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医療向けマッチングサービス、アウトバウンド依存でリード獲得に苦戦

オウンドメディアで月100件超のリード創出、広告・営業コストゼロへ

仮:本ケーススタディは、実際にあった事例をもとに組み立てられていますが、匿名性、NDA上の問題により、こちら側が提供した内容、かつ詳細データを掲載しないことを前提にし、意図がずれないように変更されております。また、数値データなどは、誇張がないよう低く掲載されていますので、実際のデータとは異なることがあります。

背景

医療・介護施設向けソリューションのマッチングプラットフォームは、人手不足、業務効率化、サービス向上といった運営や開業時に直面する多様な課題のソリューションが見つけられる。医療・介護業界の特性に合わせた専門性を有し、利用者が自社のニーズに適したサービスやツールを比較できる点が特徴だ。新規事業として立ち上げられた当初は、主に広告出稿やアウトバウンド営業を活用し、リード獲得を行っていた。しかし、広告コストの上昇や営業チームの人的リソースの逼迫により、継続的なリード獲得が難しいという課題が生まれた。この状況を受け、長期的なリード獲得チャネルとして、オウンドメディアを用いたオーガニック検索の強化施策が決定。検索を起点にターゲットユーザーを集客し、リード獲得基盤の構築を目指すこととなった。社内には既にコンテンツの運用体制が整っていたため、リード獲得のプランニングから着手。広告や営業活動に依存しない、より効率的なリード獲得体制の構築プロジェクトがスタートした。

具体的なプロセス

STEP 1

リード獲得強化のプランニングとゴールを設定

プロジェクトの立ち上げ時は、ゴールとして何を達成させるか、そしてどのように達成を目指すかのプランニングが重要だ。チーム全体で共通認識を持つことが不可欠で、プロジェクトの成果を大きく左右する要素となる。対象となるプラットフォームサービスでは、事業者とサービス利用者のマッチングがマネタイズに欠かせない。そのため、「いかに、当サービスへのお問い合わせを増やすか」が重要で、「サービスサイトからのお問い合わせ」が成果指標と定め、事業へのインパクトを加味し、目標が設定された。次に「お問い合わせ」目標を達成させるために、まずは「お問い合わせ」に至るプロセスを分解し、達成すべき中間指標の洗い出しを行った。ここでは「お問い合わせフォームへの到達数」「集客コンテンツの訪問数」などといった指標を設定。これら指標を向上させるための必要なアクションを定め、運用計画や体制の策定を行った。達成すべき指標やその目標、そして達成に必要なプロセスやアプローチが可視化されたことで、プロジェクトメンバーの目線が揃い、運用への舵を切ることができた。

STEP 2

スモールスタートで成果を目指す、キーワード設計

成果指標などゴールを明確化し、次に、具体的な集客強化施策としてキーワード設計の実施に取り掛かった。サービスサイトからのお問い合わせを増やすべく、注力すべきキーワードは、ツール・サービスの検討段階で検索されるキーワードに明確に絞ることを意思決定。たとえ検索ボリュームが多いキーワードをやみくもに狙っても、成果に直結しないからだ。具体的なキーワードとしては、医療業界であれば「電子カルテ」、飲食・介護業界であれば「スチコン」など、それぞれの現場で用いられる製品やサービスとの掛け合わせキーワードがヒントになる。導入検討段階で検索されるであろうキーワードにしぼり、関連性をもったキーワード群を設計していく。本プラットフォームでは取り扱うサービスが数十種類と多岐にわたるため、初期段階ではもっとも重要な3つのサービスに狙いを定めた。早々に運用フェーズに移る意図もあるが、まずはこのプロジェクトにおける成功体験、目指すべき理想形をつくり、運用を加速させる狙いだ。これら設計を経て、対策すべきキーワードとその優先順位を定めた。また、対策キーワードが決まることで、制作チームの行動計画もクリアになった。あとはひたすら記事を制作し、磨き込むのみ。

STEP 3

ユーザーにあわせたCTAのチューニングを繰り返し、CVRを底上げ

キーワード設計に基づくコンテンツ制作が進む中で、順調に検索順位も上昇し、サイトへの訪問数も徐々に増加していった。ただ、目指すべきは「お問い合わせ」の達成であるため、検索上位を獲得した記事を対象に、CTA最適化を図った。具体的には、記事内CTAやUIそのものの設計と改修を徹底した。それぞれの記事に訪れるユーザーの状況や動機、ニーズにあわせ、CTAの配置や訴求内容、ときにはデザインそのものをチューニング。CTAのクリック率をデータ計測しながら、最適なコミュニケーションを探っていった。また、CTAクリックが一定数増えると、お問い合わせフォームでの離脱も課題として顕在化。フォーム項目の簡略化やUIの見直しなど、操作性向上といったEFO施策も行い、サイトのあらゆるポイントでCVR改善を図った。

結果または成果

立ち上げ1年でリードは月100件超へ。広告・営業コストゼロを実現

キーワード獲得だけでなくCVR改善も徹底した結果、立ち上げ半年で月数十件、1年後には月100件を超えるお問い合わせが生まれることとなった。それまでオーガニック検索からのお問い合わせはほとんど発生しておらず、社内にも大きなインパクトを与えることとなった。さらに、従来のリード獲得は広告やアウトバウンド営業に依存していたが、オウンドメディアの強化により広告費や営業リソースは大幅に低下。その後も広告費の削減や営業リソースの最適化が進み、最終的には広告・営業コストはゼロに。オウンドメディアの徹底強化で、結果的にリード獲得体制が大きくシフトすることとなった。

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企業

株式会社KAAAN

純広告・記事広告 , コンテンツマーケティング , マーケティング戦略

プロセスでなく、成果を、事業成長を提供

KAAANは、漠然とした企業、事業の業績やマーケティングの課題に対して、現状を把握し、診断し、今、やるべきことを明確化。ゴールに向けて伴走し、業績向上・成果最大化を請負うマーケティングエージェンシーです。

著者

田島 光太郎

Media Planner / Consultant

1990年、大阪生まれ。新卒入社した企業にてコンテンツSEOを軸としたメディアのグロース、マネタイズ運用を経て、2018年5月より株式会社MOLTSへ参画。2023年9月にKAAAN(旧KOEDO)を設立し代表取締役に就任。現在はオウンドメディア・コンテンツマーケティングを用いたプロジェクトの立ち上げ・戦略設計、インハウス運用支援、運用代行を行う。