レッドオーシャンの教育事業に、コロナが直撃
ビジネスアイデアをもとに全体を設計し、初月から順調収益化へ
寺倉 大史
Director
背景
教育事業を展開している企業の受講生が、新型コロナウイルス流行が原因で激減。オンライン市場に振り切り展開し、業績を立て直すことはできたが、レッドウォーシャンで苦戦することも多く、次の展開を踏まえて新しい事業を立ち上げることが必要となった。
ターゲットのヒアリングからニーズを洗い出し、幾つものビジネス案を検討した結果、事業化できそうなオンライン展開のビジネスアイデアが明確になる。しかしながら、そのアイデアを適切に市場に届けられるか不安があった。
また、コロナの影響もあり、短期で黒字化できる必要性があったため、早期黒字化を要件としながら新規ビジネスアイデアを形にするプロジェクトを、専門の外部パートナーを交えて立ち上げることとなった。
補足要件
- いくつか事業がすでにあり、クロスセルを含めて検討したい
- レッドウォーシャンで広告費が高騰しており、その枠組みとは別で勝負がしたい
- サービスローンチまでの計画は4〜5ヶ月間、それまでにアイデアを形にし、リリースまで展開したい
具体的なプロセス
STEP
1
レッドウォーシャンに攻めることにし、ポジショニングを明確化
短期黒字化を目指すためには、未知の市場を攻めず、需要がある市場にて差別化することでポジションを構築していくことが望ましいと判断し、アイデアをこれまでなかったサービスの見せ方に振り切らず、あえてレッドウォーシャンに被せることに。
その上で、改めてサービスアイデアや企業の特性、また他の事業との連動性を整理。その後、ターゲット像にマッチする方々にヒアリング。
また主要な競合他社を分析し、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を確定。
サービスアイデアが提供できるニーズと、ターゲットが求めるニーズを何度もすり合わせ、サービスのコアとなる提供価値を定義。
STEP
2
カスタマージャーニーをベースにサービス内容や訴求、施策を可視化
STPをもとにして、再度ヒアリングを重ねながらターゲットの状態を可視化し、カスタマージャーニーマップを構築。
どういう態度があり、どういった刺激によって態度変容が生じ、購買するのか、またクロスセルするのかの一連の流れを可視化。態度ごとに訴求軸や刺激、また全体を通して打ち出すタグライン / コピー、試作内容などを定義する。
また、ターゲットニーズに対して当初アイデアから設計されたサービス内容の一部を改善。
さらにターゲットに当てはまる知人数名に体験してもらい、時間がかかる顧客の購買判断するために必要なエビデンス(実績)、体験からくるフィードバックをもとにサービスを改善を実施。
STEP
3
コミュニケーション施策の準備からサイト制作等を3ヶ月弱で進行
サービスリリースまでの期間がタイトだったため、ステップ1と2で設計してきた事柄をベースに制作プロダクション、編集者、ライター、カメラマンのパートナーをはじめ、社内・社外で広告やコンテンツ、プロモーション等のコミュニケーション施策やデータ計測基盤の構築などを急ピッチで進行。
また、購買理由の中で体験者のBefore &Afterがもっとも重要だったため、事前トライアルで作成した実績コンテンツをコミュニケーション施策やサイトの最後のピースとして当てはめ、リリース。
結果または成果
新規や既存会員、退会者も含め契約発生し、初月より順調収益化
事前体験者の実績コンテンツのシェアや各種プロモーション、または運用型広告等からの契約がしっかりと発生。また、既存会員のクロスセル、退会した過去の会員の掘り起こしにも成功し、リリース初月から収益化を実現する結果となった。
また、リリースから数ヶ月の計測データにて、既存サービスとのクロスセルも発生しはじめ、新規事業だけでなく、既存事業の売上向上にも貢献する傾向が見られた。

