オウンドメディアは、成功まで時間が必要と割り切り、小さい成功体験を積み上げる

オウンドメディア施策をゼロから立ち上げる際、少しでも早く成果を出そうとするためか最初から機能やデザインをリッチに作り込もうとするケースがある。しかし、基本的にオウンドメディア施策は成果が出るまでに時間がかかる「足の長い施策」である。初期段階で過剰なリソースを投入すると、運用やコンテンツ制作が滞るリスクがある。

また、初期に設計したリッチな機能やデザインが、実際のユーザーの期待や運用現場の実態とずれるケースも多い。この場合、後から大幅な再構築が必要となり、余計な時間とコストが発生するだけでなく、施策全体の立ち上がりも遅れてしまう。

大前提として、オウンドメディア施策は「足の長い施策」であるということを理解しておく必要がある。初期段階から一気に完成形を目指すのではなく、必要最低限の体制を整えた上で、運用と改善を繰り返しながら小さな成功体験を積み上げ、施策全体を成長させていく。

具体的には、CVまでの動線を最優先で整備し、ユーザーとの適切なコミュニケーションを実現するシンプルな構造を設計する。たとえば、

・最低限必要なCTA（資料請求・問い合わせボタンなど）を適切に配置する

・主要コンテンツの視認性を高めるため、シンプルな構造にする

・ユーザーが迷わず必要な情報にたどり着けるナビゲーションを設計する

など、ユーザーの行動を促すための最低限の要素に焦点を当てて実行する。これらの設計が完了したら、まずは運用を開始し、ユーザー行動データやフィードバックをもとに段階的な改修を進めていく。リッチな機能追加やデザイン刷新は、ユーザーやビジネスに必要な理由が明確になった段階で行う。

この進め方により、初期リソースを効率よく使いながら、無理なくオウンドメディアの成果を積み上げていくことができる。