SEO記事は、書き手のスキル以上に「ターゲット理解」を重視

コンテンツSEO施策において、SEOの知見やスキル、経験を保有していることは重要な要素の一つである。しかし、より重視したいのはターゲットの理解である。

コンテンツSEOを含むコンテンツマーケティングは、コンテンツを用いて相手の行動変容を促す、ユーザーとのコミュニケーションであると考える。コンテンツSEOは検索をタッチポイントとした施策にすぎず、向き合うべきは検索エンジンではなく、その先にいるユーザーである。

この前提が抜けていると、業界に特有の課題や顧客ニーズへの理解を深めないまま、キーワードやメタ情報の最適化などテクニック的な考えに走ってしまう。

結果として、ユーザーに求められるコンテンツにならず、検索順位があがらない、あるいは検索結果には表示されても読者が求める情報に応えきれない内容となってしまう。自己都合のコンテンツでは、求める成果は得られない。

コンテンツSEOのテクニックや経験以上に、ターゲットユーザーの理解、対象サービスの理解を重視する。

具体的なアプローチとして、まず業界や市場の現状、顧客が抱える課題をリサーチする。届ける相手が理解できていないコンテンツは、誰のためにもならないからだ。リサーチの手段として、実際の顧客へのインタビューや、顧客と対峙するセールス担当へのヒアリングも有効だ。

ネットの情報だけでなく、リアルな声や事例も集めていく。どんな記事を作るかを議論するまえに、誰のどんなニーズに応えるのか、どんな課題の解決に導くのかを定義し、そのうえで、期待を超えるコンテンツとはなにか、を議論していく。

別のアプローチとして、ターゲット自身に記事を書いてもらうパターンもある。ターゲット自身が、「自分の欲しいもの、自分の求めるもの」を理解できていれば、有益なコンテンツも作りやすい。オウンドメディアで扱うテーマが定まっていれば、そのテーマに精通したブログのライターや、その業界に身をおいた業界人のアサインも検討する。

ターゲットの理解を突き詰めることができれば、SEOに必要なスキルも後から備わってくる。