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アイデアだけで作る新規事業は大抵うまくいかない

想定場面や課題

新規サービスや事業を立ち上げる際、アイデアを基に企画が進むことは多い。ただ、アイデア主導に偏りすぎると、顧客の実際のニーズや市場の状況と乖離するリスクがある。既存事業とのシナジーや一部の顧客の声をヒアリングすることは重要だが、バランスを欠いたまま進めると本質から離れることがある。例えば、新サービスを6ヶ月プランで構築したとする。しかし、ターゲット層が実際に求めているのは、より短期間で成果を出せる3ヶ月プランであった場合、提供する内容と顧客ニーズが一致しないため購買の意欲は低下する。また、競合が市場で安価にサービスを提供している中で、高価格で展開することは、価格感覚にズレが生じ、顧客に選ばれにくいという問題を生じさせる。さらに、顧客が「課題解決」を求めている場面で、サービス内容が嗜好品寄りの要素に偏ってしまうと、根本的なニーズを満たせず購買に結びつかない。こうしたズレが生じると、マーケティングや営業活動に過剰なリソースが必要となり、結果として利益を生み出せず撤退を余儀なくされるケースもある。

解決策

こうした問題を防ぐために、アイデアを具体化する際には、ターゲットが何を求めているか、そしてそのニーズに対してどのようなベネフィットを提供できるかを徹底的に見直す必要がある。まずは、ターゲットの解像度を高めることが重要。ターゲットの行動プロセスをカスタマージャーニーマップで可視化し、購買に至る理由や、競合他社がどのようなポジションにあるかを明確にする。この過程で、顧客が何を求めているか、どのような状況で自社のサービスを選ぶかを細かくヒアリングし、理解を深めることで、アイデアと顧客ニーズのギャップを埋めることができる。例えば、「6ヶ月プランで組み立てていたが、ターゲットが3ヶ月プランを求めていた」という例では、サービスの構成を見直し、3ヶ月プランを提供できるように改編し、訴求するコミュニケーション軸も「短期成果」を強調する形に切り替えることが求められる。これにより、購買プロセスでのコストやリソースの効率が大幅に改善し、中長期的な業績にも良い影響を与える可能性がある。さらに、ターゲット選定が正しいかどうかも再考する必要がある。ターゲットの解像度を高め、提供するベネフィットを深掘りしていく中で、「現在のターゲットでは適していない」と感じることも出てくる。その際は、柔軟に企画を組み立てた際のプロセスを見直し、最適な形でサービスを再構築していく姿勢が重要。ターゲットとベネフィットのマッチングを見極め、的確なアプローチを行うことで、アイデアが真に顧客に響くものとなる。

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マーケティング戦略 , 新規プロデュース