想定場面や課題
アフィリエイトで収益を上げようとしたとき、どの商材を扱うべきかの判断に迷うケースは少なくない。特に、初めて収益化に取り組むメディアにとっては、成果につながる商材の見極めができず、成果が出ないまま時間だけが過ぎてしまう状況が起きやすい。過去にオーガニック流入に強みを持つ観光情報系メディアで、競合メディアの動向からアフィリエイトで収益化の必要性を認識。すぐに取り組みを始めたが、商材選定の判断軸が曖昧で、どこから着手すればよいのかがわからないという事例があった。アフィリエイトで収益化するには、予約の有無や単価、CV発生の仕組みなど、複数の要素が絡み合うため、表面的な情報だけでは判断できない。さらに、記事内へのリンクの配置や視認性の工夫といった実装面も成果に大きく影響する。
解決策
アフィリエイトの収益化では、まず、商材選定における判断基準を明確にすることが重要。そのために、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)に相談し、他メディアでの成功・失敗事例を参考にしたうえで、成果につながりやすい商材の特徴を整理する。商材はメディアの特性に合うものを選ぶ。観光情報系メディアで行った際は、メディアの特性に合うもの、かつ予約や購入によって成果が発生する飲食・宿泊・レジャー分野の商材に絞って開始した。選定基準の中で重視すると良いポイントは、商材の特性と成果発生条件。たとえば、観光情報系メディアの場合、高価格帯の宿泊施設や団体向けのコース料理などは、ユーザーが予約をすると成果が発生する仕組みとで、商材の特性上、予約が発生しやすく、単価も高いため収益性が高い。一方で、カフェやスイーツ、食べ歩きなどの商材は、予約をせずに利用する事が多いため、クリックだけで成果が発生するような仕組みがなければ、収益にはつながらないという特性を持つ。また、現地アクティビティなどは、市場規模が小さく、競合も多いため、優先度を落とした。というように、商材と、成果の発生条件を踏まえて挑まなければ、なかなか収益化は難しい。商材の特性と成果発生条件は、業界や商材、利用するASPによって異なるので注意が必要だ。実装面では、記事文脈に自然になじむリンク配置を意識する。読者の行動導線を阻害しないよう、前後の内容との接続に違和感が出ないように調整するのも良い。さらに、視認性を高めるために、リンクボタンに「今なら20%オフ」「5,000ポイント還元」などの訴求コピーを加えるとCTRの向上につながりやすい。成果率をさらに高めるために、検索意図に合致したキーワードの掛け合わせもポイントの一つだ。観光情報系メディアの場合、「ペットと泊まれる」「子ども連れ歓迎」といった、具体的な条件を加えることで、特定のニーズに対応する商材を見つけやすくし、より確度の高い導線を設計した。アフィリエイトで安定した成果を出し続けるためには、導線の強化だけでなく、収益構造の分散と継続的な改善が必要となる。成果が良い一部の商材に依存していると、商材が終了したり、流行りが変わったりした際に大きな打撃を受けるため注意が必要だ。