ロボットメーカーのtoC戦略が響かずtoB展開も足踏み状態
本ケーススタディスタディは、実際にあった事例をもとに組み立てられていますが、匿名性、NDA上の問題により、こちら側が提供した内容、かつ詳細データを掲載しないことを前提にし、意図がずれないように変更されております。また、数値データなどは、誇張がないよう低く掲載されていますので、実際のデータとは異なることがあります。
自律移動ロボットの開発・製造・販売を行う企業では、製品ローンチ直後から広告展開に課題を抱えていた。当初は家庭向けのtoCをターゲットにした戦略を展開していたが、本体価格10〜35万円に加え、月額サブスクリプションが必要な価格設計が、消費者にとって大きな障壁となっていた。さらに、製品の利用イメージも伝わりにくく、購入検討に至る顧客は限定的だった。販促強化策としてポップアップ展示やYouTube広告などを実施したものの、製品認知や販売数の大幅な向上にはつながらず、厳しい状況が続いた。そんな中、toBへの活路も模索し始めており、飲食店での配膳活用の訴求も試みたが、業界特有のニーズに適応しきれず、大きな成果は出せなかった。その後、テレビ番組で製品が取り上げられたことで、福祉施設向けなど業務用途での可能性に注目が集まった。これを契機に法人市場への本格参入を決定。業務効率化や人手不足解消といった法人課題に応える価値訴求へと戦略を転換し、新たなマーケティングプロジェクトが始動した。
ToB主軸への転換でリード獲得数30件超、戦略的運用体制を構築
法人向けマーケティングへの転換により、成果は複数の面で得られた。まず、月数件だった問い合わせ数は、月30件超にまで増加。広告戦略の見直し、導入ハードルの低減、業界ニーズとの整合性が、問い合わせ数の向上につながった。営業部門では明確なターゲットとニーズに基づく戦略設計が可能となり、営業体制の強化につながった。最終的には、インハウスによる小規模運用体制へ移行しつつ、さらなる市場拡張に向けた基盤を構築。製品の市場浸透とブランド価値向上に寄与し、今後の成長に向けた足掛かりを得る結果となった。
企業
株式会社KAAAN
純広告・記事広告 , コンテンツマーケティング , マーケティング戦略
プロセスでなく、成果を、事業成長を提供
KAAANは、漠然とした企業、事業の業績やマーケティングの課題に対して、現状を把握し、診断し、今、やるべきことを明確化。ゴールに向けて伴走し、業績向上・成果最大化を請負うマーケティングエージェンシーです。
著者
東山 博行
Marketing Director / Consultant
1986年生まれ。広告代理店で金融比較サイトメディアのディレクション・運用、金融クライアント中心に営業・運用担当者としてアフィリエイトからディスプレイ領域までWEBプロモーション全体の改善に貢献。2019年4月にMOLTSに参画、2023年9月にKAAAN(旧KOEDO)を設立し取締役に就任。リスティング、ディスプレイ、SNS広告の運用・コンサルティングを中心にマーケティングを支援する。