自分たちの力でプロダクトを成長させていくために、伴走支援を活用する

想定場面や課題

外部の専門家にプロジェクト支援を依頼するケースは多いが、開発や設計の一部を任せるだけで終わってしまうと、プロジェクト終了後に社内での運用が回らなくなることがある。特に新規事業では、スピード感を持って立ち上げるために外部リソースを活用する場面が多いが、そのままでは社内にノウハウが残らず、継続的な改善や機能追加が難しくなる。たとえば、UX設計やプロトタイプの開発を外注し、短期間で成果物だけを納品してもらったとする。納品物は形になっているが、クライアント側では「なぜこの設計なのか」「どこをどう更新すればいいのか」がわからず、運用が止まってしまうことがある。その結果、アップデートや改善のたびに追加の支援が必要になり、コストがかさみ、スピードも落ちる。こうした状態を避けるには、最初から「内製化できる状態を目指す」ことが重要となる。単に作ってもらうのではなく、社内チームが将来自走できるよう、知識や体制を整えるようにあらかじめ認識を合わせておく必要がある。

解決策

プロジェクト終了後、または納品後に、自走していくためには、プロジェクトの立ち上げ段階から「伴走型支援」を導入すること。クライアントと支援者が一緒に取り組むスタイルを取ることで、外部の知見を活用しながら社内にノウハウを残せる設計にできる。そうすることで、単なる受託開発ではなく、自走できるチームづくりが可能になる。具体的には、次のような取り組みが効果的だ。 ・ワークショップ形式で基本的な考え方を共有する UXや情報設計の基本、設計判断の背景などを実際に手を動かしながら理解できる機会を設けることで、メンバーの視座をそろえる。 ・プロセスを開示し、判断の意図も共有する 設計や開発の進行をブラックボックス化せず、進行中から「なぜこのUIにしたのか」「この構造の根拠は何か」を伝える。クライアント側もプロダクトに対する理解が深まり、細かな変更で迷いづらくなる。 ・運用に向けた仕組みを整備する ドキュメントや更新マニュアルを共有したり、CMSの使い方を内製チームと一緒に確認したりすることで、リリース後も主体的に改善を進められる体制をつくる。 こうした伴走型のアプローチを取り入れることで、プロジェクト終了後に「結局また依頼しなければ動けない」といった状況を避けられる。

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