他部門から協力を得るには、まずは成果をあげて信頼を獲得すること

著者: 株式会社KAAAN 田島 光太郎

想定場面や課題

BtoBサービスのマーケティングにおいて、広告・イベント・コンテンツSEOなど、複数チームで施策を分担する際、各チームが最適な連携を求めがちだが、別々の役割を求められている複数チームの連携はそう単純ではない。 たとえば、広告チームとイベントチームが認知獲得を担当し、コンテンツSEOチームが顕在化した検討層の獲得を担う役割分担があったとする。その際に、コンテンツSEOチーム側が他部門から協力を得られない状況に陥ることはそう珍しくない。 特に、コンテンツSEOチームが新規参画や体制変更直後に起こりがちな状況だ。というのも、各チームはそれぞれ自分たちの役割と達成すべき目標があり、十分な実績がないままの提案は、「まずは自分たちで成果を出してからにしてほしい」と受け取られるからである。 別チームや別部門との連携を推進するには、十分な実績がないまま提案や協力を仰ぐのではなく、まず組織内での信頼を得るプロセスが必要となる。

解決策

複数チームでマーケティング施策を分担する際に、コンテンツSEOチームがまず意識すべきは、他部門との連携よりも、次部門での責任範囲で着実に成果を出すことだ。特に新規参画や体制変更直後は、連携よりも「信頼される実績づくり」が最優先となる。 具体的なアプローチとして、コンテンツSEOチームは、完全に独立した運営で成果を追求する。たとえば、既にブランド認知があるユーザーの検索獲得に特化する。 検索結果にサービスページや比較コンテンツが表示されるキーワード(「サービス名+機能」「サービス名+目的」)に焦点を当て、検索された際に、自社のサービスページや比較コンテンツが上位表示される状態を目指す。 検索ボリュームの大小に関わらず、自社のサービスページや比較コンテンツが上位表示される状態になると、検討意欲の高いユーザーを確実に送客することにつながる。 主力商材は認知施策が活発でボリュームが大きく、新しいサービスは認知度が低くボリュームが小さい傾向があるが、いずれも検索している時点で興味関心が高いと判断し、幅広く対策キーワードに含める。重要なのは、ボリュームの大小以上に、ユーザーの検討度合いを重視すること。 成果が出始めると、組織内でこの取り組みの意義が認められ、より専門性の高い人材によるインハウス運用への切り替えなど、次の展開が自然と生まれる。つまり、実績による信頼獲得が、より大きな戦略展開への道筋を作る。 たとえ、理想的な連携戦略が見えていても、それを実現するには多くの人の協力が不可欠である。コンテンツSEOに限らず、自分一人では到底実現できない改革を推進するためには、与えられた役割で着実に成果を上げ、周りからの信用を得るという基本的なプロセスが最も重要な連携ポイントとなる。
タグ: プロジェクトマネジメント

他部門から協力を得るには、まずは成果をあげて信頼を獲得すること

想定場面や課題

BtoBサービスのマーケティングにおいて、広告・イベント・コンテンツSEOなど、複数チームで施策を分担する際、各チームが最適な連携を求めがちだが、別々の役割を求められている複数チームの連携はそう単純ではない。たとえば、広告チームとイベントチームが認知獲得を担当し、コンテンツSEOチームが顕在化した検討層の獲得を担う役割分担があったとする。その際に、コンテンツSEOチーム側が他部門から協力を得られない状況に陥ることはそう珍しくない。特に、コンテンツSEOチームが新規参画や体制変更直後に起こりがちな状況だ。というのも、各チームはそれぞれ自分たちの役割と達成すべき目標があり、十分な実績がないままの提案は、「まずは自分たちで成果を出してからにしてほしい」と受け取られるからである。別チームや別部門との連携を推進するには、十分な実績がないまま提案や協力を仰ぐのではなく、まず組織内での信頼を得るプロセスが必要となる。

解決策

複数チームでマーケティング施策を分担する際に、コンテンツSEOチームがまず意識すべきは、他部門との連携よりも、次部門での責任範囲で着実に成果を出すことだ。特に新規参画や体制変更直後は、連携よりも「信頼される実績づくり」が最優先となる。具体的なアプローチとして、コンテンツSEOチームは、完全に独立した運営で成果を追求する。たとえば、既にブランド認知があるユーザーの検索獲得に特化する。検索結果にサービスページや比較コンテンツが表示されるキーワード(「サービス名+機能」「サービス名+目的」)に焦点を当て、検索された際に、自社のサービスページや比較コンテンツが上位表示される状態を目指す。検索ボリュームの大小に関わらず、自社のサービスページや比較コンテンツが上位表示される状態になると、検討意欲の高いユーザーを確実に送客することにつながる。主力商材は認知施策が活発でボリュームが大きく、新しいサービスは認知度が低くボリュームが小さい傾向があるが、いずれも検索している時点で興味関心が高いと判断し、幅広く対策キーワードに含める。重要なのは、ボリュームの大小以上に、ユーザーの検討度合いを重視すること。成果が出始めると、組織内でこの取り組みの意義が認められ、より専門性の高い人材によるインハウス運用への切り替えなど、次の展開が自然と生まれる。つまり、実績による信頼獲得が、より大きな戦略展開への道筋を作る。たとえ、理想的な連携戦略が見えていても、それを実現するには多くの人の協力が不可欠である。コンテンツSEOに限らず、自分一人では到底実現できない改革を推進するためには、与えられた役割で着実に成果を上げ、周りからの信用を得るという基本的なプロセスが最も重要な連携ポイントとなる。

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