コンテンツSEOでは、サービスの成長段階に応じて戦略を変えられていないケースが少なくない。初期に一定の成果が出ても、その後のフェーズで伸び悩むのは、同じ方針を引き延ばしてしまうことが原因の一つだ。 実際に、大手プラットフォーム企業で、検索経由のCV数を1年で約3倍に伸ばした事例では、サービスの成長に合わせて戦略を段階的に変化させた。立ち上げ初期は「検索される状態をつくる」ことに集中し、次に「運用体制を内製化」、最後に「他事業への展開」という流れで進めていた。 一方で、まだ土台が整っていない段階で記事数を増やすことに注力したり、運用の土台が整った安定期でも慎重な施策をとったりする企業もある。どのフェーズでも同じアプローチを続けてしまうと、結果的にリソースが分散し、効果が見えづらくなる。 成長し続ける仕組みを作るためには、フェーズごとに目的と重点を明確に切り替え、必要な投資や行動を選び直すことが求められる。

フェーズに適したコンテンツSEOの戦略をとるには、基本的に「基盤構築期」「自走化移行期」「横展開期」の3段階で戦略を切り替えるのが効果的だ。 まず「基盤構築期」では、特別な施策より基本の徹底を重視する。自社名で1位を取れていない場合は、構造やタイトルの整備から着手する。検索ボリュームよりも検討度の高いキーワードに絞り、「確実にリードにつながる」接点を逃さない設計を優先する。この段階では、初動の成果を出して戦略の確証を得ることがもっとも重要となる。 次に、「自走化移行期」では、成果が出た施策を内製で回す体制を整える。特に重要なのは、社内で一貫したコンテンツ品質の基準を共有すること。外部に依存せず、継続的に「自社ならでは」の情報発信ができるようになれば、効率的な量産と差別化を同時に実現できる。 「横展開期」では、既存の成功パターンを他サービスや新規事業に広げる。このタイミングでようやく、潜在層キーワードへの拡大も検討に入る。ただし、社内体制が追いつかない場合は、教育よりもまず外部パートナーの活用で成果を出し、その型をあとから内製化するのが現実的だ。 コンテンツSEOは成果までに時間がかかる分、戦略の構造化とフェーズごとの見直しが欠かせない。全体を通して最短距離で成果を得るためには、成長フェーズに応じた戦略の進化が鍵になる。