リライトの優先順位は、記事タイプを分類してから実行する
想定場面や課題
オウンドメディアで定期的にコンテンツを更新・改善していく体制において、リライト作業の優先順位があいまいなまま進行し、成果に結びつかないケースは少なくない。よく見られるのは、過去に公開した記事が増え続け、どれも中途半端に更新を重ねた結果、現場のリソースが分散してしまっている状況だ。特に、どの記事を優先すべきかが定まらず、担当者がその時の感覚で注力対象を切り替えてしまうような運用では、リライトそのものが目的化されてしまい、かえって全体の成果を下げるリスクがある。本来、リライトは明確な目的と指標に基づき、優先順位とリソース配分を調整しながら進めるべき施策である。そのためには、記事ごとの状況を把握し、一定の基準でグルーピングした上で方針を定めることが不可欠になる。
解決策
リライトを効率よく進めるために、まず、すべての記事を以下3つのグループに分類し、注力対象を約30記事に絞り込む。グループ1： セッション数・CV数ともに多い記事（主力記事）。最重要記事として、5〜10本程度を抽出 グループ2： セッションは少ないが、CVRが高く、CV数が多い記事（潜在成長記事）。10〜15本を選定 グループ3： セッションは多いが、CVRが低く、CV数が少ない記事（実力未知数記事）。10〜15本を対象とする 分類手順は、直近1年間の検索経由のセッション数、クリック数、CV数などのデータを基にグルーピング。上記の3グループいずれにも当てはまらない記事は、優先度が低いためリライト対象から外す。絞り込んだ30記事に対しては、グループごとに次のような方針でリライトを行う。グループ1： コンテンツとCTAの両面を見直し、検索1位を狙う。1本あたりの作業時間は約10時間程度までかけていい。 グループ2： コンテンツのみを改善し、検索順位を引き上げる。CTAは変更しない。作業時間は約3時間まで。 グループ3： コンテンツはそのままに、CTAの改善に集中。作業時間は約1時間以上かけない。 最後に、抽出した注力記事のリストと、それぞれのリライト方針・工数目安をチーム内で言語化・共有する。これにより、全体の認識を揃え、無駄のないリライト運用が実現できる。
