小売系ECサービスが直面した、後発参入の壁 段階的アプローチと差別化戦略で、売上目標363%を達成
著者: 株式会社KAAAN 東山 博行
小売系ECサービスが直面した、後発参入の壁
本ケーススタディスタディは、実際にあった事例をもとに組み立てられていますが、匿名性、NDA上の問題により、こちら側が提供した内容、かつ詳細データを掲載しないことを前提にし、意図がずれないように変更されております。また、数値データなどは、誇張がないよう低く掲載されていますので、実際のデータとは異なることがあります。
流通関連企業が展開するECサービスは、自社で展開するリアルチャネルのブランドやオリジナル商品を中心に取り扱い、既存顧客層を主な対象として売上目標を設定していた。一方で、同カテゴリには既に複数の大手プレイヤーや他業態の先行サービスが存在しており、後発ゆえのポジショニングの難しさに直面していた。加えて、購入単価や取引頻度といった重要指標の設計が不十分で、事業としてのKPIも明確に定義されていなかった。また、自社の持つブランド特性を十分に活かした価値訴求ができておらず、競合との差別化に課題を抱えていた。サービス開始間もない段階で実績も限定的だったため、中長期視点での戦略設計に必要な前提条件も整っていなかった。こうした状況を踏まえ、プロジェクトでは3段階のフェーズに分けて施策を展開し、売上目標の達成とサービス基盤の強化を図る方針がとられた。
売上目標363%を達成、後発参入の課題を克服
段階的なアプローチにより、当初掲げていた売上目標363%を達成。大手ファッションECや百貨店のオンライン展開が先行する厳しい競合環境の中、後発参入という不利な状況でも成果を得られた。また、ブランドの独自性を活かした差別化戦略により、独自の市場ポジションを確立することができた。さらに、プロジェクト開始時には曖昧だったKPI設定を明確化し、効果測定の基盤を構築。これにより、継続的な改善と最適化が可能な体制を確立した。このプロジェクトの成功要因は、後発参入という課題を正面から受け止め、段階的なアプローチで着実に成果を積み重ねたことにある。競合との差別化を重視し、ブランドの独自性を最大限に活用した戦略設計が功を奏した。新規サービスの立ち上げにおいて、明確なKPI設定と差別化戦略の重要性を再認識する機会となった。
企業
株式会社KAAAN
純広告・記事広告 , コンテンツマーケティング , マーケティング戦略
プロセスでなく、成果を、事業成長を提供
KAAANは、漠然とした企業、事業の業績やマーケティングの課題に対して、現状を把握し、診断し、今、やるべきことを明確化。ゴールに向けて伴走し、業績向上・成果最大化を請負うマーケティングエージェンシーです。
著者
東山 博行
Marketing Director / Consultant
1986年生まれ。広告代理店で金融比較サイトメディアのディレクション・運用、金融クライアント中心に営業・運用担当者としてアフィリエイトからディスプレイ領域までWEBプロモーション全体の改善に貢献。2019年4月にMOLTSに参画、2023年9月にKAAAN(旧KOEDO)を設立し取締役に就任。リスティング、ディスプレイ、SNS広告の運用・コンサルティングを中心にマーケティングを支援する。