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HR大手、オーガニック施策で成果に苦戦

CV特化のオウンドメディアに方針転換、1年で10倍のリード獲得を実現

仮:本ケーススタディは、実際にあった事例をもとに組み立てられていますが、匿名性、NDA上の問題により、こちら側が提供した内容、かつ詳細データを掲載しないことを前提にし、意図がずれないように変更されております。また、数値データなどは、誇張がないよう低く掲載されていますので、実際のデータとは異なることがあります。

背景

HR業界の大手企業は、これまで広告やイベントを通じてリードジェネレーション施策を行っていたが、コロナ禍の影響で従来の手法が通用しなくなり、新たなチャネルの開拓が急務となった。この状況を打開するため、未着手だったオーガニック施策への注力を決定。法人向けオウンドメディアの立ち上げとなった。オウンドメディアは当初、HR領域に関するキーワードの獲得に注力し、検索流入を増やすことを目的に記事制作を推進していた。ページビューは徐々に伸びつつあったが、本来の目標であるリード獲得には結びつかない状況が続いた。キーワードの獲得状況やサイト行動などのデータ分析を進めていくと、PV重視のキーワード選定であったり、コンバージョンが加味されず記事が作りっぱなしになっているなど、リード獲得における課題が浮き彫りになった。こうした状況を受け、オーガニック獲得におけるオウンドメディア運用を根本から見直す必要があると判断。リード獲得に即した戦略の再構築と、運用に欠かせないコンテンツ制作チームを刷新し、オーガニック獲得強化に向けたプロジェクトがスタートした。

補足要件

  • 取り扱う商材が複数あるため、会社全体の方針にあわせて優先順位も変動
  • すでに他施策が一定機能していたため、リード獲得以降の受注プロセスおよび体制は確立していた
  • これら要件を加味し、オーガニックからのリード獲得強化施策を組み立てる必要があった

具体的なプロセス

STEP 1

ターゲット商材を絞り、CV獲得に必要なキーワードを選定

PV重視だったオウンドメディア運用をリード獲得に向けて再始動すべく、まずは対策すべきキーワードの選定から着手した。取り扱う商材は数十と多岐にわたり、サービスが異なれば当然ターゲット企業も異なる。やみくもにキーワードを洗い出してもキリがないため、まずは「リード獲得の優先度が高い商材・サービス」を絞り込んだ。事業インパクトや、オーガニック検索市場のボリュームや施策との相性などの観点で、今回リード獲得に注力する商材を3つに定めた。これにより、対象となるターゲットが定まり、つまり、どのようなキーワードを狙うべきかの検討がしやすくなる。具体的には、商材ごとにターゲットの購買行動プロセス、いわゆるカスタマージャーニーの整理から着手し、リード獲得に欠かせない重要キーワードを洗い出していく。「PV重視」のキーワード選定とはアプローチが全く異なるため、対策すべきキーワードが新たに発見でき、同時にコンテンツ制作チームの動き方が明確に定まった。

詳細アイデア
ターゲットの検索ジャーニーから、重要キーワードを導く
検索行動プロセスのヒアリングを、キーワード選定に活かす
対策キーワードは、たとえ1ヶ月以上かかっても先に選定しきる
STEP 2

ユーザーのための記事に徹底的にこだわり、量産

コンテンツSEOにおいて、「ユーザーにとって有益なコンテンツを提供すること」が重要な要件だ。対策キーワードが明確に定まったからこそ、キーワード獲得に必要な記事を徹底的に作り込むための体制づくりから取り掛かった。記事制作においては、徹底的なユーザーニーズ調査から記事の作り込みまで、企画設計や執筆を行う専門の制作チームと、それら記事を業界や商材など専門的な視点から監修を行う品質チェックチームとに分け、それぞれが自身の役割に徹した。最初は1本の公開に時間はかかったが、おのおのが学習と効率化を繰り返した。高品質な記事のアウトプットは大前提としながら、徐々に月の制作本数も増え、立ち上げ数ヶ月で、コンテンツSEOの運用体制が確立された。

詳細アイデア
記事制作の質とスピードを加速させる、3つの「責任の分け方」
SEO記事は、書き手のスキル以上に「ターゲット理解」を重視
コンテンツ制作は公開からが本番。ユーザー評価をもとに改善を重ねる
STEP 3

ニーズにあわせ、コンバージョン導線を最適化

立ち上げ当初のオウンドメディアは、どの記事にも「お問い合わせ」のCTAが設置されていたが、お問い合わせはほぼ発生していなかった。これは、検索エンジンから訪問するユーザーのニーズやモチベーションに、訴求内容がマッチしていないためだ。ニーズやモチベーションは、どのようなキーワード検索で訪れたかで異なる。ユーザーの行動変容を促すためには、そのニーズやモチベーションにあわせた適切な訴求を、適切なタイミングで行うことが欠かせない。そこで、記事それぞれに対し、コンバージョンポイントとなるコンテンツと、そのコンテンツに誘導するためのCTAパターンを精査。「お問い合わせ」に限らず、「お役立ち資料」や「調査レポート」のダウンロードなども用意し、ダウンロードフォームの改修にも着手。記事訪問からフォーム完了まで、一連のコミュニケーションとしてつながるよう導線設計を行い、CTAのクリックやCVの発生状況を見ながら、地道なチューニングを繰り返した。

詳細アイデア
CTAで重視したいのは、内容そのものよりも「だれに訴求するか」
CVRをあげるには、「線」で捉えたコミュニケーションが大切
「パターン設置」から進める、CTAの段階的な改修

結果または成果

方針転換から1年で、リード獲得は10倍に拡張。リード獲得の「第2の柱」へ

PV重視だったオウンドメディアを、CV重視の方針に転換し、リード獲得は大きく伸長した。半期で約100件程度だったリード件数は、立ち上げ1年で約1,000件と、10倍に拡張した。当初は、「ページビューが伸びてきたオウンドメディアを、どう伸ばすか?」という議論がなされていたが、そもそもリード獲得につながる集客ができていなかった。そこで、ターゲット商材を定め、キーワードを定め、そのためのコンテンツ運用という順序に大きくシフト。成果から逆算した設計・運用に転換したことが、今回の成果を生む要因となった。オーガニック獲得強化は、社内でも前例がない取り組みではあったが、初年度のリード獲得目標を早期に達成したことで、リード獲得に重要なチャネルであると社内の認識が高まった。広告に次ぐ、リード獲得の「第2の柱」として認識され、プロジェクトメンバーの増員も決まり、さらなる目標達成に向けた次年度への取り組みが決定した。

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企業

株式会社KAAAN

純広告・記事広告 , コンテンツマーケティング , マーケティング戦略

プロセスでなく、成果を、事業成長を提供

KAAANは、漠然とした企業、事業の業績やマーケティングの課題に対して、現状を把握し、診断し、今、やるべきことを明確化。ゴールに向けて伴走し、業績向上・成果最大化を請負うマーケティングエージェンシーです。

著者

田島 光太郎

Media Planner / Consultant

1990年、大阪生まれ。新卒入社した企業にてコンテンツSEOを軸としたメディアのグロース、マネタイズ運用を経て、2018年5月より株式会社MOLTSへ参画。2023年9月にKAAAN(旧KOEDO)を設立し代表取締役に就任。現在はオウンドメディア・コンテンツマーケティングを用いたプロジェクトの立ち上げ・戦略設計、インハウス運用支援、運用代行を行う。