BtoBマッチングメディアでは、「課題を持つカスタマー(買い手)」と「サービスを提供するクライアント(売り手)」の両方を集めて、最適なマッチングをさせることが、重要になる。カスタマーは、自分の課題を解決するために検索を通じて情報を集め、解決策を提供してくれる企業と出会う。こうした検索行動を取り込むため、SEOを活用してカスタマーを呼び込むことは、メディアの成長に直結する重要な施策となる。ただし、SEOで成果を出すには、扱う業界や商材ごとにキーワードを選び、内容に合ったコンテンツを丁寧に作っていく必要がある。コンテンツをむやみに増やしても成果は出にくく、時間もかかる。そのため、より効率的にオーガニックトラフィック(検索流入)を増やす工夫が求められる。その工夫のひとつが、営業チームと連携してSEOを強化することだ。
BtoBマッチングメディアにおけるSEO強化では、「被リンクの獲得」が効果的な手段の一つになる。クライアント(掲載企業)は、自社のプロモーションの一環としてメディアに登録していることが多い。この関係性を活かして、営業活動と連動させながら、自然に被リンクを集める仕組みを作るとよい。たとえば、営業担当がクライアントに「掲載ページの作成とあわせて、クライアントのサイトからもメディアへのリンク設置をお願いしたい」と提案する。あくまで協力ベースで進めることで、過剰な依頼にはならず、自然な被リンクを積み上げることができる。検索エンジンからの評価も高くなりやすく、クライアント数が増えるほどリンクの数も増えるため、メディア全体のSEO効果も高まりやすい。また、検索からの流入が増えれば、カスタマーとの接点も増え、成約の実績も積み上がっていく。すると、「カスタマーが集まるメディア」として営業もしやすくなり、クライアント獲得のスピードも上がっていく。このように、SEOと営業活動が連携することで、検索流入と売上の両方が回り出す好循環が生まれる。BtoBマッチングメディアは、コンテンツを育てるだけでなく、営業との連携で加速できる。最初は地道な積み上げになるが、被リンクの設計とチーム間の連動によって、大きな成長を目指すことができる。