後発ECサイトで、オリジナル商品の独自性を追求し、成果につなげる方法

著者: 株式会社KAAAN 東山 博行

想定場面や課題

ファッションやライフスタイル分野のEC市場では、大手企業による先行参入が進み、後発の新規サービスは差別化が困難な状況に置かれている。特に、百貨店やブランドを母体としたECサイトにおいては、既存顧客の期待値に応える商品構成と、デジタル上での独自価値の訴求が課題となる。 ある百貨店系企業が2019年に立ち上げたオンラインストアも、同様の環境下にあった。サービス開始当初から競合となるファッションECや百貨店系オンラインモールが存在し、単なる品揃えや価格では埋もれてしまうリスクが高かった。 この企業は、ブランド自体の認知度はあったが、それをオンライン上の顧客体験にどう展開するかが不明確で、立ち上げ直後の売上・ユーザー定着に課題を抱えていた。

解決策

この施策では、独自開発のオリジナル商品に注力し、百貨店ならではのこだわりや世界観が伝わる見せ方へと切り替えた。 まず取り組んだのは、売上を上げるための基本指標の設定。たとえば「1人あたりの平均購入額」や「CV数」といった数字をもとに、目指すべき成果を明確にした。そのうえで、百貨店としてどんな価値を商品に込めるかを整理し、自社で企画・開発するオリジナル商品のラインナップを作成。 次に、そのオリジナル商品をどんな人に届けるべきかを再考。商品特性を参考にして、興味を持ちやすい層にターゲットを絞った。そして、「この商品には百貨店のブランドらしさがある」と伝えることを意識しながら、SNSのターゲティングとクリエイティブなどの配信内容も見直していった。 最後は、売れ行きを見ながら、投資すべき商品のラインナップを調整。売上への貢献度や、顧客1人あたりの購入額の変化を確認しながら、人気の商品を中心とした構成にした。 この取り組みで、商品そのものの魅力をどう伝えるかに加え、「誰に・どう届けるか」を具体的に設計することが、ブランドの持つ価値を広告や販売戦略に落とし込むうえで有効に働いた事例の一つだ。 特に、オリジナル商品を扱う場合には、商品の開発方針だけでなく、それをどう訴求し、どんな顧客に届けるのかという設計の一貫性が、運用後の成果につながりやすいと感じた。 同じような状況にあるブランドや後発ECであれば、プロダクト戦略と広告コミュニケーションを並行して設計することが、選ばれる理由をつくるうえで、一つのヒントになるだろう。
タグ: 広告改善

後発ECサイトで、オリジナル商品の独自性を追求し、成果につなげる方法

アドバイス
施策

想定場面や課題

ファッションやライフスタイル分野のEC市場では、大手企業による先行参入が進み、後発の新規サービスは差別化が困難な状況に置かれている。特に、百貨店やブランドを母体としたECサイトにおいては、既存顧客の期待値に応える商品構成と、デジタル上での独自価値の訴求が課題となる。ある百貨店系企業が2019年に立ち上げたオンラインストアも、同様の環境下にあった。サービス開始当初から競合となるファッションECや百貨店系オンラインモールが存在し、単なる品揃えや価格では埋もれてしまうリスクが高かった。この企業は、ブランド自体の認知度はあったが、それをオンライン上の顧客体験にどう展開するかが不明確で、立ち上げ直後の売上・ユーザー定着に課題を抱えていた。

解決策

この施策では、独自開発のオリジナル商品に注力し、百貨店ならではのこだわりや世界観が伝わる見せ方へと切り替えた。まず取り組んだのは、売上を上げるための基本指標の設定。たとえば「1人あたりの平均購入額」や「CV数」といった数字をもとに、目指すべき成果を明確にした。そのうえで、百貨店としてどんな価値を商品に込めるかを整理し、自社で企画・開発するオリジナル商品のラインナップを作成。次に、そのオリジナル商品をどんな人に届けるべきかを再考。商品特性を参考にして、興味を持ちやすい層にターゲットを絞った。そして、「この商品には百貨店のブランドらしさがある」と伝えることを意識しながら、SNSのターゲティングとクリエイティブなどの配信内容も見直していった。最後は、売れ行きを見ながら、投資すべき商品のラインナップを調整。売上への貢献度や、顧客1人あたりの購入額の変化を確認しながら、人気の商品を中心とした構成にした。この取り組みで、商品そのものの魅力をどう伝えるかに加え、「誰に・どう届けるか」を具体的に設計することが、ブランドの持つ価値を広告や販売戦略に落とし込むうえで有効に働いた事例の一つだ。特に、オリジナル商品を扱う場合には、商品の開発方針だけでなく、それをどう訴求し、どんな顧客に届けるのかという設計の一貫性が、運用後の成果につながりやすいと感じた。同じような状況にあるブランドや後発ECであれば、プロダクト戦略と広告コミュニケーションを並行して設計することが、選ばれる理由をつくるうえで、一つのヒントになるだろう。

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