新規メディアの立ち上げ初期を乗り越え、さらにグロースさせるためには、「新規コンテンツの作成」だけではなく、「既存コンテンツの改善（リライト）」も必要となり、異なるアプローチや成果指標の両立が求められる。 たとえば、検索順位やセッション数の獲得を狙う新規制作と、上位表示後の改善を狙う既存リライトでは、注力すべきポイントがまったく異なる。多くの場合、同じチームでこれらを並行して進めなくてはならないが、単一のチームで並行して進めると、リソースが圧迫され、非効率になり、その結果、両立に悩むケースは少なくない。 また、新規コンテンツの作成とリライトの違いを適切に整理しないまま体制を構築すると、成果が出づらく、施策が属人化してしまうおそれもある。このような課題に直面した場合、初期段階からアプローチごとに適切な体制を整えることが、成果につながりやすい第一歩となる。

グロースフェーズに入ったオウンドメディアで、新規コンテンツの作成とリライトを両立させるためには、役割分担を明確にし、それぞれの施策に適した専門性を活かすことがカギになる。 たとえば、新規コンテンツチームでは、検索流入を見据えた構成やタイトル設計、記事の網羅性と独自性の担保が重要となる。一方、リライトチームでは、CTRや滞在時間、検索順位の変動といった数値の変化をもとに、PDCAを回す力が求められる。 これらを踏まえたうえで、各チームの評価指標とそれに紐づくアプローチを設計する。たとえば、新規制作では、検索順位やセッション数。リライトでは、改善後のCTRやCVRなどの変化を指標と定め、検索ボリュームが大きく、成果に直結しやすいキーワードから優先的にリライトを実施するなど、施策の粒度と順序も工夫すると良い。 体制構築においては、チーム間の情報共有の仕組みも重要だ。週次の定例ミーティングなどで、施策の進捗や仮説検証の結果を共有し、月次では全体を俯瞰して学びを整理することで、個別の知見を組織全体に還元できるようにする。 このように、必要に応じて指標とアプローチを変更・明確にし、それを踏まえたうえで分業体制を整えることで、専門性を活かしやすくなり、全体としての動きもスムーズになる。 限られた人員のなかで多くの課題に対応する必要があるからこそ、指標ややるべきこと、役割と優先順位を整理し、必要な箇所に必要なリソースを集中させる意識が成果につながりやすくなる。