新規BtoBサービスの立ち上げ期では、指名検索のボリュームが少ないケースがある。特にデジタルマーケティング領域では、SEO戦略を立てる際に「どのキーワードから取り組むか」の判断が成果を左右する。検索ボリュームの大きさや競合の少なさに注目しがちだが、限られたリソースでリード獲得を目指す場合は、別の視点での戦略が必要だ。 たとえば、大手プラットフォームを活用したマーケティングサービスでは、顧客は段階的な検索行動を取る。新規開拓の課題認識から始まり、リーチ手段の検討、プラットフォーム比較、具体的な活用方法の情報収集へと進む。 この流れの中で、どの段階のキーワードを優先するかが、戦略の成否を分ける重要なポイントとなる。

効果的なキーワード戦略は、実際の顧客行動の分析から始める。まず検索ジャーニーを作成し、顧客の購買における検索行動を段階的に可視化する。このときに重要なのは、既存顧客への詳細なヒアリングだ。実際にどんな課題を抱え、どんな情報収集を経てサービス導入に至ったかを把握する。優先順位の決定では、CVからの距離をもっとも重要な指標とする。 「新規顧客開拓方法」のような課題認知段階のキーワードは潜在層向けと位置づける。一方、「プラットフォーム集客方法」や「デジタル広告効果」のような検討段階のキーワードをもっとも優先に設定する。 検索ボリュームが小さくても、CVに近いキーワードはリード獲得の可能性が高い。そのため、ボリュームに関係なく優先度を高く設定する。 さらに、検索ジャーニーに基づいてキーワードとボリュームパターンを洗い出す。これにより、顧客に近く、かつさまざまなキーワードを包括する規模のキーワードを発見できる。 このような包括的キーワードを重要キーワードと位置づけ、関連キーワードを体系的に整理する。キーワードツリー構造を構築することで、サイト全体で獲得すべき対策キーワードが網羅的に一覧化される。限られたリソースでも、効率的なSEO戦略の実行が可能となる。