CTAは、単なるリンクやボタンを指すのではなく、ユーザーに具体的なアクションを促す「きっかけ」として機能するものだ。しかし、その「ユーザー」も、促したい「アクション」も目的により多種多様で、一律に「こうすればよい」というCTAの正解はない。ゆえに、ユーザーが訪れるページごとに最適なCTAを設計することは難易度が高く、ひとまずすべてのページで一律に同じCTAを配置しておく、というケースも少なくない。それ自体が問題ではないが、その後の検証や改善が行われていないケースも散見される。このような状態で、いくら集客をがんばっても、サイト全体のCVRは頭打ちになってしまう。CTA最適化を、効率的かつ効果的に進めるための、なんらかの工夫が必要である。
いきなり個別最適化を目指すと、労力が大きくかかり、成果を得るまでに時間を要してしまう。まず、対策すべきページを任意のグループに大別し、そのグループ単位で対応を進める。コンテンツSEO施策を想定すると、任意のグループはキーワードでグルーピングすることができる。たとえば「比較検討」「興味関心」「課題認知」といった態度ごとにキーワードを分けた記事グループが考えられる。複数商材を扱う場合は、さらに商材ごとにグルーピングする。このグループが仮に3パターンできれば、CTAパターンも3パターン用意する。前述の例では、サービスの検討段階にいるユーザーか、自身の課題解決策を探すユーザーとでは、当然求める情報も異なるため、それぞれにあわせた訴求を用意する。CTAのクリックデータも測れるようにすることで、グループごとにクリック状況の良し悪しを判断できる。そこからパフォーマンスの高いページにアタリをつけ、個別最適を進めていくと、CTAの勝ちパターンを探りやすい。このように、いきなり部分最適を目指さず、大きなカテゴライズで大まかに問題を見つけ、そこから細部の改修に進めていくことで、効率的な改修ができる。結果、訪問ユーザーにあわせたCTA最適が進み、メディア全体のパフォーマンスの向上につながっていく。