業界大手企業、広告運用のCVが頭打ちに ユーザーニーズに合わせた広告戦略で、CV300%増を実現

著者: 株式会社KAAAN 東山 博行

背景

ビジネス領域で事業を展開する大手企業は、主要な広告媒体での運用に加え、当時日本国内ではまだ活用事例の少ない海外発のビジネスSNSでの広告配信に挑戦していた。この媒体は他と比べてCV獲得効率が良く、特にリード獲得後の成約につながりやすい良質なリードが獲得できていた。しかし、運用開始から一定期間が経過した頃、CV件数が頭打ちとなる問題に直面していた。 成約につながりやすい良質なリードが獲得できていたので、伸び代があるのであればさらに投資を行いたいと考えていたが、運用ノウハウやナレッジが蓄積されておらず、成功事例もほとんど共有されていない状況だった。さらに、この媒体は他とは違った新しい配信手法を次々とリリースしており、その効果的な活用方法も手探り状態だった。 社内に運用ノウハウがなく、投資増額の価値があるのかをどうやって判断するのか、どうすればCV数の頭打ちを打破できるのかわからない状態中、根本的なアプローチの見直しが必要となった。

STEP1

頭打ちになっているCV件数の拡大を図るためには、適切なターゲティングや配信方法の選定が重要だった。そのため、媒体を利用しているユーザーのニーズやモチベーション、配信方法などを徹底的にリサーチすることから始めた。 さらに、媒体の仕組みを深く理解するために、媒体運営会社の担当者ともコンタクトを取り、表面的なユーザー視点の情報だけではなく、運用者視点や競合他社がどう配信しているかなどの情報も収集し、徹底的に媒体理解を実施した。 リサーチの結果、日本市場特有の傾向など、表面的なリサーチでは得られない深い知見を獲得することができた。そのうえで、媒体の配信手法やユーザーの行動、獲得したいユーザーがマッチしており、伸び代があることが判明。かつ、競合他社が少ないので入札競合が生まれづらく、ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できるので投資先として価値があるのではないかと判断した。

STEP2

リサーチした内容をもとに、立てた仮説が正しいのかや、検証後の判断基準を明確にするためにシミュレーションを立てる必要があったため、広告を配信するターゲットと配信手法の選定、仮説が本当に有効なのかを判断するために必要な出稿金額に対してどれくらいのCV数が獲得できればいいかなど、詳細なシミュレーションを作成した。 仮説段階のため、失敗のリスクを最小化しながら、仮説の有効性を確認できる最低限の目標値と金額で広告を出稿。複数の異なるアプローチを同時にテストすることで、効率的に検証を進めた。

STEP3

検証で得られた成果をもとに成果が出やすいパターンの仮説を立て、別パターンの出稿内容を複数作成し、得られた成果に再現性があるのか、さらに仮説検証を実施した。成功した配信の予算を徐々に増やしながら、同時に新たな仮説検証も継続することで、リスクを分散しながら成果を拡大していった。 PDCAサイクルの高速化も重要な要素だった。検証を行なって成果が得られた広告の金額を増やし、徐々に投資金額とCV数を増加させる。このように、仮説立案・検証・成果獲得・拡大というPDCAを回し、好循環を確立した。週次、さらには日次でのモニタリング体制を構築し、細かな変化を見逃さないようにした。 チーム内では、新機能がリリースされるたびにすぐに検証する文化が定着し、この媒体だからこそできることを積極的に探求するようになった。この積極的な姿勢と継続的な改善マインドが、大きな成果を生む原動力となった。

結果

徹底した媒体理解と仮説検証、素早くPDCAを回し、勝ちパターンを拡大することで、3ヶ月でCV数300%増加させることに成功。当該媒体で獲得できたCV数が過去最高となった。また、他大手媒体と比較してもCPAが過去最高を記録し、この媒体への投資拡大を決定づける結果となった。 さらに、適切なターゲティングを行えたことで、獲得効率が良いだけではなく、その後の成約率が高い結果となった。媒体特性を深く理解し、ユーザーニーズに合わせた配信ができたことにより、営業チームからも良質なリードであるという評価を得ることができた。 分からないことを分からないままにせず、探究心を持って深く理解することの重要性を実感した結果となった。
タグ: PDCA, 広告改善

業界大手企業、広告運用のCVが頭打ちに

ユーザーニーズに合わせた広告戦略で、CV300%増を実現

ケーススタディ
ビジネスモデル

本ケーススタディスタディは、実際にあった事例をもとに組み立てられていますが、匿名性、NDA上の問題により、こちら側が提供した内容、かつ詳細データを掲載しないことを前提にし、意図がずれないように変更されております。また、数値データなどは、誇張がないよう低く掲載されていますので、実際のデータとは異なることがあります。

背景

ビジネス領域で事業を展開する大手企業は、主要な広告媒体での運用に加え、当時日本国内ではまだ活用事例の少ない海外発のビジネスSNSでの広告配信に挑戦していた。この媒体は他と比べてCV獲得効率が良く、特にリード獲得後の成約につながりやすい良質なリードが獲得できていた。しかし、運用開始から一定期間が経過した頃、CV件数が頭打ちとなる問題に直面していた。成約につながりやすい良質なリードが獲得できていたので、伸び代があるのであればさらに投資を行いたいと考えていたが、運用ノウハウやナレッジが蓄積されておらず、成功事例もほとんど共有されていない状況だった。さらに、この媒体は他とは違った新しい配信手法を次々とリリースしており、その効果的な活用方法も手探り状態だった。社内に運用ノウハウがなく、投資増額の価値があるのかをどうやって判断するのか、どうすればCV数の頭打ちを打破できるのかわからない状態中、根本的なアプローチの見直しが必要となった。

補足要件

  • 国内での当該媒体の活用事例が少なく、参考にできる情報が限定的
  • 良質なリードは獲得できているが、量的な拡大方法が不明
  • 新しい配信手法への対応と効果検証の仕組みが未確立

具体的なプロセス

STEP 1

媒体特性を徹底的にリサーチし、理解する

頭打ちになっているCV件数の拡大を図るためには、適切なターゲティングや配信方法の選定が重要だった。そのため、媒体を利用しているユーザーのニーズやモチベーション、配信方法などを徹底的にリサーチすることから始めた。さらに、媒体の仕組みを深く理解するために、媒体運営会社の担当者ともコンタクトを取り、表面的なユーザー視点の情報だけではなく、運用者視点や競合他社がどう配信しているかなどの情報も収集し、徹底的に媒体理解を実施した。リサーチの結果、日本市場特有の傾向など、表面的なリサーチでは得られない深い知見を獲得することができた。そのうえで、媒体の配信手法やユーザーの行動、獲得したいユーザーがマッチしており、伸び代があることが判明。かつ、競合他社が少ないので入札競合が生まれづらく、ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できるので投資先として価値があるのではないかと判断した。

詳細アドバイス
広告の成果を伸ばすには、媒体特性を理解し精度の高い仮説検証を繰り返す
成果を出すための媒体担当者と良好な関係の築き方
広告運用の予算は単なる費用ではなく、投資と捉えるべき理由
STEP 2

仮説をもとにシミュレーションを作成、少額で仮説を検証する

リサーチした内容をもとに、立てた仮説が正しいのかや、検証後の判断基準を明確にするためにシミュレーションを立てる必要があったため、広告を配信するターゲットと配信手法の選定、仮説が本当に有効なのかを判断するために必要な出稿金額に対してどれくらいのCV数が獲得できればいいかなど、詳細なシミュレーションを作成した。仮説段階のため、失敗のリスクを最小化しながら、仮説の有効性を確認できる最低限の目標値と金額で広告を出稿。複数の異なるアプローチを同時にテストすることで、効率的に検証を進めた。

詳細アドバイス
新しい広告手法は、目的とターゲットを基に効果検証して採用する
STEP 3

仮説から勝ちパターンを導き出し、好循環を作り出す

検証で得られた成果をもとに成果が出やすいパターンの仮説を立て、別パターンの出稿内容を複数作成し、得られた成果に再現性があるのか、さらに仮説検証を実施した。成功した配信の予算を徐々に増やしながら、同時に新たな仮説検証も継続することで、リスクを分散しながら成果を拡大していった。PDCAサイクルの高速化も重要な要素だった。検証を行なって成果が得られた広告の金額を増やし、徐々に投資金額とCV数を増加させる。このように、仮説立案・検証・成果獲得・拡大というPDCAを回し、好循環を確立した。週次、さらには日次でのモニタリング体制を構築し、細かな変化を見逃さないようにした。チーム内では、新機能がリリースされるたびにすぐに検証する文化が定着し、この媒体だからこそできることを積極的に探求するようになった。この積極的な姿勢と継続的な改善マインドが、大きな成果を生む原動力となった。

詳細アドバイス
成果のためにデータと向き合い改善を追求する姿勢の重要性
広告媒体を正しく選ぶには、競合分析と媒体担当者への具体的な質問が鍵

結果または成果

媒体特性を理解し、PDCAを回すことで成果を最大化

徹底した媒体理解と仮説検証、素早くPDCAを回し、勝ちパターンを拡大することで、3ヶ月でCV数300%増加させることに成功。当該媒体で獲得できたCV数が過去最高となった。また、他大手媒体と比較してもCPAが過去最高を記録し、この媒体への投資拡大を決定づける結果となった。さらに、適切なターゲティングを行えたことで、獲得効率が良いだけではなく、その後の成約率が高い結果となった。媒体特性を深く理解し、ユーザーニーズに合わせた配信ができたことにより、営業チームからも良質なリードであるという評価を得ることができた。分からないことを分からないままにせず、探究心を持って深く理解することの重要性を実感した結果となった。

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企業

株式会社KAAAN

純広告・記事広告 , コンテンツマーケティング , マーケティング戦略

プロセスでなく、成果を、事業成長を提供

KAAANは、漠然とした企業、事業の業績やマーケティングの課題に対して、現状を把握し、診断し、今、やるべきことを明確化。ゴールに向けて伴走し、業績向上・成果最大化を請負うマーケティングエージェンシーです。

著者

東山 博行

Marketing Director / Consultant

1986年生まれ。広告代理店で金融比較サイトメディアのディレクション・運用、金融クライアント中心に営業・運用担当者としてアフィリエイトからディスプレイ領域までWEBプロモーション全体の改善に貢献。2019年4月にMOLTSに参画、2023年9月にKAAAN(旧KOEDO)を設立し取締役に就任。リスティング、ディスプレイ、SNS広告の運用・コンサルティングを中心にマーケティングを支援する。