キーワード設計に十分な時間を割かず、すぐにコンテンツ作成を始めてしまうことで、コンテンツSEO施策がうまくいかないケースがある。単に検索ボリュームの多いキーワードや競合が使用しているキーワードを参考にするだけでは、施策の成果は得づらい。また、記事制作のたびにキーワードを探し、選定するスタイルは効率が非常に悪い。本来注力すべきコンテンツの作り込みにリソースを集中できていないからだ。一貫性のないコンテンツ制作や中途半端なコンテンツは、かえって負の資産となり、SEO施策全体のパフォーマンスを下げかねない。コンテンツSEOは短期的な成果を求める施策ではなく、長期的に効果を積み上げていく性質がある。どのキーワードに時間と労力を投入するか、制作の迷いを生じさせないためにも、あらかじめキーワードを定めておく。
対策キーワードは、たとえば「今期かけて対策すべきキーワード」といった具合に、初期段階であらかじめすべてのキーワードを選定してしまう。コンテンツSEOにおいて、対策キーワードを決めるということは、リソースの投入先を定めることと同義であり、得られる成果もキーワード選定に大きく影響される。つまり、プロジェクトで目指すゴールに応じて対策キーワードは決まるべきであり、対策キーワードを定めるからこそ、運用計画が見えてくる。1年の行動が決まるということは、裏を返せば、キーワード設計はそれ相応の労力と時間がかかる。ターゲットの購買行動プロセスごとに検索行動を整理したり、各フェーズごとで想定されるキーワードの洗い出しや、次のフェーズに態度変容させるためのコミュニケーションの設計も考慮しながら、キーワード選定を進めていくためだ。そのためにも、顧客のニーズや課題、自社の商材特性を深く理解することが鍵となる。単純にツールで洗い出した検索量の多いキーワードや、競合他社を模倣するキーワード選定では不十分である。