STEP
1
データ分析による改善提案の根拠づくり
最初に着手したのは、グロース戦略の根拠を明確にすることだった。過去のメディアグロース実績に基づく仮説は持っていたものの、実際のデータ検証なしには適切な戦略を立てることができなかった。さらに、限られた予算を最適配分するため、効果の低い既存施策を特定し、その予算をグロース施策に転用する根拠を作る必要があった。
この段階で最も困難だったのは、データ分析で価値の低さが明確になった施策でも、メディアの核心要素だったり、大手企業特有の関係各所との連携に関わるものだったりして、データのみで判断・変更することができない点だった。単純な数値改善提案では受け入れられない複雑な組織事情が存在していた。
そこで、根拠となるデータと予算、具体的施策を組み合わせ、最小単位でもグロースが実現できる施策への予算配分を、複数回のディスカッションを通じて粘り強く提案した。また、クライアント企業とまず合意を形成し、その上で立場が強い既存パートナー企業にはクライアントから説明してもらうなど、関係者を巻き込んだ根回しを丁寧に実施した。
仮説だけでは交渉のテーブルに乗らないということを痛感した。複雑なステークホルダー環境では、根拠に基づく論理的な提案が信頼獲得と合意形成の絶対条件だった。

