人気アーティストの公式サイト、サイト運用と設計に課題 サイトリニューアルで、ファン満足度向上と運用効率化を両立
著者: 株式会社KAAAN 藤牧 篤
人気アーティストの公式サイト、サイト運用と設計に課題
本ケーススタディスタディは、実際にあった事例をもとに組み立てられていますが、匿名性、NDA上の問題により、こちら側が提供した内容、かつ詳細データを掲載しないことを前提にし、意図がずれないように変更されております。また、数値データなどは、誇張がないよう低く掲載されていますので、実際のデータとは異なることがあります。
エンターテインメント領域で長年活動を続ける人気アーティストの周年記念に合わせて、新たな作品展開やイベント実施が予定される中、オフィシャルサイトの運用課題を受けて、全面リニューアルが検討された。既存サイトでは、アクセス集中時の表示遅延や、更新情報の露出が限定的で、必要な情報がファンに届きにくい状況が続いていた。また、コンテンツがサイト内で分散しており、ユーザーが目的の情報にたどり着きにくい構造も課題だった。今回のプロジェクトでは、周年という節目にふさわしい表現を実現しながら、アーティスト活動をタイムリーに伝える情報発信の基盤を整備し、ファンがアクセスしやすいサイトを目指すことをゴールとして立ち上げられた。
リニューアル方針策定に必要な主観的情報と客観的情報を徹底的に収集
バンドの曲やPV、ライブ映像を聴いたり、観ることで主観的な印象や情報を収集。時間とコストの制約がある中で、ファン歴数十年以上のコアファンから歴の浅いライトなファンまで、幅広く話を聞き、彼らが大切にしている価値観や共通言語、喜びや不満を収集。また、運用面では担当者の更新作業をリサーチし、更新のタイミングや状況を把握。CMSの選定、更新箇所、サイト構造の設計に役立つ情報を得て、仕様策定の基盤を固めた。現行のオフィシャルサイトについても、良い点と悪い点を洗い出し、改善方針の検討材料とした。良い点は活かして悪い点は改善することで、全体的な利便性の向上を模索。
得られた情報をもとに具体的なサイト構造を設計
集めた情報を俯瞰し、インパクトやボリュームを把握するために、類似する課題をグルーピング。このプロセスで、優先すべき課題を明確にし課題解決の仮説をたて、改善策の方向性を具体化。既存コンテンツをさまざまなページで有効活用し、バンドの魅力を伝えるために必要な回遊性・利便性を考慮したワイヤーフレームやプロトタイプなどを作成。これらの改善策をもとに、CMSで必要となる機能や構成を割り出し、エンジニアへCMS選定に必要な条件を提示。
ファンが期待し盛り上がるためのデザインを制作
ワイヤーなどをもとに更新情報や追加されたコンテンツ、既存コンテンツなど、サイト内にあるあらゆるコンテンツに誰でも簡単に素早くアクセスできるようにデザインを変更。また、ファンが盛り上がれるようにバンドからのメッセージ性を込めたデザイン、トップページをギャラリー形式にし、新しいコンテンツや情報が目にとまりやすいように作成。スペシャルサイトでは、アルバムジャケットを活かし、文字情報などがジャケットをレイヤー状に構成した素材の間をスクロールする仕組みを導入し、視覚的な一体感と空間的なコンテンツ体験を提供。
運用面の課題解決だけではなく、バンドとファンの交流活性化に貢献
サーバーダウンや更新情報が見つけづらいという課題、ファンが必要な情報にアクセスできないなどの課題を解決するため、徹底的に情報を収集し、サイトの基本的な問題を解消した。それだけでなく、周年という重要な節目に相応しい期待感を醸成し、アルバム発売やツアー開始といった今後の活動への期待を高め続ける情報発信の基盤を構築したことで、運営企業とファンの双方に高い満足度を提供することができた。また、これまでオフィシャルサイトに埋もれていた既存コンテンツのアクセス数も向上し、SNS上でサイトに対する感想や解説が飛び交うなど、多くの反響が得られた。さらに、ファンから運営企業に対してお礼のメッセージが寄せられるなど、ファンからのポジティブなフィードバックも多く届き、サイトを起点にファンとのコミュニケーションを促進する効果も生まれた。
企業
株式会社KAAAN
純広告・記事広告 , コンテンツマーケティング , マーケティング戦略
プロセスでなく、成果を、事業成長を提供
KAAANは、漠然とした企業、事業の業績やマーケティングの課題に対して、現状を把握し、診断し、今、やるべきことを明確化。ゴールに向けて伴走し、業績向上・成果最大化を請負うマーケティングエージェンシーです。
著者
藤牧 篤
Design Director
1974年、栃木生まれ。クリエイティブプロダクション数社にて、デザイナー、アートディレクター、クリエイティブディレクター、デザイン部門マネージャーを務める。新規事業におけるプロトタイピング、プロダクトのインターフェイスデザイン、ブランドの構築や改善、空間演出など、包括的なクリエイティブ支援を経験。事業開発におけるプロダクト設計やブランド構築に横断的に関わり、可視化や具体化の領域を幅広く担当する。2023年12月よりTHE MOLTSに所属、2024年9月よりKAAANに参画。