非エンジニア組織の私たちが、Claude Codeに一本化する理由

田島 光太郎
Marketing Planner / Consultant田島 光太郎

私が所属するチームは10人前後のマーケター集団です。エンジニアは一人もいません。

昨年の4月頃からコアメンバーでAI活用を始めて、9月頃にはチーム全体に広げました。自発的に使い始めたメンバーが情報をシェアし、まだ手をつけていなかったメンバーのリテラシーを引き上げにいく。そんなやり方で進めてきました。

メインで使っていたのはCursorです。「毎月、一人1つツールを作って発表する」を繰り返しました。レビュー系、分析系、戦略系、コンテンツ生成系。AチームとBチームに分かれて、作って、発表して。

このツール開発、主な目的はツールそのものを作ることではありませんでした。AIのリテラシーを高めること、日常業務をAIでどう最大化させるのかのベースを身につけること。それがメインの狙いです。サブとして、せっかく作ったならシェアして、みんなの業務にも取り込めるようにしようとしました。

非エンジニアのマーケターがバイブコーディングでパッとツールを形にできるようになったのは、率直に良かったと思っています。AIでものを作る感覚、プロンプトで業務を設計する感覚を、チーム全体で体感できたことには意味がありました。

チームでAIを活用するには、リテラシーの集中が要る

ただ、ここから先に進もうとしたときに、気づいたことがあります。

非エンジニアの組織でAIのチーム活用を突き詰めていくと、結局、リテラシーの問題に行き着くんです。

個人で使うぶんには、好きなツールを好きなように使えばいい。でもチーム全体で成果を出そうとすると、「全員が共通の理解とスキルを持っている」ことが前提になります。

実際に起きたことを一つ挙げると、毎月たくさんのツールを作ったけれど、自分が作ったものは使うのに、他の人が作ったツールはなかなか使おうとしない。チームの中からも「使われるシステムじゃないと、開発の意味がない」という声が出てきました。

象徴的だったのが、各人がそれぞれログイン画面を作ってしまったことです。ツールを作ると、認証が要る、ログイン画面が要る、デプロイ先が要る。非エンジニアがバイブコーディングでそこまで作れること自体はすごいんですが、立ち上げるのがしんどいんですよね。URLを探して、ログインして、操作を思い出して。使うまでの工数が多すぎる。

これは作り手の問題ではなくて、環境の問題です。ツールがVercel、GitHub、Cursorの各所に散らばっていて、UIも操作もバラバラ。非エンジニアにとっては、一つひとつ探して立ち上げて使い方を思い出す、というだけでハードルになります。

つまり、ツールを増やすよりも先に、チーム全体のAIリテラシーを集中して鍛えるための「土台」が必要だったんです。

実験的に、Claude Codeへ一本化してみる

そこで、一度ゴリッと環境を変えてみることにしました。Claude Codeにすべてを一本化する。非エンジニア、マーケターのチーム全員で。

あくまで実験的にです。一旦変えてみて、どうなるのかを理解する。そのうえで判断していく。

ただ、確信に近いものはあります。去年の3月頃からいろいろなAIツールが出てきて片っ端から試してきた中で、私が一番革命的だと感じたのはClaude Codeでした。業務によっては5分の1、10分の1の速度になる。そういう手応えがあります。

一本化を決めた理由は3つあります。

理由①:一つに絞って、集中して鍛える

私たちはクライアントワークが主業務です。成果を出すことが第一にあるので、学習に割ける時間はそれほど多くありません。

その中で、あれもこれも使ってトライするのは相当ハードルが高い。新しいツールが出るたびに少しずつ触って、でもどれも中途半端なまま次が出てきて。その繰り返しになりかねません。

だったら、1つのツールに絞って、とことん使い倒したほうがいい。全員が同じツールを使えば、情報のシェアも進みます。「これどうやるの」と聞いたら、すぐに答えが返ってくる環境を作れる。チーム全体で知見を持ち寄って、一緒にリテラシーを高めていける。

PowerPointで素晴らしいデザインを作れる人は、Keynoteに移っても学べばできるようになります。それと同じで、まず一つのツールでAIを活用するベースを徹底的に鍛えておけば、その力は他のツールにも転用できると考えています。大事なのは、どのツールを使うかよりも、AIで業務を設計する力そのものを身につけることです。

実際に切り替えを決めたとき、チームメンバーにはこう伝えました。「今日と明日、通常業務を止めていい。全部止めていい環境を作るから、Claude Codeを触ることに集中してくれ」と。2日間、丸々使って学ぶ。そのくらい振り切って、一点集中で鍛えたほうがいいと判断しました。

Claude Codeの構成はシンプルです。claude.mdという設計書があって、コンテキストを呼び出して、ルールで制限をかける。スキルで機能を呼び出して使う。この構造さえ理解すれば、非エンジニアでも自分の業務に合わせた環境を構築できます。

覚えることが少ないぶん、深く使うことに集中できる。これが非エンジニア組織にとっては大きいと感じています。

理由②:UIを一つにまとめる

チーム全体で使う以上、UIが一つにまとまっていることは想像以上に重要でした。

先ほど触れたとおり、ツールがバラバラの場所にあって、UIも操作もまちまちだと、非エンジニアはそれだけで使わなくなります。これは意志の問題ではなく、構造の問題です。

Claude Codeなら、すべてが一つのインターフェースに集約されます。スラッシュコマンドで呼び出せば、即座にツールが立ち上がる。「/」と打つだけで一覧が出てくる。URLを探す必要もない、ログインもない、立ち上げもない。探す手間がゼロになります。

作る側にとっても変わります。「側(がわ)」を作らなくていい。見た目を作らなくていい、デプロイ先を考えなくていい、認証を作らなくていい。ツールの中身、つまりロジックだけに集中できるようになる。機能だけをSkillsとして定義すれば、それがそのまま全員に使える状態になります。

非エンジニアの私たちは作りたがりなので、つい側まで含めて作りまくっていました。でも本当に必要なのは、中身のロジックをチーム全体で共有できることのほうだったと気づきました。

理由③:自分たちの業務に最適化された仕組みを作れる

最後が、Claude Codeの拡張性です。

私たちの主業務はマーケティングの支援です。成果が求められ、人を対象とするコミュニケーションを考える仕事なので、非定型業務が大半を占めます。

世の中に汎用的なAIツールやテンプレートは大量にありますが、使うかって言ったら使いません。マーケティングの仕事は非定型業務の塊だからです。汎用的なものを持ってきてもそのままでは業務にフィットしない。

私たちがクライアントに成果を出すために必要なのは、自分たちの業務フロー、自分たちのデータ、自分たちの判断基準に最適化されたものです。

Claude Codeには、その最適化を実現するための仕組みがいくつも用意されています。定型ワークフローをスラッシュコマンドで呼び出せるSkills。複雑なタスクを専門エージェントに委任するSubagent。複数のエージェントを同時に動かして協調させるAgent Team。どんなプロンプトを書き、どんなコンテキストを渡し、どんなデータを参照させるのかを設計することで、自分たちの業務に合った仕組みを組み上げていける。

すでにチーム内では、業務の一部をSkillsとして定義し始めているメンバーがいます。一度作れば、チーム全員が同じ品質で業務を回せるようになる。複数の工程を並列で処理したいときはAgent Teamで同時に走らせる。やりたいことに応じて、組み方を変えられる柔軟さがある。

ここで重要なのが、これらの仕組みの「作り方のルール」をチームで共有することです。どういうコンテキストを持たせるか、どういう制限をかけるか、どういうデータを参照させるか。その設計思想が統一されていれば、誰が作ったものでも全員が迷わず使えます。

これは、ツールごとに作り方も使い方もバラバラだった時代には、できなかったことです。

まずはベースを鍛える

Claude Codeに一本化するという話は、ツール選定の話に見えるかもしれません。でも私たちにとっては、チーム全体のAIリテラシーをどう鍛えるかの話です。

個人がそれぞれ好きなツールで速くなるのと、チーム全員が同じ環境で共通言語を持って動けるのとでは、プロジェクト全体のスピードがまるで違います。全員が同じツールを使い、同じルールで動き、同じSkillsを共有している。その状態を作りたい。

まだ実験を始めたばかりなので、これからどうなるかはわかりません。ただ、一つのツールでAIを活用するベースをとことん鍛えておけば、その先の発展はいくらでもできると思っています。

まずは集中して、みんなで知見を持ち寄って、ベースを作る。そこからです。

この記事は、社内の知見や実績データを活用し、ユーザーにとって利便性の高いコンテンツを生み出すよう設計されたAIを活用して制作し、マーケターがレビュー・監修した後に公開しています。KAAANは、AIと人の共創によって高品質なコンテンツを効率的に制作しています。

カテゴリ

コラム

タグ

AI

記事をシェア

著者

田島 光太郎

田島 光太郎

Marketing Planner / Consultant

業界歴10年以上。2023年株式会社KAAAN設立。BtoBマーケティング、オウンドメディア、コンテンツマーケティングを領域を得意とし、コンサルタント・PMとして戦略設計、インハウス化・グロース支援を行う。

詳細を見る

ご相談・お問い合わせ

KAAANへのご相談やお問い合わせを承ります。事業成長を実現するための最適な解決策をご提案いたします。

相談する

会社案内資料

KAAANの会社案内をダウンロードいただけます。サイトグロースで事業成長を実現する支援内容をご紹介します。

ダウンロードする

マーケティングエージェンシー

KAAAN
プライバシーポリシー

© KAAAN inc. All rights reserved.