広告配信では、自分たちの目的やゴールに応じて媒体と配信手法を選ぶことが重要だが、媒体の表面的な情報しか収集できず、自社のターゲットにあった媒体選定ができていなかったり、媒体担当者から自分たちが欲しい情報を具体的に引き出せないケースがでてくる。 また、収集した情報の活用の仕方がわからず、広告配信の設計に落とし込めていないケースも見られる。このような状態では、適切な媒体選定やプランニングが難しくなり、結果的に成果に繋がりにくくなる。 自分たちの目的やゴールに応じて媒体と配信手法を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておくと良い。
まず、自力で収集できる情報を徹底的に掘り下げる。媒体の公式サイトや資料には、広告運用に役立つ情報が多く含まれているが、情報量が多いため、目的を明確にしながら「何を知りたいのか」情報を整理することが肝心。例えば、FAQやリリース情報には、新しい広告フォーマットに関する情報や仕様変更が記載されていることが多い。これらを定期的にチェックすること。また、競合リサーチをする際は、Meta広告ライブラリのような広告媒体が公式に提供しているツールを活用して、他社がどの媒体でどのようなクリエイティブや配信方法を採用しているかを分析する。Meta広告ライブラリでは、競合他社の広告施策やトレンドを直接分析できる。他にも、ブラウザ上でブランド名やキーワード検索をすることで、競合の広告フォーマットや文言を分析できる。さらに、実例や今のトレンドをキャッチするためにSNSや専門メディアを活用する。X(旧Twitter)などでは、#広告運用や#マーケティングといったハッシュタグで情報を検索すると、実例や業界トレンドを効率的に収集できる。公式アカウントや業界で影響力のあるアカウントをフォローすることで、常に最新の情報を得られるようになる。これらの方法を実践しても、自力で情報を収集するには限度があるため、媒体担当者とのヒアリングを通じて、さらに詳細な情報を収集する。媒体担当者から必要な情報を引き出すためには、あらかじめ具体的な質問を準備しておくことが重要。ただなんとなく質問しても、媒体担当者も何を回答すれば良いか分からず、具体性に欠ける回答になってしまうことがある。そのため、「効果的な配信手法や事例を教えてほしい」「現在注目すべきフォーマットやターゲティングは何か」といった具体的かつオープンな質問を用意しておくと良い。また、自社の課題や目標を共有すると、媒体担当者も目的やゴールを意識して具体的かつ実践的な提案をしやすくなる。例えば、「リターゲティング以外で新規顧客層へのリーチを強化したい」といった具体的なゴールを伝えるなど。または、自分がたてた仮説について質問ををするのも良い。例えば、「このフォーマットでは30代後半のビジネス層にアプローチできると考えているが、類似事例はあるか」といった形で質問すると、担当者から具体的な事例やアドバイスを引き出しやすくなる。最後に、これまで紹介した方法を実践し、収集した情報を基に具体的な施策を設計し、仮説検証を繰り返すことが重要。仮説を立てて、素早く小規模で検証し、得られたデータを元に改善を繰り返し続ける。初めからうまくいくことはほとんどない。自力での情報収集と媒体担当者との効果的なコミュニケーションを組み合わせ、仮説検証を繰り返せば広告運用で成果を得やすくなる。