検索順位下落で苦境に陥った、インフラ事業者
仮:本ケーススタディは、実際にあった事例をもとに組み立てられていますが、匿名性、NDA上の問題により、こちら側が提供した内容、かつ詳細データを掲載しないことを前提にし、意図がずれないように変更されております。また、数値データなどは、誇張がないよう低く掲載されていますので、実際のデータとは異なることがあります。
インフラサービスを取り扱う事業会社では、年間数億円規模の売上を誇るオウンドメディアを軸にマーケティングリードの創出を行ってきた。しかし、Googleのコアアップデートによる検索順位の低下に直面した。この順位低下に伴い、検索流入が減少し、それに比例して売上も低迷。従来は、新たに記事を書けば自然と検索順位が上昇し、安定した集客が可能であったが、大手企業によるコンテンツマーケティングの強化により、業界全体の競争環境が変化、検索結果上位のポジションを奪われる状況が発生した。そこで、売上をV字回復させることを目的に、プロジェクトを始動。本プロジェクトでは、下落した検索順位を改善するためのコンテンツの見直しや事業の在り方自体を見直す包括的な施策を実施した。
どれだけ試算しても目標を達成できないため売り方を抜本から見直す
これまであまりやってこなかったリライトの行動量をいっきに増やすことで、検索順位の変動を検証。その結果、検索順位が回復する記事もあれば、現状維持の記事もあり、減少したCV数や売上の回復には繋がらなかった。また、達成目標の数値が高かったこともあり、どれだけ試算をしても現状では目標が未達になることがわかっていた。そのため、なぜ既存顧客は自社のサービスを購入したのか、どのような顧客が自社の顧客になり得るのか、という本質に立ち戻り、戦略を見直すことになった。
商材の販売方法の見直しとコミュニケーションの再設計を実施
分析の結果、これまで個別に販売・CV獲得を行っていたサービスには共通の需要があることが判明。また、これらのサービスが同時に必要になるケースが多く、個別販売ではなくセット販売で売る方が効率的であるという結論に至った。この考えを基に、新たなセット販売の仕組みを企画。関連する複数のサービスを一つのパッケージとして提供することで、顧客にとっては利便性が向上し、企業側にとっては1CVにつき、複数のサービスを同時に提供できる仕組みを構築。これにより、顧客単価の向上が期待できるだけでなく、獲得件数が多少減ったとしても売上の最大化が可能になる販売方法を採用した。結果、従来の個別販売と比較してマーケティングの効率が向上し、顧客単価の増加が見込める形での販売モデルが確立。市場のニーズに応じた新たな販売手法として展開を開始した。
既存顧客を分析し販売方法を変更、過去最高のリード獲得とV字回復を実現
今年度は目標数値が高く設定されていたものの、当初大きく落ち込んでいた数値が半年をかけて回復。期末時点では目標には到達しなかったが、過去最高のマーケティングリード数を創出し、売上は昨年と比較をしても、数千万円以上の増収を達成した。数値回復に向けて複数の施策を実施したが、もっとも大きな影響を与えたのは、コアアップデートによる検索順位の変動に依存しない戦略の見直しだった。オウンドメディアの検索順位が回復しなくても、その影響を受けにくい施策を展開し、CV数が完全に回復しなくても、顧客単価を向上させることで全体の収益性を向上できるという結論に至った。検索順位の回復に固執せずに売上回復の方法を模索したことで、安定的に成果を生み出せる運用体制を構築することができた。
企業
株式会社KAAAN
純広告・記事広告 , コンテンツマーケティング , マーケティング戦略
プロセスでなく、成果を、事業成長を提供
KAAANは、漠然とした企業、事業の業績やマーケティングの課題に対して、現状を把握し、診断し、今、やるべきことを明確化。ゴールに向けて伴走し、業績向上・成果最大化を請負うマーケティングエージェンシーです。
著者
永田 さおり
Media Planner
1989年、新潟生まれ。楽天グループでの法人営業やO2Oマーケティング業務を経て、バズ部を運営する株式会社ルーシーに入社。メディアコンサルタントとして、不動産、審美歯科/美容整形、転職会社など幅広い業種のオウンドメディアの立ち上げや運用を経験。その後、2017年3月MOLTSへ参画。オウンドメディアの戦略立案から設計、グロースまでの一貫したトータルプロデュース、インハウス化支援、コンサルティングを行う。