があります。

オウンドメディアの集客とは、このメディアに見込み客や潜在顧客を呼び込み、最終的にビジネス成果につなげるための活動を指します。具体的には、SEO対策やSNS活用、メールマガジン配信、Web広告などの施策を通じて、ターゲットユーザーをメディアに誘導することです。

集客の目的は、運用するオウンドメディアによって異なります。代表的な目的としては以下が挙げられます。

リード獲得

特にBtoBオウンドメディアに多い運用目的です。サービスや商品のお問い合わせや資料請求といったリードを獲得します。広告手法が一般化しCPA(顧客獲得単価)が高騰している中、質の高いコンテンツを継続運用することでメディア自体を資産化し、長期的にROI(投資対効果)を高められることがオウンドメディアの強みです。

ある企業では、新規事業立ち上げ当初は広告出稿やアウトバウンド営業でリード獲得を行っていましたが、コスト上昇と人的リソース逼迫により継続的なリード獲得が困難になりました。そこでオウンドメディアを用いたオーガニック検索強化に切り替えたところ、立ち上げから1年で月100件を超えるお問い合わせが生まれ、最終的には広告・営業コストゼロを実現しました。このように、オウンドメディアは広告依存から脱却し、持続可能なリード獲得基盤を構築する手段として機能します。

認知拡大

サービスや商品自体を知らない「非認知層」に向けた施策です。自社サービスの認知度が低い場合、サービス名や会社名で直接検索してくるユーザーの集客は見込めません。そのため、ターゲットユーザーが興味・関心を示しそうなコンテンツや、抱えている課題の解決につながるコンテンツを継続して発信することで、会社名やサービス名を知ってもらうきっかけを作ります。

ブランディング

ブランディングとは、「ブランドに意味を持たせ、受け皿を作ること」を指します。「利便性を重視するならA社」「セキュリティを重視するならB社」といったように、自社サービスの強みや特徴をユーザーに認知してもらい、ユーザーが持っている評価軸とブランドを結びつけることを目指します。オウンドメディアは、コンテンツの内容や出し方を自分たちでコントロールできるため、一貫したメッセージでブランドイメージを形成できます。

広告依存からの脱却と資産化

リスティング広告などのWeb広告は即効性がある一方、継続的な費用が発生します。オウンドメディアを通じた集客基盤を構築することで、広告への依存度を下げながら、安定したリード獲得を実現できます。

重要なのは、集客自体を目的にしないことです。いくらトラフィックが集まっても、事業・採用課題の解決につながっていなければ意味がありません。オウンドメディアの集客は、あくまでビジネス成果を得るための手段として位置づける必要があります。

集客がうまくいかない典型的な原因

オウンドメディアの集客がうまくいかない企業には、いくつかの共通したパターンが見られます。これらの原因を理解し、自社の状況と照らし合わせることで、改善の糸口が見えてきます。

目的と成果指標が曖昧

「競合がやっているから」「流行っているから」といった理由で、目的が曖昧なままオウンドメディアを始めてしまうケースです。途中で「何のためにコンテンツを作り続けているのか」が分からなくなり、運用が形骸化してしまいます。

例えば、リード獲得を目的としているにもかかわらず、PV数やUU数といったトラフィック指標ばかりを追いかけてしまうことがあります。PVが増えてもお問い合わせにつながらなければ、ビジネス成果としては不十分です。目的と成果指標を明確に定義し、それを追いかける運用体制を構築することが必要です。

運用体制の未整備

「担当者が通常業務と兼務しており、コンテンツ制作に時間を割けない」「記事の品質を担保できる編集者がいない」など、運用体制の不備も失敗の大きな要因です。

オウンドメディアは継続的な運用が前提です。プロジェクトマネージャーやコンテンツディレクター、制作者などのメンバーを揃え、適切なリソース配分でコンスタントにコンテンツを公開し続けることが必要になります。体制が整っていないまま始めても、途中で息切れしてしまうことが多いでしょう。

弊社の支援事例でも、外部の専門家に依存せず、社内で持続的に運用できる体制を整えることの重要性を繰り返し実感しています。自走する組織を作るには、共通の目標と判断軸をチーム全体で共有し、小さな成功体験を積み重ねてモチベーションを高めていくことが欠かせません。

短期的な成果を求めすぎる

オウンドメディアは中長期的な施策です。特に検索エンジン経由の集客を主軸にする場合、成果が出始めるまでには最低でも6ヶ月、長ければ1年以上かかることも珍しくありません。

短期的な成果を求めて早々に施策を打ち切ってしまったり、頻繁に方針転換を繰り返したりすると、どの施策も中途半端に終わってしまいます。成果が出るまでの時間軸を理解し、継続と改善を繰り返す姿勢が求められます。

コンテンツの質と量のバランス

「とにかく記事数を増やそう」と質を度外視してコンテンツを量産しても、検索上位を獲得することは難しいでしょう。一方で、質にこだわりすぎて月に1本しか記事を公開できないようでは、集客の規模を拡大することはできません。

コンテンツは「価値を生むものもあれば、生まないものもある」ものです。低品質なコンテンツを大量に作ると、メディア全体の評価が下がるリスクもあります。適切な品質と量のバランスを見極めることが重要です。

手段の目的化

詳細な行動計画を立てることで、毎月の記事本数やカテゴリー配分といった「やるべきこと」が目的になってしまうケースです。データを振り返っても、計画変更のハードルが高すぎて改善に活かせない状態に陥ることがあります。

弊社では、この問題を「余白設計」というアプローチで解決しています。目的達成のために必要な余白(変数)と必須事項(定数)を明確に分離することで、メンバーが計画変更の判断に参加しやすくなり、データの振り返りから改善を実行する組織体制が整います。計画に縛られるのではなく、目的達成のために必要な余白(変数)と必須事項(定数)を明確に分離する設計が重要です。柔軟に対応できる体制を作ることで、データに基づいた改善を実行しやすくなります。

コンテンツが「書きたいこと」になっている

ユーザーが何を求めているかを無視し、企業が伝えたいことだけを発信する「自己満足」なコンテンツも、集客がうまくいかない原因の一つです。

コンテンツマーケティングにおいて重要なのは、「コンテンツそのものではなく、コンテンツから生まれるコミュニケーション」です。作り手の「伝えたい」「読んでほしい」という気持ちは自然なものですが、それは読者の「知りたい」ではありません。

読者の視点に立ち、「何を知りたくて、何に悩み、なぜ検索をしたのか」を徹底して考え抜くことが、成果につながるコンテンツを生み出す鍵となります。

オウンドメディアの集客方法6選

オウンドメディアへの集客方法は多岐にわたりますが、ここでは代表的な6つの方法を解説します。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、自社に適した集客手法を選定する参考にしてください。

SEO対策による自然検索からの集客

SEO対策は、オウンドメディア集客において最も基本となる施策です。検索エンジンで上位表示を獲得することで、継続的かつ安定した集客を実現できます。

SEOが基本となる理由

検索エンジンからの集客は、ユーザーが能動的に情報を求めて訪れるという特徴があります。「〇〇を知りたい」「〇〇を解決したい」という明確な意図を持ったユーザーにリーチできるため、コンバージョンにつながりやすい傾向があります。

また、一度検索上位を獲得すれば、継続的にトラフィックを得られるという持続性も魅力です。広告のように費用をかけ続ける必要がなく、コンテンツ自体が資産として蓄積されていきます。

ある企業では、Googleのコアアップデートによる検索順位の低下に直面し、検索流入と売上が大きく低迷しました。しかし、検索順位の回復に固執せず、事業全体の戦略を見直すことで、過去最高のマーケティングリード数を創出し、売上のV字回復を実現しました。このように、SEOは重要ですが、検索順位だけに依存しない戦略設計も重要です。

キーワード設計の重要性

コンテンツSEOを行ううえで最も大切なのが「キーワード設計」です。どのキーワードで上位獲得を狙うのか、どのような優先順位で狙っていくのか、そしてどのキーワードを諦めるのかを決めていきます。

キーワード設計では、ペルソナ(ターゲットユーザーの具体的な人物像)やカスタマージャーニーマップ(認知から購買までの過程を整理したもの)が有効です。ユーザーがどのような過程を経て購入に至るかを理解することで、各段階で検索されるキーワードを特定できます。

成果につながるキーワードを「マストキーワード」、関連するキーワードを「サブキーワード」として分類し、限られたリソースをどこに集中投下すべきかを戦略的に決定することが重要です。

弊社の支援事例では、スモールスタートの戦略が効果的でした。ある企業では、検索ボリュームではなく、ツール・サービスの検討段階で検索されるキーワードに絞り、多岐にわたるサービスの中から最初は最重要な3つに狙いを定めました。成功体験を作って運用を加速させるこの戦略により、短期間でコンテンツSEOの基盤を確立することができました。

検索順位とCTRの関係

検索順位とクリック率(CTR)には明確な相関があります。検索1位を獲得した場合のCTRは平均30〜40%程度ですが、2位では15%程度に落ち込み、10位では1.6%程度まで低下します。1位と10位では20倍以上の差があることになります。

この数字からも分かるように、SEO対策においては上位表示を獲得することが極めて重要です。上位を獲得できなければ、そもそもユーザーに記事を見てもらう機会が限られてしまいます。

E-E-A-Tの強化

Googleはコンテンツを評価する基準として、E-E-A-T(Experience:経験、Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)を重視しています。

特にBtoB領域や専門性の高い分野では、発信者や組織の信頼性を確立することが重要です。単にコンテンツの質を高めるだけでなく、専門家による監修や、自社ならではの知見・経験を盛り込むことで、E-E-A-Tを強化できます。

弊社では、他社のコンテンツの真似事ではなく、「その企業だからこそ発信する価値があるもの」を作ることを重視しています。公開情報を集めただけのコンテンツでは、検索上位を獲得することが難しくなっているからです。自社ならではの事例、経験則、暗黙知を言語化してコンテンツに盛り込むことで、真の差別化が実現します。

SEO対策は成果が出るまでに時間がかかりますが、一度軌道に乗れば安定した集客基盤となります。オウンドメディア運用の土台として、まず取り組むべき施策といえるでしょう。

LLMO対策と脳内SEOへの発展

近年、生成AIやLLM(大規模言語モデル)の普及により、従来のSEOに加えて「LLMO対策」という新しい概念も注目されています。LLMOとは、ChatGPTなどの生成AIで特定のトピックについて推奨される状態を作ることです。

これは「脳内SEO」とも呼ばれ、特定のキーワードやトピックで最初に頭に思い浮かぶ存在になることを目指します。従来のGoogleの検索結果での上位表示から、LLMでの推奨へと舞台が広がっているのです。

LLMO対策においては、従来の「検索ボリューム重視」のアプローチから、自社が持つナレッジや気づき、経験則をどんどん言語化して発信する「プロダクトアウト的アプローチ」が有効です。自社のナレッジを大量にウェブ上に出すことで、LLMの推奨対象になりやすくなります。

SNS活用によるソーシャル集客

SNSを活用した集客は、SEOでリーチできない層へのアプローチを可能にします。X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LinkedInなど、各プラットフォームの特性を理解して活用することが重要です。

ある飲料メーカーでは、オウンドメディア立ち上げ時にSEO起点だけでなく、SNSでの接点創出にも着手しました。開発担当者や店舗関係者へのインタビュー企画を進行し、SNSで拡散されやすいコンテンツを設計することで、多面的なアプローチにより接点を広げながらブランド価値を伝えることに成功しています。SEOに依存しすぎず、複数チャネルでの集客基盤を構築することが、リスク分散と認知拡大の両面で効果的です。

各SNSプラットフォームの特性

SNSは、それぞれユーザー層や利用シーンが異なります。自社のターゲットに合ったプラットフォームを選定することが、効果的な集客の第一歩です。

X(旧Twitter)は、リアルタイム性が高く、情報拡散力に優れています。BtoB企業の場合、業界の専門家や意思決定者とつながりやすい特徴があります。

Instagramは、視覚的なコンテンツに強みがあり、BtoC企業やライフスタイル系のコンテンツと相性が良いでしょう。ストーリーズやリールなどの機能を活用することで、様々な形式でコンテンツを届けられます。

Facebookは、比較的年齢層が高いユーザーが多く、コミュニティ機能が充実しています。グループを活用した情報発信やエンゲージメント構築に適しています。

LinkedInは、ビジネス特化のSNSとして、BtoB企業のブランディングやリード獲得に活用されています。専門性の高い情報発信で、意思決定者にリーチできる可能性があります。

SEOでリーチできない層へのアプローチ

検索エンジン経由の集客は、ユーザーが特定のキーワードを検索することが前提です。しかし、そもそも課題を認識していない潜在層や、検索行動を取らないユーザーにはリーチできません。

SNSは、フォロワーのタイムラインに情報を届けることで、まだ検索に至っていない潜在層にもアプローチできます。また、フォロワー以外にも、シェアやリツイートによって情報が拡散される可能性があります。

コンテンツの拡散とブランド認知

SNSの大きな特徴は、コンテンツの拡散効果です。ユーザーの共感を得られるコンテンツは、フォロワーからさらにその先へと拡散され、短期間で多くの人に届く可能性があります。

また、継続的な情報発信を通じて、フォロワーとの関係性を構築し、ブランド認知を高めることもできます。企業やサービスの認知度向上、ファン化促進に効果的です。

ただし、SNSでの集客は、検索ユーザーのように明確な目的を持っていない状態でコンテンツに触れるため、すぐにコンバージョンにつながるとは限りません。中長期的なブランド構築や認知拡大の手段として位置づけることが適切でしょう。

メールマガジンによる既存リードへのアプローチ

メールマガジン(メルマガ)は、すでに接点を持っている見込み客に対して定期的にコンテンツを配信する手法です。新規集客というよりも、既存リードの育成や関係維持に効果を発揮します。

高い費用対効果

メールマガジンは、登録者に対して直接情報を届けられるため、費用対効果が高い施策です。広告のように配信ごとに費用がかかるわけではなく、配信リストがあれば繰り返し接点を持つことができます。

また、メールは「届く」という特性があります。SNSのタイムラインのように流れていってしまうことがなく、受信ボックスに確実に届きます。開封されれば、内容をじっくり読んでもらえる可能性が高いでしょう。

リードナーチャリングへの活用

BtoBの購買プロセスでは、認知から購買までのリードタイム(検討期間)が長いことが一般的です。資料をダウンロードしたものの、すぐに導入検討に至らない見込み客も多く存在します。

メールマガジンを活用して、定期的に有益な情報を届け続けることで、見込み客の関心を維持し、購買意欲を高めていくことができます。これがリードナーチャリング(見込み客の育成)です。

コンテンツの種類も、業界動向やノウハウ、事例紹介、セミナー案内など、購買プロセスの段階に応じて使い分けることが効果的です。

登録者獲得の施策

メールマガジンの効果を高めるには、配信リストの充実が欠かせません。オウンドメディアにおいては、記事コンテンツと連動した登録導線の設計が重要です。

記事を読んだユーザーに対して、関連する資料のダウンロードやメルマガ登録を促すCTA(行動喚起)を設置することで、自然な形で登録者を増やすことができます。ホワイトペーパーや調査レポートなど、登録のインセンティブとなるコンテンツを用意することも効果的です。

配信内容とセグメント設計

メールマガジンの効果を高めるためには、配信内容の設計も重要です。すべての登録者に同じ内容を送るのではなく、登録者の属性や興味関心に応じてコンテンツを出し分けることで、開封率やクリック率を向上させることができます。

例えば、特定のホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーには関連するテーマの深掘りコンテンツを、セミナーに参加したユーザーにはセミナーの内容をさらに発展させた情報を配信するといった形です。

配信頻度についても、多すぎると登録解除につながり、少なすぎると存在を忘れられてしまうというバランスを考慮する必要があります。一般的には週1回から月2回程度の配信が適切とされていますが、登録者の反応を見ながら調整することが重要です。

Web広告を活用した短期的な集客

Web広告は、即効性のある集客手段です。SEO対策のように時間をかけずに、短期間でターゲット層にリーチできます。オウンドメディアの立ち上げ初期や、特定のキャンペーン時に活用されることが多い施策です。

即効性のある集客手段

Web広告の最大のメリットは即効性です。広告を配信すれば、すぐにトラフィックを獲得できます。SEO対策が成果を出すまでの間、広告で集客を補うという使い方も一般的です。

リスティング広告(検索連動型広告)は、特定のキーワードで検索したユーザーに広告を表示できるため、顕在層へのアプローチに適しています。ディスプレイ広告やSNS広告は、より広い層への認知拡大に活用できます。

立ち上げ初期の認知獲得への活用

オウンドメディアを立ち上げたばかりの段階では、検索エンジンからの自然流入はほとんど期待できません。サイト自体の認知度も低く、直接流入も限られるでしょう。

この段階で広告を活用することで、コンテンツへのトラフィックを獲得し、初期の認知を広げることができます。また、広告経由で獲得したユーザーの行動データを分析することで、コンテンツ改善のヒントを得ることも可能です。

費用対効果の管理

Web広告の課題は、継続的な費用が発生することです。広告配信をストップすれば、その時点でトラフィックも止まります。

そのため、広告を活用する際は費用対効果の管理が重要です。CPA(顧客獲得単価)やROAS(広告費用対効果)といった指標を追いかけ、投資に見合う成果が得られているかを常に検証する必要があります。

オウンドメディア運用においては、広告はあくまで補完的な手段と位置づけ、SEO対策やメルマガなど、継続的に効果を発揮する施策と組み合わせることが推奨されます。

動画コンテンツによる集客

動画コンテンツを活用した集客は、近年注目を集めている手法です。YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームを活用することで、テキストや画像だけでは伝わりにくい情報を効果的に届けられます。

動画市場の成長

動画コンテンツの消費は年々増加しており、多くのユーザーが日常的に動画を視聴しています。特に若年層においては、検索エンジンよりもYouTubeで情報を探すケースも増えています。

BtoB領域においても、製品デモや事例紹介、ウェビナーのアーカイブなど、動画を活用する企業が増えています。複雑な内容を分かりやすく伝えられる動画は、理解促進や信頼構築に効果的です。

YouTubeやショート動画の活用

YouTubeは、検索エンジンとしての機能も持っています。ユーザーがYouTube内で検索を行い、関連する動画を視聴する流れがあるため、SEO対策と同様の考え方でキーワードを意識したコンテンツ作りが可能です。

一方、TikTokやYouTubeショート、Instagramリールなどのショート動画は、短時間で気軽に視聴できるため、認知拡大や興味喚起に適しています。長尺のコンテンツを切り出してショート動画化するなど、効率的な活用方法もあります。

オウンドメディアへの誘導設計

動画プラットフォームからオウンドメディアへの誘導設計も重要です。動画の説明欄やコメント欄にURLを記載したり、動画内で関連記事を紹介したりすることで、視聴者をオウンドメディアに呼び込むことができます。

動画で興味を持ったユーザーが、より詳しい情報を求めてオウンドメディアを訪れるという流れを作ることで、動画と記事コンテンツの相乗効果を生み出せます。

オフライン施策との連携

オウンドメディアの集客は、オンラインだけで完結するものではありません。ウェビナーやセミナー、展示会といったオフライン(またはオンラインイベント)施策との連携も効果的です。

ウェビナー・セミナーからの誘導

ウェビナーやセミナーは、参加者との直接的なコミュニケーションが可能な場です。参加者は特定のテーマに関心を持っている見込み客であり、関連するオウンドメディアのコンテンツを紹介することで、自然な形で誘導できます。

セミナー資料にオウンドメディアの関連記事URLを記載したり、セミナー後のフォローメールで関連コンテンツを案内したりする方法が一般的です。

展示会・イベントとの連携

展示会やカンファレンスなどのイベントでは、短時間で多くの見込み客と接点を持つことができます。名刺交換やアンケートで獲得したリードに対して、オウンドメディアのコンテンツを案内することで、継続的な関係構築につなげられます。

また、イベントで得た知見や、登壇内容をコンテンツ化してオウンドメディアで公開することも効果的です。イベント参加者以外にも情報を届けられ、コンテンツのネタ不足を解消する効果もあります。

紙媒体との組み合わせ

業種や業態によっては、紙媒体との組み合わせも有効です。製造業や建設業など、現場でデジタルデバイスを使う機会が限られる業界では、紙のDMやカタログにQRコードを掲載し、オウンドメディアに誘導する方法が効果を発揮する場合があります。

ターゲットの行動特性に合わせて、最適なタッチポイントを設計することが重要です。デジタルとアナログを組み合わせることで、より多くの見込み客にリーチできる可能性があります。

集客戦略の設計手順

効果的な集客を実現するためには、施策を実行する前に戦略を設計することが重要です。ここでは、集客戦略を設計するための3つのステップを解説します。

目的・ゴールの明確化

集客戦略を設計する最初のステップは、「何のためにオウンドメディアを運用するのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま施策を始めても、効果を測定することができず、改善の方向性も定まりません。

ある業務支援系SaaS企業では、複数のオウンドメディアが独立したドメインやテーマで運用されており、コンテンツの重複やSEO評価の分散が起きていました。そこで、オウンドメディア全体の棚卸しを行い、各メディアのSEO評価やキーワード獲得状況を分析。サービスサイトを加味したドメイン選定、使わなくなるURLの精査やリダイレクト設計、既存記事の対応リストの精査を実施しました。数百ある記事を「新たに作るべき記事」「既存内容を活かす記事」「閉じる記事」に分類し、すべて可視化。統一された運用基盤を構築した結果、リード数は昨対比115%を達成しました。このように、目的を明確にした上で現状を整理することが、成果への近道となります。

KGIとKPIの設定

オウンドメディアの目的を数値化したものがKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)です。例えば「年間リード獲得数1,500件」「月間お問い合わせ数50件」といった形で設定します。

KGIを達成するための中間指標がKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)です。KGIを直接追いかけるのではなく、KGIにつながるプロセス指標を段階的に設定することで、進捗を把握しやすくなります。

例えば、山登りに例えると、頂上に到達することがKGI、5合目や7合目への到達がKPIに相当します。いきなり頂上を目指すのではなく、途中の目標を設定することで、確実に前進していることを確認できます。

弊社が支援した大手化学メーカーの健康情報メディアでは、まず限られた予算で「グロースの証拠」を作ることに集中しました。信頼できるライター4人に高品質なコンテンツを依頼し、2〜3ヶ月で前月比10%のグロースという実績を示すことで、その後の全体予算や組織体制をグロースに向けて再構築することができました。最終的に、8万UUから300万UUへの40倍成長を2年で実現しました。このように、適切なマイルストーン設定が成功への道筋を作ります。

成果指標の定義

KPIを設定する際は、フェーズごとに適切な指標を選ぶことが重要です。

集客段階では、対策キーワードの検索順位、表示回数、クリック数、セッション数などが指標になります。ファン化段階では、ページ/セッション、直帰率、滞在時間など。成果獲得段階では、CV数、CVR(コンバージョン率)、資料ダウンロード数、問い合わせ数などを追いかけます。

重要なのは、見るべき指標を絞ることです。あれもこれも追いかけようとすると、判断軸がぶれてしまいます。フェーズに応じて、6〜7つ程度の指標に絞ることが推奨されます。

手段の目的化を防ぐ考え方

目的やKPIを設定しても、いつの間にか「計画通りに記事を公開すること」が目的になってしまうことがあります。これが「手段の目的化」です。

この問題を防ぐためには、目的達成のために必要な余白(変数)と必須事項(定数)を明確に分離する設計が有効です。例えば、「月間のコンテンツ公開数は変更可能だが、ターゲット設定は変えない」といった形で、柔軟に対応できる部分と、ぶらさない部分を定義します。

計画に縛られるのではなく、データに基づいて改善を実行できる余白を持つことで、目標に真摯に向き合える体制を構築できます。

ペルソナとカスタマージャーニーの設計

目的が明確になったら、次は「誰に」「どのように」情報を届けるかを設計します。ペルソナとカスタマージャーニーマップは、この設計に欠かせないツールです。

ターゲットユーザーの具体化

ペルソナとは、自社製品・サービスのターゲットとなる架空の人物像を、具体的なイメージに落とし込んだものです。年齢、性別、職種、役職、抱えている課題、情報収集の方法など、実在する人物のように詳細に設定します。

ペルソナを設定することで、ユーザーの悩みや課題を具体的にイメージでき、どのようなコンテンツを求めているかを推測しやすくなります。また、チーム全体で共通のユーザーイメージを持つことができ、コンテンツの方向性がぶれにくくなります。

BtoBの場合は、個人のペルソナだけでなく、ペルソナが所属する企業の業種、規模、課題なども設定する必要があります。意思決定に関わる複数の役職者を想定することも重要です。

弊社の支援では、ペルソナ設計を丸投げにしないことを重視しています。現場のキャリアアドバイザーへの複数回のヒアリングを通じて、一般的な訴求軸ではなく、特定の状況において「主体的に動きづらいため、効率的にサポートを受けたい」といった具体的なニーズを持つユーザー像を明らかにした事例もあります。実態に即したペルソナ設計が、ターゲティング精度の向上につながります。

認知から購買までのプロセス可視化

カスタマージャーニーマップとは、見込み客が購入や登録に至るまでの考え方や行動を時系列順に整理し、一枚絵にまとめたものです。一般的には、認知、興味関心、比較検討、購買(アクション)といったフェーズに分けて整理します。

各フェーズで、ユーザーがどのような情報を求めているか、どのようなタッチポイントで接点を持てるか、次のフェーズに進むために必要な態度変容は何かを整理します。これにより、どのフェーズのユーザーに対して、どのようなコンテンツを提供すべきかが明確になります。

タッチポイントの設計

カスタマージャーニーを整理したら、各フェーズでユーザーと接点を持つタッチポイントを設計します。認知フェーズでは検索やSNS、比較検討フェーズでは比較記事やホワイトペーパー、購買フェーズでは事例紹介やお問い合わせページなど、フェーズに応じて適切なタッチポイントとコンテンツを用意します。

整理すべき項目は以下のとおりです。

  • ユーザーがどのような状況で、どのような課題を抱え、どのようなアクションを起こすか
  • そのとき、ユーザーとどのようなタッチポイントを築けるか
  • どのような情報を提供すべきか
  • どのような態度変容を起こすか
  • 何をもって成否を測るか

これらを丁寧に設計することで、ユーザーの購買プロセスに寄り添った集客導線を構築できます。

自社に適した集客チャネルの選定

集客方法は多岐にわたりますが、すべての施策に同時に取り組むことは現実的ではありません。自社の状況に合わせて、優先的に取り組むチャネルを選定することが重要です。

戦場の絞り込みと一点集中

後発のオウンドメディアが競合に勝つには、戦う領域を徹底的に絞る必要があります。複数の施策を同時に実行すると、どれもが中途半端に終わってしまうリスクがあります。

例えば、SEO対策に注力すると決めたなら、まずはSEOで成果を出すことに集中します。SNS運用やメルマガなどは、SEOで一定の成果が出てから取り組むという判断も有効です。

「新規制作フェーズ」と「メンテナンスフェーズ」を明確に分け、各フェーズで「よそ見をせず」一つの目標にフォーカスすることで、限られたリソースで最大の成果を上げることができます。

弊社の支援事例でも、1〜2部署に集中して実行し、大きな成果を実証することで、他部署の自発的な参加を促進するアプローチが効果的でした。小さく成功して実績で信頼を得ると、「この手段の方が効率的だ」という確信が組織全体に広がります。

BtoB/BtoCによる違い

BtoBとBtoCでは、ターゲットの行動特性や購買プロセスが異なるため、有効な集客チャネルも変わってきます。

BtoBの場合、意思決定者が複数いることが多く、検討期間も長い傾向があります。検索エンジンでの情報収集が主流であり、SEO対策が基本となります。また、ホワイトペーパーやウェビナーなど、専門性の高いコンテンツを通じたリード獲得が有効です。

BtoCの場合、SNSでの情報収集が盛んで、口コミやレビューの影響も大きい傾向があります。Instagramやなど、視覚的なSNSを活用した認知拡大が効果的なケースが多いでしょう。

リソース配分の考え方

集客チャネルを選定する際は、自社のリソース(人員、予算、時間)を考慮する必要があります。各チャネルに必要なリソースと、期待できる成果を比較し、投資対効果の高い施策から優先的に取り組むことが合理的です。

例えば、SEO対策は成果が出るまでに時間がかかりますが、一度軌道に乗れば継続的な効果が期待できます。一方、Web広告は即効性がありますが、継続的な費用が発生します。自社の状況に応じて、短期的な施策と中長期的な施策のバランスを取ることが重要です。

また、社内にどのような人材がいるか、外部パートナーをいかに活用していくかといった点も加味して、現実的な戦略を立てることが必要です。

オウンドメディアが有効なケースと見合わないケース

すべての企業にオウンドメディアが適しているわけではありません。自社の事業特性を考慮した判断が重要です。

オウンドメディアが有効なケースとしては、デジタルサービスを提供している企業、全国展開している企業、市場規模が大きい企業などが挙げられます。一方、アナログサービス中心の企業、地域限定のビジネス、狭い市場で事業を展開している企業では、投資対効果が見合わないケースも多いでしょう。

オウンドメディアはあくまで多くのマーケティング施策のひとつです。「競合がやっているから」という理由だけで始めるのではなく、自社の事業特性や他のマーケティング施策との関係を考慮した上で、取り組むかどうかを判断することが重要です。

集客効果を最大化するポイント

集客施策を実行するだけでなく、効果を最大化するための工夫も重要です。ここでは、集客効果を高めるための2つのポイントを解説します。

複数チャネルの連携運用

単一のチャネルに依存するのではなく、複数のチャネルを連携させて運用することで、集客効果を高めることができます。各チャネルの強みを活かし、弱みを補い合う運用が理想です。

チャネル間の相乗効果

複数のチャネルを連携させることで、相乗効果を生み出すことができます。例えば、SEO対策で作成した記事コンテンツをSNSでシェアすることで、検索ユーザー以外にも情報を届けられます。SNSで拡散されることで被リンクが獲得でき、SEO効果が高まるという好循環も期待できます。

また、ウェビナーで話した内容を記事化してオウンドメディアに掲載し、その記事をメルマガで配信するといった形で、コンテンツを複数のチャネルで活用することも効率的です。一つのコンテンツを様々な形式で再利用することで、制作コストを抑えながら露出を増やすことができます。

ある企業では、SEOに依存しすぎず、SNSなど他チャネルでの接点創出にも着手しました。開発担当者や店舗関係者へのインタビュー企画を別チームで進行し、SNSで拡散されやすいコンテンツを設計することで、多面的なアプローチにより接点を広げながらブランド価値を伝えることに成功しています。

リスク分散の重要性

単一のチャネルに依存していると、そのチャネルに変化があった際に大きな影響を受けます。例えば、検索アルゴリズムの変更によって検索順位が下落すると、トラフィックが激減するリスクがあります。

複数のチャネルで集客基盤を構築しておくことで、こうしたリスクを分散できます。検索流入が減少しても、SNSやメルマガからの流入でカバーできれば、ビジネスへの影響を最小限に抑えられます。

統合的な戦略運用

チャネルを連携させる際は、バラバラに運用するのではなく、統合的な視点で戦略を立てることが重要です。各チャネルの役割を明確にし、ユーザーの購買プロセスに沿って、どのチャネルでどのようなコミュニケーションを取るかを設計します。

例えば、SNSは認知拡大と興味喚起、SEOは情報収集と比較検討、メルマガはリードナーチャリングと購買促進といった形で、各チャネルの役割を定義することで、一貫性のある顧客体験を提供できます。

コンテンツの質と継続的な改善

集客の成否を分けるのは、最終的にはコンテンツの質です。質の高いコンテンツを継続的に改善しながら運用することが、持続的な集客につながります。

良質なコンテンツの定義

コンテンツSEOにおいて「良いコンテンツ」とは、少なくとも「読み手の悩みや課題が解決されること」、そして「その企業だからこそ発信する価値があるもの」と定義できます。

他社のコンテンツの真似事ではなく、自社ならではの知見や経験を盛り込んだコンテンツを作ることが重要です。公開情報を集めただけのコンテンツでは、検索上位を獲得することは難しくなっています。

また、コンテンツの価値は、ビジネスの目的に合致して効果を発揮しているかどうかで判断されます。リード獲得目的で10万UUに達してもリードが全く獲得できなければ、価値があったとはいえません。

弊社では、コンテンツ制作において「AI時代の暗黙知活用」を重視しています。社内のプロフェッショナルが持つ経験や判断、ノウハウといった暗黙知を形式知化し、コンテンツに盛り込むことで、他社には真似できない独自性を生み出すことができます。

メンテナンスの重要性

コンテンツは公開して終わりではありません。長い目でコンテンツを育て、運用していく必要があります。特にSEOの視点に立つと、コンテンツが評価されるには一定の時間がかかり、公開すれば読んでもらえるというわけにはいきません。

上位表示され多くのターゲットユーザーに訪れてもらうには、コンテンツを改善し続ける必要があります。検索順位やユーザー行動のデータを分析し、内容を更新したり、構成を見直したりすることで、継続的に品質を向上させることができます。

メンテナンスでは「大きな改修を少数行う」のではなく「細かい改修を高頻度で行う」ことが推奨されます。小さな改修を繰り返すことでPDCAサイクルが加速し、ユーザーや検索エンジンからのフィードバックを早く得ることができます。

成果が出るまでの時間軸

オウンドメディアの集客、特にSEO対策においては、成果が出るまでに6ヶ月から1年程度かかることが一般的です。短期的な成果を求めて早々に施策を打ち切ってしまうと、せっかくの投資が無駄になってしまいます。

中長期的な視点で継続と改善を繰り返すことが、成功への道です。成功事例として挙げられるオウンドメディアの多くは、3年以上運用を継続しているものがほとんどです。

検索エンジンは日々検索順位を変動させる仕組みを採用しており、ユーザーのニーズも日々変化していきます。最新の上位サイトの傾向やユーザー動向にキャッチアップし、それをコンテンツに反映させていくことが、持続的な集客につながります。

自走する組織づくりの重要性

オウンドメディアで継続的に成果を出すためには、外部の専門家に依存せず、社内で持続的に運用できる体制を整えることが欠かせません。

自走する組織づくりには、3つのポイントがあります。

1つ目は、共通の目標と判断軸の確立です。オウンドメディアの明確な目的(KGI)と判断基準をチーム全体で共有することで、個々のメンバーが自律的に判断できるようになります。

2つ目は、成功体験の積み重ねです。特に初期段階では、「インデックスされた」「1ページ目に表示された」など、小さな成功でもチーム全体で共有・称賛し、モチベーションを高めることが重要です。

3つ目は、段階的な自律性の向上です。初めは手厚いサポートと具体的な指示を行い、成果が出始めたら徐々に「確認」へとコミュニケーションをシフトすることで、チームの自律性を段階的に高めていくことができます。

ある老舗飲料メーカーでは、オウンドメディア未経験の状態から1年で月8万UUを達成しました。成功の要因は、コンテンツ制作体制の構築にありました。記事制作フローを構成設計・執筆・監修の複数ステップに分け、外部と社内で役割を明確に分担。執筆前の構成案作成は外部チームが担当し、社内の監修を通じて方向性を確認することで、初稿段階から品質を担保しました。また、ライターにはSEO専門人材ではなく、日常的に製品を楽しむ愛好家をアサインし、嗜好品特有の主観的な価値観を活かした自然な語りを重視しました。このように、自社の特性を活かした独自の制作体制を構築することが、持続的な成長につながります。

集客から成果につなげる導線設計

オウンドメディアへの集客を増やすことは重要ですが、それだけでは十分ではありません。集客したユーザーを、問い合わせや資料請求といった成果(コンバージョン)につなげる導線設計が必要です。

CTAとコンバージョン設計

CTA(Call To Action:行動喚起)とは、ユーザーに特定のアクションを促す要素です。「資料をダウンロードする」「お問い合わせはこちら」といったボタンやリンクがこれに当たります。適切なCTA設計は、集客から成果への転換率を大きく左右します。

記事からの導線設計

記事コンテンツに訪れたユーザーを成果につなげるには、記事内に適切な導線を設置する必要があります。記事を読み終わったユーザーが、次にどのようなアクションを取れば良いかを明確に示すことが重要です。

導線設計のポイントは、記事のテーマと関連性の高いCTAを設置することです。例えば、「勤怠管理システムの選び方」という記事であれば、「勤怠管理システム比較表をダウンロード」といったCTAが自然です。記事の内容と無関係なCTAを設置しても、ユーザーの関心を引くことは難しいでしょう。

ある企業では、検索上位を獲得した記事について、記事内CTAやUIの設計・改修を徹底しました。ユーザーの状況・動機・ニーズに応じてCTA配置や訴求内容をチューニングし、CTAクリックが増えた後はお問い合わせフォームでの離脱を改善するEFO施策も実施しました。この取り組みにより、リード獲得数が飛躍的に向上しました。

ユーザーの態度に合わせたCTA

ユーザーの購買プロセスの段階に応じて、適切なCTAは異なります。認知段階のユーザーに「今すぐお問い合わせ」を求めても、ハードルが高すぎて行動につながりにくいでしょう。

認知段階のユーザーには、関連記事への誘導やメルマガ登録など、比較的ハードルの低いCTAが適しています。比較検討段階のユーザーには、ホワイトペーパーや事例資料のダウンロード。購買段階のユーザーには、お問い合わせやデモ依頼といった形で、段階に応じたCTAを用意することが効果的です。

弊社では、「CTAで重視したいのは、内容そのものよりも『だれに訴求するか』」という考え方を重視しています。検索エンジンから訪問するユーザーのニーズやモチベーションは、どのようなキーワード検索で訪れたかで異なります。ユーザーの行動変容を促すためには、そのニーズやモチベーションにあわせた適切な訴求を、適切なタイミングで行うことが欠かせません。

コンバージョンポイントの最適化

コンバージョンポイントとは、ユーザーがコンバージョン(成果となるアクション)を行う場所や機会のことです。フォームの入力項目が多すぎたり、ページの読み込みが遅かったりすると、途中で離脱してしまうユーザーが増えます。

フォームの項目数を必要最小限に抑える、入力補助機能を充実させる、ページの表示速度を改善するなど、コンバージョンポイントの最適化を行うことで、転換率を向上させることができます。

また、どのような場合に離脱が発生しているかを分析し、継続的に改善を行うことも重要です。ヒートマップツールやフォーム分析ツールを活用することで、ユーザーの行動を可視化し、改善ポイントを特定できます。

集客施策の効果測定とPDCA

集客施策を実行したら、その効果を測定し、改善につなげるPDCAサイクルを回すことが重要です。データに基づいた意思決定を行うことで、効率的に成果を向上させることができます。

見るべき指標の絞り込み

効果測定において重要なのは、見るべき指標を絞ることです。あらゆるデータを追いかけようとすると、何が重要なのかが分からなくなり、改善の方向性も定まりません。

戦略設計の段階で設定したKPIを中心に、6〜7つ程度の指標に絞って追いかけることが推奨されます。フェーズによって重要な指標は変わるため、現在のフェーズで最も重要な指標は何かを意識することが大切です。

例えば、立ち上げ初期であれば記事公開数や検索順位、成長期であればセッション数やCV数といった形で、フェーズに応じて重点指標を設定します。

効果測定の方法

効果測定には、Google アナリティクスGoogle サーチコンソールといったツールが活用されます。これらのツールを使うことで、トラフィックの推移、流入経路、ユーザー行動、検索順位などのデータを把握できます。

Google アナリティクスでは、セッション数、ページビュー数、直帰率、滞在時間、コンバージョン数などを確認できます。Google サーチコンソールでは、検索クエリごとの表示回数、クリック数、平均順位などを把握できます。

これらのデータを定期的にモニタリングし、変化の要因を分析することで、改善のヒントを得ることができます。

継続的な改善サイクル

効果測定で得たデータをもとに、改善施策を立案・実行し、再度効果を測定するというサイクルを回し続けることが、持続的な成果向上につながります。

ある大手デジタルサービス企業では、ポータルサイトのリニューアルとコンテンツSEO体制の立ち上げを行いました。特に注力したのは、方針や制作の考え方を丁寧にすり合わせ、チーム全体でノウハウを統一することでした。手を動かしながら知識を定着させる運用スタイルで、コンテンツSEOスキルの底上げを図った結果、プロジェクト開始から1年でリード獲得数は約4倍に成長。オフラインやWeb広告など他チャネルで接点を持ったユーザーが自然検索で再訪し、問い合わせへとつながる循環が確立されました。継続的な改善サイクルを回すことで、このような好循環を生み出すことが可能になります。

改善施策を実行する際は、一度に多くのことを変更するのではなく、一つずつ変更して効果を検証することが推奨されます。複数の変更を同時に行うと、どの変更が効果をもたらしたのかが分からなくなってしまいます。

また、成果指標の達成に最短距離で向かうためには、達成・未達の要因分析をした上で、次のアクションを定めることが重要です。なぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのかを分析し、再現性のある成功パターンを見つけていくことで、効率的に成果を向上させることができます。

集客から受注までの一気通貫の視点

オウンドメディアの集客は、マーケティング活動の一部に過ぎません。集客したリードを最終的な受注につなげるためには、営業部門との連携も重要です。

BtoB企業においては、「マーケのリードは質が悪い」「営業が動いてくれない」といったマーケティングと営業の相互不信が課題になることがあります。これを解消するためには、双方を巻き込んでペルソナやカスタマージャーニーの認識を合わせ、顧客の実像から議論を構築し直すことが有効です。

弊社の支援事例でも、マーケティング組織の立て直しやシステム導入のテクニカルな面よりも、営業とマーケティング部門のペルソナやカスタマージャーニーの認識齟齬を解消することが、成果創出の鍵になるケースが多くあります。成果にこだわるのであれば、社内人事や組織設計に踏み込んだ取り組みも必要になることがあります。

インサイドセールス組織との連携も効果的です。オウンドメディアで獲得したリードに対して、インサイドセールスが適切なタイミングでアプローチすることで、案件化率を高めることができます。集客からリード獲得、そして受注までを一気通貫で設計することが、オウンドメディアのビジネス貢献を最大化する鍵となります。

最後に

本記事では、オウンドメディアの集客方法について、SEO対策やSNS活用、メールマガジン、Web広告、動画コンテンツ、オフライン施策との連携という6つの方法を解説しました。

また、集客戦略の設計手順として、目的・ゴールの明確化、ペルソナとカスタマージャーニーの設計、自社に適した集客チャネルの選定について説明しました。集客効果を最大化するためには、複数チャネルの連携運用とコンテンツの質にこだわった継続的な改善が重要です。

そして、集客から成果につなげるためには、CTAとコンバージョン設計、効果測定とPDCAサイクルの実践が欠かせません。

オウンドメディアの集客は、一朝一夕で成果が出るものではありません。成果が出るまでに6ヶ月から1年程度かかることが一般的であり、成功しているメディアの多くは3年以上の継続運用を行なっています。

重要なのは、自社の状況に適した集客戦略を策定し、継続的に成果を出せる体制を構築することです。すべての施策に同時に取り組むのではなく、優先順位をつけて一点集中で取り組むことで、限られたリソースで最大の成果を上げることができます。

本記事が、オウンドメディアの集客に取り組む皆様の参考になれば幸いです。

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著者

永田 さおり

永田 さおり

Growth Architect

業界歴10年以上。2017年株式会社MOLTSに参画。BtoB・BtoC問わず多様な業種業態でマーケティングの立ち上げから実行までを一貫支援。組織開発やコミュニケーション設計を中心にコンサルティングを行う。

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