広告運用の初期フェーズを、失敗で終わらせない判断基準の作り方

東山 博行

東山 博行

Marketing Director / Consultant

想定場面や課題

新サービスを立ち上げたばかりなど、はじめて広告運用を開始するとき、広告を複数の媒体で一気に配信し、早く成果を出そうとする。しかし、新サービス立ち上げ直後のフェーズでは、判断基準がCPAや獲得数で判断するケースが多く、多角的な視点での評価ができない。

通常、広告の成果を判断するには、KPIに対して複数の数値をもちいて総合的に判断するが、この段階では、LTVや継続率などのデータがなく、判断の軸はCPAに限られることが多い。そのため、成果が出ていないキャンペーンが混じっていても、正確にその広告が効果があるのかを判断するのは難しい。

判断材料が少ないために、CPAが高くても停止すべきか迷い、決断が後回しになることもある。特に初期フェーズでは、「この広告が本当に悪いのか」を確かめる材料が少なく、効果の薄い広告にコストをかけ続けてしまうリスクが高い。

このように、気づかないうちに、成果が落ちる・コストが増えるという状況に陥ることもある。

解決策

こういった課題を防ぐには、CPAの見方を細かく分け、判断基準を事前にルール化しておくことが効果的。まず、媒体ごとにまとめて評価するのではなく、同じ媒体内でもキャンペーンやターゲティング別にCPAを分解する。

たとえば、「20代男性」と「30代女性」では同じ媒体でもCPAが大きく異なることがある。

この粒度で確認することで、効果の高い部分だけを残して運用を続けられる。次に、「どの状態になったら広告を止めるか」という基準を決めておく。たとえば、

・3日連続で目標CPAの1.5倍を超えたら一時停止

・クリックが1,000回あっても1件もCVがない場合は停止

など、明確な数値ルールを持っておくことで、主観に頼らずに判断できるようになる。また、チーム内では「広告を止めること=失敗」ではなく、「学びのための判断」として共有しておくことも大切だ。停止したキャンペーンを少し切り口を変えて再チャレンジし、成果が出ることもある。

CPAしか判断材料がない時期だからこそ、CPAの見方を細かく分け、判断基準を事前にルール化しておくことによって納得感のある意思決定ができるようになる。結果として、広告のムダを減らし、運用の質を高めるための土台が整えられる。

著者

東山 博行

東山 博行

Marketing Director / Consultant

業界歴15年以上。アフィリエイト、リスティング、ディスプレイ、SNS広告など幅広い運用型広告を担当。数十万〜数千万円規模の広告運用とCTR・CVR改善、インハウス化で自走型体制の構築を支援。

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