オウンドメディア運用の手順|フェーズ別の実践ポイントを解説

オウンドメディア運用の手順|フェーズ別の実践ポイントを解説

オウンドメディアは、広告費に依存しない資産型の集客チャネルとして多くの企業から注目を集めています。

質の高いコンテンツを継続的に発信することで、検索エンジンからの安定した流入を獲得し、見込み客との接点を効率的に創出できるようになりました。

一方で、以下のような声も増えています。

  • 何から始めればいいか分からず、手探りで運用している
  • コンテンツを公開し続けているが、思うような成果が出ない
  • 社内で自走できる体制を作れず、外部への依存が続いている

そこで本記事では、オウンドメディア運用の手順を準備・実行・改善のフェーズ別に解説し、成果を出すための実践ポイントを紹介します。

オウンドメディア運用とは

オウンドメディア運用を始める前に、そもそもオウンドメディアとは何か、どのような成果を目指すべきかを理解しておくことが重要です。

目的が曖昧なまま運用を始めると、途中で「何のためにコンテンツを作り続けているのか」が分からなくなり、運用が形骸化してしまう恐れがあります。

このセクションでは、オウンドメディアの定義と、運用によって目指すべき成果の種類について解説します。

オウンドメディアの定義と事業貢献の視点

オウンドメディアとは、企業が自社で所有し、運営するメディアのことを指します。

具体的には、自社で運営するWebマガジンやブログ、採用サイトなどが該当します。

しかし、単なる情報発信の場として捉えるのではなく、「いかに企業の収益を増やし、人を集め、事業に貢献するのか」という視点で考えることが重要です。

オウンドメディアを店舗経営に例えると、オウンドメディアは「店舗」そのもので、コンテンツは「販売員」に相当します。

店舗全体で成果をあげることがオウンドメディア運用の目的であり、コンテンツ単体の成果を追求するコンテンツマーケティングとは異なる視点が求められます。

ここで注意したいのが、商業メディアとの違いです。

商業メディアは、メディア自体での収益化を目的として運営されます。

多くのトラフィックを集めることで、アフィリエイトやSSP(Supply-Side Platform)などの広告を利用し、直接的に収益を得るモデルです。

一方でオウンドメディアは、事業課題や採用課題の解決を目的としたメディアです。

いくらトラフィックが集まっても、事業課題の解決に繋がっていなければ、オウンドメディアとしての価値は限定的といえるでしょう。

このように、オウンドメディアは「事業貢献」という明確な目的を持って運用することが、成功への第一歩となります。

運用で目指すべき成果の種類

オウンドメディア運用で目指すべき成果は、企業の課題や状況によって異なります。

代表的な成果の種類を把握し、自社にとって最も重要な目的を明確にすることが大切です。

リード獲得

特にBtoB企業で多い運用目的です。

サービスや商品のお問い合わせ、資料請求といったリードを獲得します。

例えば、法人向けの会計サービスを提供している企業であれば、「会計ソフト 比較」「会計ソフト おすすめ」といったキーワードでコンテンツを制作し、上位表示を達成することで、導入を検討しているユーザーを効率良く集客できます。

リード獲得施策にオウンドメディアが活用される背景には、広告手法の一般化によるCPA(顧客獲得単価)の高騰があります。

オウンドメディアは質の高いコンテンツを継続運用することで、メディア自体を資産化でき、長期的に費用対効果を高められる点が魅力です。

ある専門分野向けのマッチングサービスを展開する企業では、広告出稿やアウトバウンド営業でリード獲得を行っていましたが、コスト上昇と人的リソースの逼迫により継続的なリード獲得が困難になっていました。そこでオウンドメディアを活用したオーガニック検索の強化に取り組んだところ、立ち上げ1年で月100件を超えるお問い合わせを獲得し、最終的には広告・営業コストをゼロにすることができました。

認知拡大

サービスや商品自体を知らない「非認知層」に向けた施策です。

自社サービスの認知度が低い場合、サービス名や会社名で直接検索するユーザーの集客は期待できません。

そこで、サービスを利用する可能性のあるユーザーが興味を示しそうなコンテンツや、抱えている課題の解決に繋がるコンテンツを継続して発信します。

これにより、会社名やサービス名を知ってもらうきっかけを作ることができます。

ブランディング

ブランディングとは、「ブランドに意味を持たせ、受け皿を作ること」を指します。

単に商品やサービス名を知ってもらうだけではブランディングは成り立ちません。

「利便性を重視するならA社」「セキュリティを重視するならB社」といったように、自社サービスの強みや特徴をユーザーに認知してもらい、評価軸とブランドを結びつけることを目指します。

オウンドメディアはコンテンツの内容や発信方法を自社でコントロールできるため、「ユーザーにどのような印象を持ってもらいたいか」を意識した一貫性のあるコミュニケーションが可能です。

採用力の強化

自社の採用力強化のためにオウンドメディアを活用するケースも増えています。

社員へのインタビューやイベント紹介、日々の働き方など、自社にフォーカスしたコンテンツを発信することで、会社のカルチャーやビジョンに共感する採用候補者を獲得できます。

また、求職者にとっても「入社してみないと会社の様子が分からない」という懸念が解消され、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

暗黙知の形式知化と活用

近年、特に注目されている目的です。

暗黙知とは、社内のプロフェッショナルが持つ経験や判断、ノウハウなど、これまで明文化されていなかった知識や情報のことを指します。

この暗黙知を形式知化し、オウンドメディアを通じて発信することで、他社との差別化を図ることができます。

さらに、形式知化した情報は若手社員の教育、提案書作成、営業トークの改善など、社内のさまざまな場面で活用できます。

これにより、オウンドメディアは対外的な情報発信だけでなく、組織全体の生産性向上にも貢献する存在となります。

弊社では、AIを活用して社内のプロフェッショナルの知見をコンテンツ化する仕組みを構築しています。ある企業では、この仕組みを導入したところ、月2本だったコンテンツ制作数が30本へと15倍に向上しました。作成されたコンテンツは暗黙知の集約となり、教育資料や提案書、営業トークの改善など、社内のさまざまな場面で活用されています。

オウンドメディア運用の準備フェーズ

オウンドメディア運用を成功させるためには、運用を始める前の準備が極めて重要です。

「とりあえず始めてみよう」という姿勢では、途中で方向性を見失い、成果に繋がらないまま運用が止まってしまうことが少なくありません。

このセクションでは、運用開始前に整えるべき3つの要素について解説します。

目的・ミッションの定義と成果指標の設定

オウンドメディア運用において最も重要な第一歩は、目的の明確化です。

「何のためにオウンドメディアを運用するのか」という問いに対する答えが、その後のすべての判断基準となります。

目的を定める際は、以下のような視点で考えることが有効です。

  • 検索からのコンバージョンを獲得し、広告費を抑制しながら売上を伸ばしたいのか
  • インバウンドでのリード獲得基盤を構築したいのか
  • 認知を拡大し、採用のエントリー数を増やしたいのか

目的が定まったら、次に成果指標を設定します。

成果指標とは、目的の達成度合いを定量的に測定するための指標です。

例えば、リード獲得が目的であれば「問い合わせ数」「資料請求数」、認知拡大が目的であれば「新規ユーザー数」「指名検索数」などを設定します。

重要なのは、成果指標の達成が事業課題の解決に紐づいているかどうかです。

PVやUUといったトラフィック指標だけを追いかけていても、事業への貢献が見えなければ、運用の意義が薄れてしまいます。

また、最終的な成果指標の達成に向けて、マイルストーンとして中間目標を設定しておくことも効果的です。

これにより、運用の進捗を段階的に確認でき、必要に応じて軌道修正を行うことができます。

ミッションの定義と成果指標の設定は、チーム全員で共有することが大切です。

メンバー全員が同じ方向を向いて運用に取り組むことで、判断のブレを防ぎ、効率的な運用が可能になります。

弊社の経験では、関係者が多いプロジェクトほど、ゴールの言語化が成否を分けます。ある大手企業のプロジェクトでは、経営層への説明責任が重視される環境の中、PVやUUといった分かりやすい数値での成果が優先されていました。しかし、本質的な事業課題の解決に向けて目的を再定義し、チーム全体で共有したことで、最終的に8万UUから300万UUへの40倍成長を実現することができました。

ペルソナ・ターゲット設定の方法

誰に向けて情報を発信するのかを具体的に定義することが、オウンドメディア成功の鍵を握ります。

ペルソナとは、自社製品やサービスのターゲットとなる架空の人物像を、具体的なイメージに落とし込んだものです。

実在する人物のように具体的なペルソナを設定することで、その人物の悩みや情報収集の行動パターンを高度に推測できるようになります。

BtoB企業の場合、ペルソナ設定において考慮すべき要素は以下のとおりです。

  • 所属する企業の業種、規模
  • 役職や部署
  • 決定権の有無
  • 抱えている課題や悩み
  • 情報収集の方法やタイミング

例えば、中堅企業のマーケティング部門でリーダークラスとして働き、オウンドメディアの立ち上げを任されたが、何から始めればいいか分からないという人物像を設定するとします。

このペルソナに対しては、「体系的な運用方法を学びたい」「失敗を避けたい」というニーズに応えるコンテンツが有効だと分かります。

ペルソナを設定する際の注意点として、複数のターゲットタイプを設定することが挙げられます。

オウンドメディアには、さまざまな段階のユーザーが訪れます。

立ち上げ初期で何から始めればいいか分からない人、運用中だが成果が出ていない人、運用体制の見直しを検討している人など、状況によってニーズは異なります。

それぞれのターゲットに対して、どのようなコンテンツを提供すべきかを検討することで、より効果的なコンテンツ戦略を立てることができます。

弊社が支援したある人材サービス企業では、ターゲットの解像度を上げるため、現場のキャリアアドバイザーに対する複数回のヒアリングを実施しました。その結果、一般的な訴求軸に共感する層よりも、特定の状況において「主体的に動きづらいため、効率的にサポートを受けたい」といったニーズを持つユーザーが一定数存在することが判明しました。この発見を基に訴求内容を変更したところ、指名検索からのCVRが倍以上に向上しました。

KGI・KPIの設計(SMARTの原則とフェーズ別指標)

成果を定量的に測定するためには、KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)の設計が不可欠です。

KGIとKPIの関係を山登りに例えると分かりやすいでしょう。

KGIは山の頂上、つまり最終的なゴールです。

KPIは5合目、6合目、7合目といった途中の目印であり、ゴール達成までのプロセスに設ける段階的な指標です。

KPIを効果的に設計するためには、SMARTの原則に従うことが推奨されます。

  • S(Specific): 明確であること
  • M(Measurable): 測定可能であること
  • A(Achievable): 現実的に達成可能であること
  • R(Relevant): ゴールと関連性があること
  • T(Time-bound): 期限が設定されていること

オウンドメディア運用では、フェーズごとに追うべきKPIが異なります。

以下に、フェーズ別のKPI例を示します。

集客段階のKPI

この段階では、まずユーザーにコンテンツを見つけてもらうことが目標です。

代表的な指標として、対策キーワードの検索順位、表示回数、クリック数、セッション数があります。

なお、認知獲得段階ではPV数を主要な指標に置くことは推奨されません。

PV数は季節やトレンドなど外部要因に左右されやすく、コントロールしにくい性質があるためです。

検索順位が上がれば、CTR(クリック率)が上がり、PVも自然と増加します。

重要なのは、狙ったキーワードで上位表示を獲得することです。

ファン化段階のKPI

コンテンツを見つけてもらった後は、ユーザーに価値を感じてもらい、メディアのファンになってもらう段階です。

この段階では、ページ/セッション、直帰率、滞在時間などの指標が有効です。

これらの指標を通じて、ユーザーがコンテンツにどれだけ興味を持ち、深く読んでくれているかを把握できます。

成果獲得段階のKPI

最終的に、ユーザーにアクション(コンバージョン)を起こしてもらう段階です。

CV数、CVR、資料ダウンロード数、問い合わせ数などが主要な指標となります。

重要なのは、見るべき指標を絞ることです。

指標が多すぎると、どこに注力すべきか判断が難しくなります。

見るべき指標は6から7つ程度に絞り、戦略設計と同様に「見るべきもの」と「見なくてよいもの」を明確に分けることが大切です。

オウンドメディア運用の実行フェーズ

準備フェーズで目的、ターゲット、KPIを定義したら、いよいよ運用の実行に移ります。

このフェーズでは、計画を実際のアクションに落とし込み、継続的にコンテンツを発信していく体制を構築することが求められます。

理想的な戦略が描けても、実行できなければ成果は生まれません。

このセクションでは、運用を実行するために必要な3つの要素について解説します。

運用体制の構築と役割分担

オウンドメディア運用を継続するためには、適切な体制構築が欠かせません。

「担当者が通常業務と兼務しており、コンテンツ制作に時間を割けない」というケースは、運用が停滞する最も一般的な原因の一つです。

運用体制に必要な主な役割は以下のとおりです。

プロジェクトマネージャー

オウンドメディア全体の進行管理を担います。

目標設定、スケジュール管理、予算管理、関係者との調整などを行います。

コンテンツディレクター

コンテンツの企画・設計を担当します。

キーワード設計に基づいてコンテンツの方向性を決め、ライターへの指示出しや品質管理を行います。

ライター

実際にコンテンツを執筆する役割です。

社内のメンバーが担当する場合もあれば、外部ライターに依頼する場合もあります。

編集者

完成したコンテンツの校正・編集を行います。

情報の正確性、文章の読みやすさ、トーン&マナーの一貫性などをチェックします。

分析担当

アクセス解析や検索順位のモニタリングを行い、改善のための示唆を提供します。

これらすべての役割を社内で揃える必要はありません。

自社のリソースや強み、予算に応じて、外部パートナーとの連携を検討することも有効です。

重要なのは、各役割の責任範囲を明確にし、メンバー間で信頼関係を築くことです。

それぞれが専門領域に集中できる体制を作ることで、運用の効率が高まります。

弊社の支援事例では、BtoBマーケティングの戦略設計者と、オウンドメディア領域のプロフェッショナルが協働する場合、互いの専門性を完全に信頼することが重要だと実感しています。役割分担が明確であれば、お互いの手法を細かく議論する必要はなく、機械的に進行できます。あるプロジェクトでは、この信頼関係のもとで、1年未満でリード3倍化、案件化率30%増、受注率3倍増を実現しました。

また、運用体制を構築する際には「余白」を意識的に組み込むことが大切です。

詳細な行動計画を立てすぎると、計画に従うことが目的になってしまい、状況の変化に対応できなくなります。

変えられること(変数)と変えられないこと(定数)を明確に分離し、柔軟に対応できる余白を持たせることで、目標達成に向けた軌道修正が可能になります。

弊社では、この「余白設計」を重視しています。目的達成のために必要な余白(変数)と必須事項(定数)を明確に分離することで、メンバーが計画変更の判断に参加しやすくなり、データの振り返りから改善を実行する組織体制が整います。立ち上げ初期から詳細計画を作るのではなく、まず運用体制やリソース、予算を整理し、その上で「何を変えられるか」を定義することが重要です。

大量制作と品質管理を両立させる体制

オウンドメディアの成長フェーズでは、コンテンツの量産と品質維持を同時に実現する体制が求められます。ある企業では、月間100本を超えるコンテンツ制作を行いながら、品質を維持するための多段階チェック体制を構築しました。

具体的には、まずダブルチェック体制を基本とし、誤字脱字の徹底排除を図りました。次に、他メンバーからのフィードバックを必須化し、記事の客観性を担保。さらに、専任の監査担当者を配置し、特に画像使用に関しては著作権、肖像権、撮影許可の確認を厳格に行いました。

この品質管理システムにより、大量制作でありながら重大なトラブルを回避することができました。チェックプロセスの効率化も同時に進め、品質と生産性の両立を実現しています。

ポイントは「分業による生産性向上」と「多段階の品質管理体制」を同時に設計することです。各メンバーの専門性を活かしつつ、チェック工程を仕組み化することで、スケーラブルな運用体制を構築できます。

コンテンツ制作の進め方と品質管理

コンテンツ制作は、オウンドメディア運用の中核となる活動です。

コンスタントにコンテンツを公開し続けるための仕組みづくりが、運用継続の鍵を握ります。

コンテンツ制作を進める上での基本的なステップは以下のとおりです。

キーワードリサーチ

まず、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを調査します。

検索ボリューム、競合状況、自社との関連性などを考慮して、対策するキーワードを選定します。

コンテンツ設計

キーワードが決まったら、そのキーワードで検索するユーザーのニーズを深掘りします。

「なぜそのキーワードで検索したのか」「何を知りたいのか」「どのような状態になれば満足するのか」を徹底的に考え抜きます。

コンテンツ設計で洗い出すべき項目は以下のとおりです。

  • 検索背景(どのような状況で検索しているか)
  • 顕在ニーズ(ユーザーが自覚している欲求)
  • 潜在ニーズ(ユーザー自身も自覚していない欲求)
  • ユーザーにとっての最高のゴール
  • そのゴールに導くためのストーリー
  • 具体的な見出しや本文の内容

執筆・編集

設計に基づいてコンテンツを執筆し、編集を行います。

この際、情報発信の責任を最優先に考えることが重要です。

誤った情報は読者に不利益を与え、企業ブランドにダメージを与えます。

執筆にあたっては、書籍や専門家へのインタビュー、公式情報などを活用し、情報の正確性を担保する必要があります。

弊社が支援した企業では、「情報発信の責任を最優先にする」という原則をチーム全体に徹底させることで、素人集団から成果を出す編集部へと変貌を遂げました。事実確認の厳格化、推測と事実の区別、専門家監修の義務化、引用元の明確化といった具体的な基準を設定することで、信頼されるメディアの基盤を築くことができました。

公開・効果測定

コンテンツを公開し、アクセス解析や検索順位のモニタリングを行います。

公開はゴールではなくスタートです。

データに基づいて改善を続けることで、コンテンツの価値を高めていきます。

コンテンツ制作を継続するためのポイントとして、月の制作本数を目標化することが挙げられます。

例えば「月10本の新規コンテンツを作成する」という行動量にフォーカスしたKPIを設定することで、運用の継続性が担保されます。

また、コンテンツの品質管理においては、初期段階のメンバーに数値データを見させないという方法も有効です。

経験の浅いメンバーがPVの上下に一喜一憂すると、表面的な改善に躍起になり、コンテンツの本質的な品質向上から目が離れてしまうことがあります。

初期3ヶ月程度は基礎の習得(執筆力、情報整理、読者視点)に集中させ、その後で数値分析を取り入れるアプローチが効果的です。

弊社の経験では、初期段階では基礎の習得(執筆力、情報整理、読者視点)と習慣の確立(執筆リズム、情報共有、PDCA)に集中させることが重要です。競合サイトを追うと、思考が硬直し、二番煎じに陥り、ターゲットから目が離れてしまいます。プロフェッショナルが設計した戦略を愚直に実行する期間として機能させることで、3ヶ月後の飛躍的な成長の土台が形成されます。

ライター選定と制作体制の工夫

コンテンツ制作において、誰が書くかは品質に大きな影響を与えます。

ある老舗飲料メーカーでは、オウンドメディア立ち上げにあたり、SEO専門のライターではなく、日常的に自社製品を楽しむ愛好家をライターとしてアサインしました。嗜好品には決まった正解がなく、その人の色や考え方、主張が盛り込まれている方がメディアらしさが出るという判断からです。

このプロジェクトでは、記事制作フローを複数ステップに分け、構成設計・執筆・監修の役割を外部と社内で明確に分担しました。執筆前の構成案作成は外部チームが担当し、社内監修を通じて構成や主張の方向性を確認することで、初稿段階から品質が担保された記事制作が可能になりました。

さらに、SEO起点だけのコンテンツでは全テーマを満たすことができないため、独自のテーマ体系を設計し、情報構造を可視化することで、制作すべきテーマや進捗が全体像として把握できる環境を整備しました。

結果として、プロジェクト開始から1年で月間8万UUを達成。愛好家による深みのある記事制作と、構成・監修フローの仕組み化により、他社では真似できない独自性のあるコンテンツを継続的に生み出す体制が確立されました。

SEO・キーワード設計の実践

コンテンツSEOを行う上で最も重要なのが、キーワード設計です。

どのキーワードで上位獲得を狙うのか、どのような優先順位で狙っていくのか、そしてどのキーワードを諦めるのかを決めていきます。

キーワード設計の方法として、ペルソナとカスタマージャーニーマップの活用が有効です。

ペルソナに基づくキーワード選定

前述のペルソナ設定を活用し、そのペルソナがどのようなキーワードで検索するかを想像します。

例えば、「オウンドメディアの立ち上げを任されたマーケティング担当者」というペルソナであれば、「オウンドメディア 立ち上げ」「オウンドメディア 運用 方法」「オウンドメディア KPI」などのキーワードが想定されます。

カスタマージャーニーに基づく優先順位付け

ユーザーが購入や問い合わせに至るまでの過程を整理し、各段階でどのようなキーワードで検索するかをマッピングします。

認知段階では広いテーマのキーワード、比較検討段階では「〇〇 比較」「〇〇 おすすめ」といった購買に近いキーワードが検索されます。

リード獲得が目的であれば、購買に近い段階のキーワードを優先的に対策することで、効率的に成果に繋げることができます。

弊社が支援したあるマッチングサービス企業では、検索ボリュームではなく、ツール・サービスの検討段階で検索されるキーワードに絞ってキーワード設計を行いました。業界特有の専門用語や機器名称との掛け合わせキーワードを設計し、多岐にわたるサービスの中から最初は最重要な3つに狙いを定め、成功体験を作って運用を加速させる戦略を取りました。この「小さく始めて成功体験を積み上げる」アプローチが、最終的な大きな成果につながりました。

検索順位とCTRの関係

検索順位の重要性を理解することも、SEO戦略を立てる上で欠かせません。

検索順位1位を獲得した場合、CTRは平均で30%から40%程度とされています。

一方、10位では1.6%程度まで落ち込み、1位と10位では20倍以上の差があります。

この差を考えると、「とりあえず1ページ目に入れば良い」という考え方では十分な成果が得られないことが分かります。

狙ったキーワードで1位を獲得することを目指し、コンテンツの質を高め続けることが重要です。

良質なコンテンツの定義は、「読み手の悩みや課題が解決されること」、そして「その企業だからこそ発信する価値があるもの」です。

他社のコンテンツの真似事ではなく、自社ならではの視点や経験を盛り込むことで、差別化を図ることができます。

弊社が支援したあるヘルスケア企業では、対策キーワードの検索結果にすでに競合他社がひしめいていました。真っ向勝負しても勝ち目が薄かったため、ターゲットにとって有益な情報とは何かを突き詰めた結果、一次情報の積極的な活用を方針として定めました。これまで蓄積してきた独自のメソッドや調査結果など、自分たちだからこそ出せる情報を活用し、記事コンテンツの作り込みを徹底した結果、立ち上げ3年で半期1.5億円の売上を創出するメディアへと成長しました。

オウンドメディア運用の改善フェーズ

コンテンツを公開したら、運用はそこで終わりではありません。

オウンドメディアは中長期的な施策であり、継続的な改善を通じて成果を積み上げていくものです。

このセクションでは、効果測定の方法、PDCAサイクルの回し方、そして成果が出るまでの時間軸について解説します。

効果測定と分析の方法(見るべき指標の絞り込み)

オウンドメディアの効果測定には、定量的なモニタリング環境の構築が必要です。

測定すべき指標はフェーズによって異なりますが、重要なのは見るべき指標を絞ることです。

効果測定で活用する主なツールは以下のとおりです。

Google Search Console

検索パフォーマンスを確認するための無料ツールです。

参照URL:https://search.google.com/search-console

検索クエリごとの表示回数、クリック数、平均掲載順位などを確認できます。

どのキーワードでユーザーがサイトに訪れているかを把握することで、コンテンツ改善のヒントが得られます。

Google Analytics

サイトのアクセス解析を行うための無料ツールです。

参照URL:https://analytics.google.com/

セッション数、ユーザー数、ページビュー、直帰率、滞在時間、コンバージョン数など、さまざまな指標を確認できます。

これらのツールを活用して、以下のような観点で分析を行います。

流入の質の確認

どのキーワードから流入しているか、狙ったキーワードで上位表示できているかを確認します。

意図していないキーワードからの流入が多い場合、コンテンツの方向性を見直す必要があるかもしれません。

ユーザー行動の確認

サイトに訪れたユーザーがどのように行動しているかを確認します。

直帰率が高い場合、ユーザーのニーズとコンテンツの内容にギャップがある可能性があります。

コンバージョンの確認

最終的な成果指標であるコンバージョンがどれくらい発生しているかを確認します。

流入は多いのにコンバージョンが少ない場合、CTA(Call To Action)の設計や導線に問題があるかもしれません。

弊社が支援したあるSaaS企業では、検索上位を獲得した記事について、記事内CTAやUIの設計・改修を徹底しました。ユーザーの状況・動機・ニーズに応じてCTA配置や訴求内容をチューニングし、CTAクリックが増えるとお問い合わせフォームでの離脱が課題化したため、フォーム項目の簡略化やUI見直しなどEFO施策も実施しました。このように、成果を出すオウンドメディア設計は、ユーザーの行動を軸にしています。

効果測定において陥りがちな失敗として、「指標が多すぎる」ということがあります。

あらゆる指標を追いかけようとすると、どこに問題があるのか、何を改善すべきかが見えにくくなります。

戦略設計で定めた目的とKPIに基づいて、見るべき指標を6から7つ程度に絞り込むことが大切です。

複数メディアの統合と棚卸し

オウンドメディアを長期運用していると、目的ごとに複数のメディアが乱立するケースがあります。ある企業では、プロジェクト開始時点ですでに複数のオウンドメディアが存在しており、それぞれが独立したドメインやテーマで運用されていました。その結果、コンテンツの重複やSEO評価の分散が起きており、非効率な運用状況となっていました。

この企業では、オウンドメディア全体の棚卸しを実施しました。各オウンドメディアのSEO評価やキーワード獲得状況を分析し、最も効率的に評価を得やすい運用体制を策定。具体的には、サービスサイトを加味したドメイン選定、使わなくなるURLの精査やリダイレクト設計、既存記事の対応リストの精査などを実施しました。

キーワード設計に応じて、新たに作るべき記事、既存内容を活かす記事、閉じる記事を明確に分類し、数百ある記事の対応をすべて可視化させました。この取り組みにより、コンテンツSEO施策を運用する基盤が整えられ、リード数は昨対比115%を達成。また、これまでは「何をやるか?」が発想の起点だったところから、「誰に、何を届けるか?」という顧客起点の発想に切り替えることができ、組織全体のマーケティング思考も進化しました。

PDCAサイクルと余白設計

オウンドメディア運用において、PDCAサイクルを回すことは基本中の基本です。

しかし、PDCAサイクルを形式的に回すだけでは、手段の目的化に陥る危険性があります。

PDCAサイクルの各フェーズで意識すべきポイントは以下のとおりです。

Plan(計画)

目標から逆算してコンテンツ制作の計画を立てます。

ただし、計画を詳細に作りすぎないことが重要です。

詳細な行動計画を立てると、計画に従うことが目的になってしまい、「毎月のカテゴリー配分」や「記事本数」といった「やるべきこと」をこなすことが目的化してしまいます。

計画を立てる際は、「変えられること(変数)」と「変えられないこと(定数)」を明確に分離し、変数=柔軟に対応できる余白として定義することが大切です。

弊社では、手段の目的化を防ぐための「余白設計」を重視しています。目的・目標があるはずなのに、詳細な行動計画を立てることで「やるべきこと」が目的に変質してしまう構造を避けるためです。データを振り返っても計画変更のハードルが高すぎて改善に活かせない状態に陥らないよう、立ち上げ初期から「変更可能性」を組み込むことが重要です。関わる人数を増やしすぎず、計画変更のハードルを下げることで、目標に真摯に向き合える組織土壌が形成されます。

Do(実行)

計画に基づいてコンテンツ制作を実行します。

実行段階では、行動量を担保することが重要です。

成果が出るまでに時間がかかるオウンドメディアでは、一定のコンテンツ量がなければ検索エンジンからの評価も得られません。

Check(評価)

設定した指標の達成状況を確認し、達成・未達の要因を分析します。

評価において重要なのは、「数字の間にどのようなアクションやコミュニケーションが隠れているか」を確認することです。

数字だけを見るのではなく、その数字が生まれた背景や要因を深掘りすることで、次のアクションに活かせる示唆が得られます。

Act(改善)

評価結果に基づいて、次のアクションを決定します。

改善を実行する際には、計画変更のハードルを下げることが重要です。

関わる人数を増やしすぎず、意思決定のスピードを高めることで、データの振り返りから改善を素早く実行できる組織体制が整います。

余白設計のポイントは、目標やデータに真摯に向き合うことです。

目的達成のために必要であれば、当初の計画を柔軟に変更する姿勢が求められます。

「計画通りにやること」ではなく「目標を達成すること」を最優先に考えることで、手段の目的化を防ぐことができます。

成果が出るまでの時間軸と継続のコツ

オウンドメディア運用において、成果が出るまでには時間がかかることを理解しておくことが重要です。

特に検索エンジンからの集客を主軸とする場合、成果が出始めるまでに半年から1年程度かかることは珍しくありません。

この時間軸を経営層や関係者に理解してもらうことが、運用を継続するための前提条件となります。

「オウンドメディアは中長期的な投資である」という認識を組織全体で共有することで、短期的な成果が出なくても運用を続けられる環境を整えることができます。

継続のコツとして、以下のようなポイントが挙げられます。

小さな成功を共有する

大きな成果が出るまでの間にも、小さな変化は起きています。

滞在時間が10秒伸びた、SNSで初めてシェアされた、狙ったキーワードで検索順位が上がったなど、小さな変化を見逃さずチーム全体で共有することが大切です。

これらの小さな成功体験の積み重ねが、チームのモチベーション維持に繋がります。

弊社の支援では、4ヶ月目以降、小さな数値変化(滞在時間10秒の伸び、SNSでの初シェア)に全員で喜び、チーム全体で祝う文化を作ることを推奨しています。これらの小さな成功体験がモチベーション維持と組織的な一体感につながり、ブレイクスルーまで走り続ける精神力を支えます。素人集団でも、正しい方向性と小さな成功の積み重ねで、驚異的な成長が可能になります。

フェーズを区切って考える

1年間を通して同じ施策を続けるのではなく、フェーズを区切って戦略を変えていくことが効果的です。

例えば、以下のような時間軸での区切り方が考えられます。

  • 初月:キーワード設計を徹底的に行う
  • 2から6ヶ月目:新規コンテンツの作成に集中し、運用体制を構築
  • 7から12ヶ月目:メンテナンスにシフトし、CV獲得に注力

このようにフェーズごとに注力すべきことを明確にすることで、メンバーの迷いを減らし、効率的な運用が可能になります。

行動量にフォーカスする

特に初期段階では、成果指標ではなく行動量にフォーカスすることが有効です。

「月10本のコンテンツを公開する」といった行動量の目標は、自分たちでコントロールできます。

コントロールできる目標を達成し続けることで、運用の継続性が担保され、結果として成果に繋がっていきます。

オウンドメディア運用の成功ポイントと注意点

ここまで、オウンドメディア運用の準備・実行・改善のフェーズについて解説してきました。

最後に、成功するオウンドメディアに共通する特徴、よくある失敗パターン、そして自走する組織づくりのポイントについて整理します。

成功する運用に共通する3つの法則

多くの成功事例を分析すると、以下の3つの法則が浮かび上がります。

法則1:目的と成果が明確に定義されている

成功しているオウンドメディアには、必ず明確な目的と成果指標があります。

「何のために運用するのか」「どのような状態になれば成功と言えるのか」が定義されており、チーム全員が共有しています。

この定義があることで、運用上のあらゆる判断基準が明確になります。

どのキーワードを優先すべきか、どのようなコンテンツを作るべきか、どこにリソースを集中させるべきかといった判断が、ブレなく行えるようになります。

法則2:目的に沿った運用がされている

定めた目的に対して、正しい運用がなされていることも成功の条件です。

例えば、リード獲得が目的であるにもかかわらず、PV数やUU数といったトラフィック指標ばかりを追いかけているケースがあります。

これは目的と手段が一致していない典型的な例です。

目的から逆算して、正しいストーリーを描けているかどうかが、成功と失敗を分けるポイントとなります。

弊社が支援したあるInstagram運用代行企業では、3カ月で100記事を制作したものの、想定していた成果に繋がっていませんでした。流入は見込めたがCVに結びつかない状態でした。そこでKPIを「PV」から「コンバージョン獲得数」へ変更し、「どのようなコミュニケーションであればユーザーに興味を持ってもらえるか」という設計をもとにCTA改善施策やリライト施策を実行したところ、リード創出は月10件から500件へと50倍に向上しました。

法則3:継続と改善を行い続けている

オウンドメディアで成功している企業の多くは、3年以上運用を継続しています。

成果が出始めるまでに時間がかかるオウンドメディアでは、継続することそのものが競争優位の源泉となります。

また、継続するだけでなく、改善を続けることも重要です。

検索エンジンのアルゴリズムは日々変化し、ユーザーのニーズも変わり続けます。

最新の傾向やユーザー動向にキャッチアップし、コンテンツに反映させていくことが求められます。

よくある失敗パターンと対策

オウンドメディア運用でよく見られる失敗パターンと、その対策を紹介します。

失敗パターン1:目的と成果が曖昧なまま始めてしまう

「競合がやっているから」「流行っているから」という理由で、目的が曖昧なままスタートしてしまうケースです。

途中で「何のためにコンテンツを作り続けているのか」が分からなくなり、運用が形骸化してしまいます。

対策として、運用開始前に必ず目的と成果指標を定義し、チーム全員で共有することが挙げられます。

失敗パターン2:短期的な成果を求めてしまう

オウンドメディアは即効性のある施策ではありません。

特に検索エンジン経由の集客を主軸にする場合、成果が出始めるまでには最低でも半年から1年はかかります。

短期的な成果が出ないことに焦り、途中で方針を変えたり、運用を止めてしまったりするケースがあります。

対策として、オウンドメディアの時間軸を経営層や関係者に事前に説明し、中長期的な投資として位置づけることが重要です。

失敗パターン3:運用体制が整っていない

「担当者が通常業務と兼務しており、コンテンツ制作に時間を割けない」「記事の品質を担保できる編集者がいない」など、運用体制の不備も失敗の大きな要因です。

対策として、運用開始前に必要な役割とリソースを洗い出し、社内で対応できない部分は外部パートナーの活用を検討することが挙げられます。

失敗パターン4:コンテンツが「伝えたいこと」になっている

企業が伝えたいことだけを発信する「自己満足」なコンテンツでは、読者の共感は得られません。

コンテンツは「情報を伝える箱」ではなく、「読者とのコミュニケーションを生み出すきっかけ」です。

対策として、常に読者視点に立ち、「読者は何を知りたいのか」「どのような悩みを抱えているのか」を徹底的に考え抜くことが求められます。

失敗パターン5:作って終わりになっている

コンテンツは公開してからがスタートです。

アクセス解析や検索順位のチェックを行わず、公開したまま放置していては、メディアが成長することはありません。

対策として、定期的な効果測定と改善のサイクルを運用フローに組み込み、継続的にコンテンツを育てていく体制を構築することが重要です。

自走する組織づくりとAI活用の視点

オウンドメディアを長期的に成功させるためには、外部の専門家に依存し続けるのではなく、社内で自走できる体制を整えることが重要です。

自走する組織づくりには、以下の3つのポイントがあります。

共通の目標と判断軸の確立

オウンドメディアの明確な目的(KGI)と判断基準をチーム全体で共有します。

これにより、メンバー一人ひとりが自分で判断し、行動できるようになります。

成功体験の積み重ね

特に初期段階では、小さな成功でも共有し、チームで祝う文化を作ります。

検索順位が上がった、問い合わせが増えたといった小さな変化を全員で喜ぶことで、チームの自信とモチベーションが高まります。

段階的な自律性の向上

最初は具体的な指示やサポートを手厚く行い、成果が出始めたら徐々にメンバーの自律性を高めていきます。

「確認」や「相談」のコミュニケーションへとシフトすることで、組織として自走できる状態を作り上げます。

また、近年ではAIを活用したオウンドメディア運用も広がりつつあります。

AIを活用する際に理解しておくべき重要な概念として、「60点問題」があります。

AIを活用すると生産性は劇的に向上しますが、同じ情報ソースから類似したコンテンツが生成されるため、品質のベースラインが揃ってしまいます。

AIが生成するコンテンツは、プロフェッショナルの視点から見ると「60点」程度の品質に留まることが多いのです。

この問題を克服するためには、社内のプロフェッショナルが持つ暗黙知を形式知化し、AIによるコンテンツ生成に組み込むことが重要です。

自社独自の視点や経験、事例を盛り込むことで、他社との差別化を図り、真に価値のあるコンテンツを生み出すことができます。

ある企業では、AIを活用したコンテンツ制作の仕組みを構築する際、従来の「編集者が企画を立て、ライターが執筆する」というフローを抜本から見直しました。社員をライター化するという発想転換のもと、AIとの対話で暗黙知を引き出し、コンテンツ化するシステムを構築したのです。

このシステムでは、1つのファイルを実行するだけで、プロンプトが連動して会話、編集、コンテンツ化が全て自動で行われます。メンバーに覚えてもらうことや、やってもらうことを極力排除し、ヒューマンエラーを防ぐために自動化を徹底しました。

導入にあたっては、いきなり全社展開するのではなく、フィードバックの質が高いレイヤーの高いメンバー10人から試験運用を開始。AIリテラシーが低いメンバーも多かったため、設定を一緒に行い、まず体験することから始めました。

結果として、月2本だったコンテンツ制作数が30本へと15倍に向上。通常1ヶ月1本でも重いライティング作業が、30分の会話でコンテンツが完成するようになり、「思っていることをコンテンツ化するのは楽しい」という声が多数上がりました。公開できるレベルのコンテンツ化率も50%から85%以上に向上しています。

弊社では、AIを「優秀な新人」のように捉えることを推奨しています。優秀な営業マンが入社したら、既存の営業プロセスを見直し、リソース配分を変えるのが当たり前です。AIも同じで、既存の構造のまま運用するのではなく、AIのポテンシャルに合わせて部署全体の構造から見直す必要があります。AI vs 人間という対立構造で考えるのではなく、可能性を最初から切り捨てず、企業やビジネスにおいて「本当に何がベストなのか」をグラデーションで考えることが重要です。

なお、AIを使って低品質なコンテンツができたとしても、それはAIの責任ではありません。

適切な指示やプロンプト設計ができていないことが原因であり、アウトプットの責任は常に人にあります。

AIはあくまでもツールであり、「優秀な新人」のように捉えて、組織全体の構造を見直しながら活用していくことが、真の価値創出に繋がります。

最後に

本記事では、オウンドメディア運用の手順を準備・実行・改善のフェーズ別に解説しました。

オウンドメディアは、正しい戦略に基づいて運用と継続を繰り返せば、必ず成果が出てくる施策です。

成果に至らないケースの多くは、戦略の立て方や運用方法が間違っている、もしくは継続ができていない場合です。

まずは自社の事業課題を明確にし、オウンドメディアがその課題解決に適した手段であるかを見極めることが重要です。

その上で、目的と成果指標を定義し、ターゲットを設定し、KPIを設計してから運用を開始してください。

運用開始後は、行動量を担保しながらPDCAサイクルを回し、継続的に改善を続けていくことで、着実に成果を積み上げることができます。

オウンドメディアは短期的な施策ではありません。

しかし、継続して取り組むことで、広告費に依存しない資産型の集客チャネルを構築できます。

本記事が、オウンドメディア運用に取り組む方々の一助となれば幸いです。

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著者

永田 さおり

永田 さおり

Growth Architect

業界歴10年以上。2017年株式会社MOLTSに参画。BtoB・BtoC問わず多様な業種業態でマーケティングの立ち上げから実行までを一貫支援。組織開発やコミュニケーション設計を中心にコンサルティングを行う。

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