
コンテンツマーケティングの種類を解説|目的別の選び方
コンテンツマーケティングは、多くの企業にとって欠かせないマーケティング手法として定着してきました。広告費の高騰が続く中、自社のコンテンツを通じて見込み客との接点を築き、関係性を深めていく取り組みは、今後ますます重要性を増していくと考えられます。
一方で、以下のような声も増えています。
- コンテンツの種類が多すぎて、どれを選べばよいかわからない
- 自社のリソースでは全種類に取り組めないが、優先順位がつけられない
- BtoBとBtoCでどのコンテンツが適しているのか判断できない
そこで本記事では、コンテンツマーケティングの種類を体系的に整理し、それぞれの特徴と目的別の選び方について解説します。自社の状況に合ったコンテンツを選定し、効果的なマーケティング活動を設計するための参考にしていただければ幸いです。
目次
コンテンツマーケティングの種類とは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある情報を提供することで、企業が得たい成果を獲得するコミュニケーション施策です。商品やサービスを一方的に売り込むのではなく、見込み客が求める情報を届けることで信頼関係を構築し、最終的な購買やお問い合わせにつなげていきます。
この「価値ある情報」を届ける手段が、さまざまな種類のコンテンツです。どのような形式でコンテンツを作成し、どのチャネルで届けるかによって、アプローチできるターゲット層や期待できる効果が変わってきます。
コンテンツの4つの基本形式
コンテンツマーケティングで活用されるコンテンツは、大きく4つの基本形式に分類できます。
テキスト(文書)形式
記事、ブログ、ホワイトペーパー、メールマガジン、事例紹介などが該当します。検索エンジン経由での流入を獲得しやすく、専門的な情報を詳しく伝えられる点が特徴です。制作コストは比較的抑えられますが、読者の時間と集中力を必要とするため、内容の質が問われます。
動画形式
YouTube動画、ウェビナー、製品デモ動画、インタビュー動画などが含まれます。視覚と聴覚に訴求できるため、複雑な内容もわかりやすく伝えられます。制作には一定のスキルとコストが必要ですが、情報伝達の効率は高いと言えます。
音声形式
ポッドキャスト、音声コンテンツなどがあります。通勤時間や家事の合間など「ながら聴き」ができるため、忙しいビジネスパーソンにもリーチしやすいという特徴があります。動画に比べて制作のハードルが低い一方、視覚情報を使えないという制約があります。
ビジュアル形式
インフォグラフィック、図解、写真、イラストなどです。情報を視覚的に整理して伝えることで、直感的な理解を促進できます。SNSでの拡散に適しており、テキストコンテンツの理解を補助する役割も果たします。
これらの形式を単独で使うこともあれば、複数を組み合わせることもあります。たとえば、記事コンテンツに図解を入れる、ウェビナーの内容を記事化するといった形で、相互に補完し合う使い方が効果的です。
種類選定の重要性
コンテンツマーケティングにおいて、どの種類のコンテンツを選ぶかは成果を大きく左右する要素となります。
重要なのは「すべての種類に取り組む必要はない」という点です。リソースが限られている中で全方位に展開しようとすると、どのコンテンツも中途半端な品質になってしまうリスクがあります。
弊社がこれまで支援してきた企業の中でも、成果を上げている企業に共通しているのは「自社の強みと目的に合った種類に絞り込んで、質の高いコンテンツを継続的に発信している」という点です。
コンテンツの種類を選ぶ際には、以下の観点で検討することをおすすめします。
- 自社のターゲットがどのチャネルで情報収集しているか
- 自社が伝えたい情報はどの形式が適しているか
- 社内で継続的に制作できる体制があるか
- 成果が出るまでにかかる期間と投資対効果
これらを総合的に判断した上で、優先順位をつけて取り組むことが、限られたリソースで最大の成果を出すための鍵となります。
BtoBとBtoCでの違い
コンテンツの種類選定においては、BtoB(法人向け)とBtoC(消費者向け)で適したアプローチが異なることを理解しておく必要があります。
BtoBの特徴
BtoB商材では、意思決定者が複数存在し、購入に至るまでの検討期間が長いという特徴があります。そのため、論理的で専門性の高いコンテンツが求められる傾向にあります。
具体的には、ホワイトペーパー、事例紹介、ウェビナー、専門性の高い記事コンテンツなどが効果を発揮しやすいと言えます。これらのコンテンツは、社内での稟議資料として活用されたり、比較検討の判断材料になったりするため、信頼性と具体性が重視されます。
また、BtoBでは平日のアクセスが多く、休日は減少する傾向があります。検索エンジン経由での流入が重要になるケースが多いため、SEOを意識した記事コンテンツの制作が中心になることが多いです。
BtoCの特徴
BtoC商材では、個人の感情や直感が購買決定に影響しやすく、検討期間も比較的短いという特徴があります。視覚的なインパクトや共感を呼ぶストーリーが効果的です。
SNS投稿、動画コンテンツ、ショート動画などが相性の良い種類として挙げられます。拡散によるリーチの拡大が期待できるため、シェアされやすいコンテンツづくりがポイントになります。
ただし、BtoBとBtoCの境界は絶対的なものではありません。BtoB企業でもSNSを活用して認知を広げる事例は増えていますし、BtoC企業でも専門性の高いコンテンツでブランドの信頼性を高める取り組みは有効です。自社のビジネスモデルとターゲットの特性を踏まえて、柔軟に判断することが大切です。
テキスト系コンテンツの種類と特徴
テキスト系コンテンツは、コンテンツマーケティングの中でも最も一般的かつ基本となる形式です。検索エンジン経由での流入獲得に適しており、専門的な情報を深く伝えられる点が強みです。ここでは、主要なテキスト系コンテンツの種類と、それぞれの特徴について解説します。
記事コンテンツ・オウンドメディア
記事コンテンツは、コンテンツマーケティングにおいて最も広く活用されている種類です。自社のWebサイトやオウンドメディアに掲載し、検索エンジン経由でターゲットユーザーを集客することを主な目的としています。
記事コンテンツの特徴
検索エンジン最適化(SEO)との相性が良く、特定のキーワードで上位表示されれば継続的なオーガニックトラフィックが期待できます。一度作成した記事は長期間にわたって流入を生み出す資産となりえますが、それは質の高いコンテンツに限った話です。
記事コンテンツで成果を出すためには、ユーザーの検索意図を深く理解し、その意図に応える情報を提供することが不可欠です。単にキーワードを盛り込むだけでは検索上位は獲得できません。読者が「この記事を読んでよかった」と感じる価値を提供することが、結果的にSEOにも効いてきます。
記事コンテンツには、いくつかのタイプがあります。
- ノウハウ記事:特定の課題を解決するための具体的な方法を解説する記事。「〇〇の方法」「〇〇のやり方」といったキーワードで検索されることが多い
- 解説記事:概念や仕組みをわかりやすく説明する記事。「〇〇とは」といったキーワードが該当する
- 比較記事:複数の選択肢を比較検討する記事。導入を検討している段階のユーザーに有効
- トレンド・ニュース記事:業界の最新動向を伝える記事。定期的な更新が必要だが、専門性をアピールできる
どのタイプの記事を中心に展開するかは、自社のターゲットがどのような検索行動を取るかによって判断します。
オウンドメディア運用のポイント
オウンドメディアを運用する際に陥りがちなのが、「記事本数」を目標にしてしまうことです。月に何本書くという計画を立てることは必要ですが、それが目的化してしまうと、質よりも量を優先する状態に陥りやすくなります。
重要なのは、成果につながるコンテンツを継続的に発信し、改善し続けることです。公開して終わりではなく、データを見ながらリライトを重ね、コンテンツを育てていく姿勢が求められます。
オウンドメディア運用で意識すべきポイントをまとめると、以下のようになります。
| 観点 | ポイント |
|---|---|
| 目標設定 | 記事本数ではなく、流入数・リード数など成果指標で管理する |
| 品質管理 | 公開前のレビュー体制を構築し、一定の品質を担保する |
| 継続性 | 無理のないペースで継続できる体制を構築する |
| 改善活動 | 定期的にデータを確認し、リライトや改善を行う |
| 専門性 | 自社の強み・専門領域に特化したコンテンツを発信する |
また、オウンドメディアの運用体制についても検討が必要です。社内リソースだけで回すのか、外部パートナーと協力するのか、どのような編集プロセスを構築するのかによって、成果の出方は大きく変わってきます。
社内だけで完結させようとすると、専門知識やリソースの不足から品質が安定しないケースも見られます。一方、外部に丸投げしてしまうと、自社の強みや独自の視点が反映されにくくなるリスクがあります。社内のナレッジを活かしながら、外部の専門スキルを組み合わせるハイブリッドな体制が、多くの企業にとって現実的な選択肢となるでしょう。
事例に学ぶ:コンテンツ制作体制の構築
ある企業では、外部の編集者に月2本の企画コンテンツを依頼していましたが、専門性が多岐にわたるため編集者の学習が追いつかず、企画作成に時間がかかる状況が続いていました。コンテンツの内容が偏ってしまったり、確認作業に相当な時間が必要だったりと、制作体制に課題を抱えていたのです。
この企業が取り組んだのは、「編集を楽にする」という改善ではなく、「社員をライター化する」という発想の転換でした。社内のメンバーが持つ専門知識や経験を、対話形式で引き出してコンテンツ化する仕組みを構築したのです。
結果として、月2本だった制作本数は月30本以上に増加。15倍の生産性向上を実現しました。さらに、作成されたコンテンツは社員の「暗黙知」を言語化したものとなり、社内のナレッジ資産としても活用されるようになりました。
この事例から得られる示唆は、コンテンツ制作体制を考える際に「誰が書くか」だけでなく「どのように専門知識を引き出すか」という観点も重要だということです。社内に眠っている知見をいかに効率的にコンテンツ化するか、その仕組みづくりが成否を分けるポイントとなります。
ホワイトペーパー・eBook
ホワイトペーパーやeBookは、特定のテーマについて深く掘り下げた資料型のコンテンツです。ダウンロード時に連絡先情報を取得することで、リード獲得の手段として活用されることが多いです。
ホワイトペーパーの特徴
記事コンテンツよりも詳細で専門的な情報を提供できる点が強みです。業界の課題に対する解決策、ノウハウの体系的な整理、調査レポートなど、さまざまな形式があります。
BtoB企業において特に有効な手法で、以下のようなメリットがあります。
- 見込み客の連絡先情報を取得できる(リード獲得)
- ダウンロードというアクションを通じて、関心度の高い層を特定できる
- 営業資料やセミナー資料として二次利用できる
- 専門性をアピールし、信頼性を高められる
ホワイトペーパーにも複数のタイプがあります。
| タイプ | 内容 | 適したシーン |
|---|---|---|
| 課題解決型 | 特定の課題に対する解決策を体系的に解説 | 課題を認識しているが解決策を探している層 |
| ノウハウ集約型 | 実務で使えるノウハウやテクニックをまとめる | 実践的な情報を求めている層 |
| 調査レポート型 | 独自調査やアンケート結果をまとめる | 業界動向を知りたい層、意思決定の根拠を求める層 |
| 導入ガイド型 | 製品・サービスの導入方法や活用法を解説 | 導入を具体的に検討している層 |
| チェックリスト型 | 実務で使えるチェックリストや診断シートを提供 | 手軽に活用できるツールを求めている層 |
どのタイプを選ぶかは、ターゲットとする見込み客の検討段階や、自社が提供できる価値によって判断します。
制作のポイント
ホワイトペーパーを制作する際は、「読者にとっての価値」を最優先に考えることが重要です。自社サービスの宣伝色が強すぎると、ダウンロードしても読まれない、または読者の印象を悪くしてしまう可能性があります。
まずは読者の課題解決に役立つ情報を提供し、その文脈の中で自社サービスを自然に紹介するというバランスを意識しましょう。
制作時に検討すべき項目は以下の通りです。
- ページ数:長すぎると読まれない。10〜20ページ程度が目安
- デザイン:読みやすさと専門性を両立させるデザイン
- CTA:資料内に適切な行動喚起(お問い合わせへの誘導など)を配置
- 更新性:情報が古くなった場合の更新ルールを決めておく
また、ダウンロード後のフォローアップも重要です。ホワイトペーパーをダウンロードした人がすぐに購買意欲を持っているとは限りません。メールマガジンや追加コンテンツの提供を通じて、関係性を深めていくナーチャリングのプロセスを設計しておくことが、リードを成果につなげるためのポイントです。
ダウンロードしたテーマに関連する追加情報を段階的に提供し、徐々に自社サービスへの関心を高めていく設計が効果的です。焦ってセールスに持ち込むのではなく、中長期的な視点で関係構築を進めることが、最終的な成果につながります。
メールマガジン
メールマガジン(メルマガ)は、登録者に対して定期的に情報を配信するコンテンツです。すでに接点のある見込み客や既存顧客との関係維持・深化に効果を発揮します。
メールマガジンの特徴
プッシュ型のコミュニケーション手段であるため、こちらからアプローチできる点が強みです。検索やSNSのように相手の行動を待つのではなく、能動的に情報を届けられます。
主な活用シーンとしては、以下のようなものがあります。
- リード獲得後のナーチャリング(購買意欲の醸成)
- 既存顧客へのアップセル・クロスセル提案
- 新コンテンツの告知とサイトへの誘導
- セミナーやイベントの案内
運用のポイント
メールマガジンで成果を出すためには、「読まれる」ことが前提になります。開封率を高めるための件名の工夫、クリック率を高めるための構成設計、配信頻度と時間帯の最適化など、細かな改善の積み重ねが重要です。
また、読者のセグメント分けも効果的です。全員に同じ内容を送るのではなく、興味関心や検討段階に応じて内容を出し分けることで、より高い反応率が期待できます。
注意点として、過度な頻度での配信や、セールス色の強い内容ばかりを送り続けると、解除率が上がったり、開封されなくなったりするリスクがあります。読者にとって価値のある情報を提供し続けることが、メールマガジンの効果を持続させる鍵となります。
事例紹介・導入事例
事例紹介(ケーススタディ)は、自社の製品やサービスを導入した企業の成果を紹介するコンテンツです。実際の成果を示すことで、潜在顧客の信頼を獲得し、購買意欲を高める効果があります。
事例紹介の特徴
「この会社でうまくいったなら、自社でもできるかもしれない」という期待感を持ってもらえる点が最大の強みです。抽象的な機能説明よりも、具体的な成果や活用方法を示すことで、読者が自分ごととして捉えやすくなります。
特にBtoB商材では、導入事例が比較検討の重要な判断材料になります。「どのような課題を抱えていたのか」「どのように解決したのか」「どのような成果が出たのか」という流れで構成することで、読者の共感と納得を得やすくなります。
事例紹介が効果を発揮する理由として、以下のような点が挙げられます。
- 第三者視点の信頼性:自社が語るよりも、実際の利用者が語る方が信頼されやすい
- 具体性:抽象的なメリットではなく、具体的な活用シーンと成果を示せる
- 比較検討の材料:「御社と似た企業での実績」が意思決定の後押しになる
- 社内稟議の補足資料:導入を検討する担当者が、社内説明に活用できる
制作のポイント
事例紹介を制作する際は、以下の点を意識することをおすすめします。
- ターゲットに近い業種・規模の事例を優先的に取り上げる
- 定量的な成果(数値)だけでなく、定性的な変化も伝える
- 導入企業の担当者の声を含めることで信頼性を高める
- 課題→施策→成果の流れを明確にする
事例紹介の基本的な構成要素は以下の通りです。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 導入企業の概要 | 業種、規模、事業内容など(読者が自社との類似性を判断できる情報) |
| 導入前の課題 | どのような課題を抱えていたのか(読者の共感を得るポイント) |
| 導入の経緯 | なぜ自社サービスを選んだのか(選定理由を示すことで説得力を高める) |
| 具体的な活用方法 | どのように活用しているのか(読者が自社での活用をイメージできる情報) |
| 導入後の成果 | どのような成果が出たのか(定量・定性の両面で示す) |
| 今後の展望 | 今後の活用予定や期待(継続的な価値を示唆する) |
また、事例紹介は営業資料としても活用できます。商談時に「御社と似た課題を持っていた企業の事例があります」と提示することで、提案の説得力が増します。
事例紹介を蓄積していくことで、さまざまな業種・課題に対応した「事例ライブラリ」を構築できます。営業担当者が商談の状況に応じて適切な事例を引き出せる状態を作ることで、営業活動全体の効率と成果を高めることができます。
動画・音声系コンテンツの種類と特徴
動画・音声コンテンツは、視覚や聴覚を通じて情報を伝達する形式です。テキストでは伝わりにくいニュアンスや雰囲気を表現でき、視聴者の印象に残りやすいという特徴があります。近年、通信環境の向上やプラットフォームの充実により、活用する企業が増加しています。
YouTube・動画コンテンツ
動画コンテンツは、映像と音声を組み合わせて情報を伝える形式です。YouTubeを中心に、自社サイトへの埋め込み、SNSでの配信など、さまざまなチャネルで活用されています。
動画コンテンツの特徴
複雑な概念や手順を視覚的にわかりやすく伝えられる点が大きな強みです。製品の使い方、サービスの流れ、専門知識の解説など、テキストだけでは伝わりにくい内容も、動画であれば直感的に理解してもらえます。
また、人物が登場することで、企業の雰囲気や担当者の人柄を伝えられるという効果もあります。BtoB企業でも、専門家が解説する動画を通じて信頼性を高めている例は増えています。
YouTubeは検索エンジンとしての側面も持っています。特定のキーワードで動画を検索するユーザーも多く、SEO的なアプローチが可能です。動画からWebサイトへの誘導、チャンネル登録者の獲得を通じて、継続的な関係構築につなげることができます。
制作・運用のポイント
動画制作にはテキストコンテンツよりも多くのリソースが必要です。企画、撮影、編集、サムネイル作成など、複数の工程があり、クオリティを担保するには一定のスキルと時間が求められます。
社内で制作体制を構築するか、外部に委託するか、あるいはその中間の形態を取るかは、リソース状況と目標に応じて判断が必要です。最初から完璧を目指すのではなく、まずは試験的に始めてみて、反応を見ながら改善していくアプローチも有効です。
また、動画の尺についても検討が必要です。長すぎると離脱されやすく、短すぎると十分な情報を伝えられません。内容と目的に応じて、適切な長さを設計することが大切です。
ウェビナー・オンラインセミナー
ウェビナーは、オンラインで開催するセミナー形式のコンテンツです。リアルタイムでの配信だけでなく、録画したものをアーカイブとして公開するケースも増えています。
ウェビナーの特徴
参加者とのインタラクティブなコミュニケーションが可能な点が大きな特徴です。質疑応答やアンケート機能を活用することで、一方通行ではない双方向の情報交換ができます。
また、参加申し込み時に連絡先情報を取得できるため、リード獲得の手段としても有効です。ホワイトペーパーと同様に、参加者の関心領域が明確なため、質の高いリードを獲得しやすいと言えます。
物理的な会場が不要なため、地理的な制約なく全国・海外からの参加者を集められる点もメリットです。会場費や運営コストを抑えながら、より多くの人にリーチできます。
運用のポイント
ウェビナーを成功させるためには、以下の点を意識することが重要です。
- 参加者にとって価値のあるテーマ設定
- 適切な開催日時の設定(BtoBであれば平日の業務時間内が基本)
- 事前の集客施策(メルマガ、SNS、広告など)
- 参加後のフォローアップ設計
録画コンテンツとして二次利用することも効果的です。ウェビナーの内容を編集して短い動画にしたり、内容を記事化したりすることで、1回のウェビナーから複数のコンテンツを生み出せます。
ポッドキャスト・音声コンテンツ
ポッドキャストは、音声のみで情報を届けるコンテンツ形式です。通勤時間、運動中、家事の合間など、「ながら聴き」ができる点が特徴で、忙しいビジネスパーソンへのリーチ手段として注目されています。
ポッドキャストの特徴
動画に比べて制作のハードルが低く、必要な機材も最小限で始められます。スマートフォンと簡易的なマイクがあれば、一定のクオリティのコンテンツを制作することが可能です。
また、パーソナリティ(話し手)の人柄や考え方が伝わりやすいという特徴もあります。継続的に聴いてもらうことで、リスナーとの間に親近感や信頼関係が築かれていきます。
特に専門性の高い業界では、業界動向の解説、専門家へのインタビュー、実務者の経験談など、ニッチだが熱心なリスナーを獲得できる可能性があります。
制作・運用のポイント
ポッドキャストは継続性が重要です。不定期な更新や突然の終了は、リスナーの信頼を損ないます。週1回、隔週など、無理なく続けられる頻度を設定し、長期的な運用を前提に計画を立てることをおすすめします。
コンテンツの構成も工夫が必要です。視覚情報がないため、聴いているだけで内容が理解できるよう、話の構成をわかりやすくすることが求められます。
また、ポッドキャスト単体でのコンバージョン獲得は難しい場合が多いです。ブランド認知や信頼構築を主な目的とし、Webサイトや他のコンテンツへの誘導を組み合わせて設計するのが現実的なアプローチです。
SNS・ビジュアル系コンテンツの種類と特徴
SNSやビジュアル系コンテンツは、ユーザーとの接点を広げ、ブランドの認知度を高める役割を担います。拡散力が高く、幅広い層へのリーチが期待できる一方、成果につなげるためには戦略的な設計が必要です。
SNS投稿(Instagram・X・Facebook)
SNSは、ユーザーと日常的に接点を持てるプラットフォームです。プラットフォームごとにユーザー層や利用シーンが異なるため、自社のターゲットに合った場所を選ぶことが重要です。
各プラットフォームの特徴
Instagramは、ビジュアル重視のプラットフォームです。写真や動画を通じて、商品の魅力やブランドの世界観を伝えるのに適しています。BtoC企業での活用が多いですが、BtoB企業でも採用ブランディングや企業文化の発信に活用するケースが増えています。
X(旧Twitter)は、テキストベースの短文投稿を中心としたプラットフォームです。情報の拡散スピードが速く、タイムリーな話題への反応やコミュニティとの対話に向いています。専門家やインフルエンサーとのつながりを築きやすい点も特徴です。
Facebookは、実名制のプラットフォームであり、ビジネスパーソン同士のつながりが多いという特徴があります。BtoB企業の情報発信や、地域ビジネスのコミュニティ形成に活用されるケースが見られます。
運用のポイント
SNS運用において重要なのは、「継続的な投稿」と「コミュニケーション」です。一方的な情報発信ではなく、フォロワーとの対話を意識することで、エンゲージメントを高めることができます。
また、SNSはコンテンツマーケティングの入り口として機能することが多いです。SNSで認知を獲得し、興味を持った人をWebサイトやホワイトペーパーに誘導するという流れを設計しておくと、より効果的です。
ただし、SNSからのコンバージョン獲得を過度に期待しすぎないことも大切です。SNSのユーザーは、検索ユーザーとは異なり、明確な目的を持って情報を探しているわけではありません。ブランド認知や信頼構築を主な目的とし、中長期的な視点で運用することをおすすめします。
インフォグラフィック
インフォグラフィックは、情報やデータを視覚的に整理して表現するコンテンツです。複雑な情報を直感的に理解できる形にすることで、読者の理解を促進し、シェアを促す効果があります。
インフォグラフィックの特徴
数値データ、プロセスの流れ、比較情報など、テキストだけでは伝わりにくい内容を視覚化することで、読者の理解度を大幅に高めることができます。記事コンテンツの中に挿入することで、読み進めやすさが向上します。
また、SNSでシェアされやすいという特徴もあります。視覚的にインパクトがあり、一目で内容がわかるインフォグラフィックは、タイムライン上で目を引きやすく、拡散が期待できます。
制作のポイント
インフォグラフィックの制作には、デザインスキルが必要です。社内にデザイナーがいない場合は、外部への委託やデザインツールの活用を検討する必要があります。
効果的なインフォグラフィックを作るためのポイントは以下の通りです。
- 1つのインフォグラフィックで伝えたいメッセージを絞る
- 情報の優先順位を明確にし、視線の流れを設計する
- 色使いやフォントを統一し、ブランドの一貫性を保つ
- データの出典を明記し、信頼性を担保する
記事コンテンツやホワイトペーパー、SNS投稿など、さまざまな場面で活用できるため、制作した素材を複数のチャネルで展開することを意識すると、投資対効果を高められます。
ショート動画(TikTok・Reels)
ショート動画は、短尺(15秒〜60秒程度)の動画コンテンツです。TikTokやInstagram Reels、YouTube Shortsなどのプラットフォームで配信されます。
ショート動画の特徴
短い時間でインパクトを与えることができ、視聴のハードルが低いという特徴があります。スマートフォンでの視聴を前提とした縦型フォーマットが主流です。
アルゴリズムによるレコメンデーション機能が強く、フォロワー以外のユーザーにもリーチしやすい点が大きなメリットです。うまく活用すれば、短期間で大きな認知を獲得できる可能性があります。
特にBtoC企業での活用が進んでいますが、BtoB企業でも、企業文化の発信、採用ブランディング、製品の使い方紹介などに活用する事例が増えてきています。
制作・運用のポイント
ショート動画は、最初の数秒で視聴者の興味を引くことが重要です。長い導入や説明は離脱の原因になるため、いきなり核心から始める構成が効果的です。
また、トレンドの変化が速いプラットフォームであるため、継続的に投稿し、反応を見ながら試行錯誤することが求められます。完璧を目指すよりも、まずは投稿してみて、反応から学ぶ姿勢が大切です。
ただし、ショート動画だけで直接的なビジネス成果を得ることは難しい場合が多いです。認知獲得や興味喚起を目的とし、他のコンテンツへの誘導や、ブランドイメージの構築と組み合わせて活用することをおすすめします。
コンテンツの選び方と組み合わせ方
ここまで、コンテンツマーケティングで活用されるさまざまな種類のコンテンツを紹介してきました。この章では、自社に適したコンテンツをどう選び、どう組み合わせていくかについて解説します。
コンテンツマーケティングで成果を上げている企業に共通しているのは、「すべての種類に手を広げるのではなく、自社の強みと目的に合った種類に集中している」という点です。限られたリソースを分散させるのではなく、重点領域を定めて質の高いコンテンツを継続的に発信することが、結果的に最大の効果を生み出します。
目的別のコンテンツ選定
コンテンツの種類を選ぶ際は、まず「何を目的とするか」を明確にすることが出発点です。目的によって、適したコンテンツの種類は異なります。
リード獲得が目的の場合
見込み客の連絡先情報を取得することが主な目的であれば、以下のコンテンツが効果的です。
- 記事コンテンツ(SEO):検索経由で見込み客を集客
- ホワイトペーパー:ダウンロード時に情報を取得
- ウェビナー:参加申し込みで情報を取得
- 事例紹介:比較検討段階の見込み客を獲得
特にBtoB企業では、SEOで集客した後、ホワイトペーパーやウェビナーでリードを獲得し、メールマガジンでナーチャリングするという流れが一般的です。
認知拡大が目的の場合
自社やサービスの認知度を高めることが目的であれば、拡散力のあるコンテンツを活用します。
- SNS投稿:日常的な接点の構築
- ショート動画:幅広い層へのリーチ
- インフォグラフィック:シェアされやすいコンテンツ
- YouTube動画:検索とおすすめによる露出
認知拡大フェーズでは、直接的なコンバージョンよりも、まず「知ってもらう」ことを優先します。
信頼構築・ブランディングが目的の場合
専門性や信頼性を訴求し、ブランド価値を高めることが目的であれば、以下のコンテンツが適しています。
- 専門性の高い記事コンテンツ
- 事例紹介
- ポッドキャスト
- ウェビナー(専門家による解説)
これらのコンテンツを通じて、「この分野ならこの会社」という認知を形成することを目指します。
顧客維持・関係深化が目的の場合
既存顧客との関係を維持・強化することが目的であれば、プッシュ型のコミュニケーションが効果的です。
- メールマガジン
- 会員限定コンテンツ
- 事例紹介(他社の活用方法の紹介)
- ウェビナー(既存顧客向け勉強会)
これらを通じて、継続利用や追加購入を促進します。
カスタマージャーニーに合わせた配置
コンテンツは単発で考えるのではなく、見込み客が購買に至るまでのプロセス(カスタマージャーニー)に合わせて設計することで、より効果的に機能します。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの過程を、行動や心理的変化の観点から整理したものです。各段階で顧客が求めている情報は異なるため、段階に応じたコンテンツを用意することが重要です。
以下に、各段階と適したコンテンツの種類をまとめます。
| 段階 | 顧客の状態 | 適したコンテンツ |
|---|---|---|
| 認知 | 課題は感じているが、解決策を知らない | SNS投稿、ショート動画、SEO記事(情報系) |
| 興味・関心 | 解決策に興味を持ち、情報収集を始めた | 専門記事、ホワイトペーパー、YouTube動画 |
| 比較・検討 | 具体的な導入を検討し、比較している | 事例紹介、比較記事、ウェビナー、製品情報 |
| 購買 | 導入を決断し、最終確認をしている | FAQ、導入ガイド、サポート情報 |
| 購買後 | 導入済みで、活用・継続を検討している | メルマガ、活用ガイド、会員限定コンテンツ |
認知段階
まだ自社を知らない潜在顧客に対しては、広くリーチできるコンテンツを活用します。SNS投稿、ショート動画、SEO記事(情報系キーワード)などが該当します。
この段階では、直接的なセールスは控え、まずは有益な情報を提供することで接点を作ることを意識します。「この会社は役に立つ情報を発信している」という印象を持ってもらうことが、次の段階への移行につながります。
興味・関心段階
自社の存在を認知し、興味を持ち始めた層に対しては、より詳しい情報を提供します。深掘りした記事コンテンツ、ホワイトペーパー、YouTube動画などが効果的です。
メールマガジンへの登録を促し、継続的な接点を構築することも重要です。この段階では、見込み客が自社の課題をより明確に認識し、解決策を模索している状態です。専門性の高い情報を提供することで、「この分野に詳しい会社だ」という信頼を築きます。
比較・検討段階
具体的に導入を検討し始めた層に対しては、意思決定を後押しするコンテンツを提供します。事例紹介、比較コンテンツ、ウェビナー、詳細な製品情報などが該当します。
この段階の見込み客は、自社サービスの導入によってどのような成果が得られるのかを知りたがっています。具体的な事例や数値を示すことで、信頼感を高めることができます。「自社と似た企業が成功している」という情報は、意思決定の大きな後押しになります。
購買段階
購買を決断する段階では、最後の不安を払拭するコンテンツが必要です。FAQ、導入の流れ説明、サポート体制の紹介などを用意しておきます。
また、営業担当者が商談で活用できる資料としても、これらのコンテンツは機能します。この段階では、導入に際しての具体的な疑問や懸念に答えることが重要です。
購買後(既存顧客段階)
購買後も、メールマガジンや会員向けコンテンツを通じて関係を維持します。活用のヒント、新機能の紹介、他社の事例紹介などを提供することで、継続利用やアップセル・クロスセルにつなげます。
既存顧客向けのコンテンツは軽視されがちですが、顧客維持のコストは新規顧客獲得のコストよりも大幅に低いと言われています。既存顧客との関係を深めることは、長期的な収益にとって非常に重要です。
事例に学ぶ:顧客起点のコンテンツ設計
ある業務支援系SaaS企業では、オーガニック検索からのリード獲得強化に取り組んでいました。しかし、当初は「なにをやるか?」が発想の起点となっており、複数のオウンドメディアが乱立し、コンテンツの重複やSEO評価の分散が起きていたのです。
この企業が成果を上げられるようになったきっかけは、ターゲットの調査分析やカスタマージャーニーの整理を徹底したことでした。「誰に、なにを届けるか?」という顧客起点の発想に切り替えることで、明確な方針に基づいた施策推進が可能になりました。
具体的には、乱立していたオウンドメディアを統合し、検索意図に基づいた記事制作を徹底。さらにサービスサイトやオウンドメディアのCVR改善にも注力し、ランディングページの情報設計やCTAの見直し、フォームのUI改善など、地道な改修を繰り返しました。
結果として、リード数は昨対比115%を達成。ターゲットリードが獲得できたことで商談数も昨対比120%を記録しました。
この事例が示すのは、コンテンツの種類を選ぶ前に、まず「誰に届けるのか」を明確にすることの重要性です。カスタマージャーニーを整理し、各段階で顧客が求めている情報を把握することで、適切なコンテンツの種類と配置が見えてきます。種類の選定とカスタマージャーニーの設計は、切り離せない関係にあるのです。
コンテンツのリパーパス(再利用)
限られたリソースで効率的にコンテンツを展開するためには、1つのコンテンツを複数の形式に展開する「リパーパス(再利用)」が有効です。
リパーパスの例
- ウェビナーの内容を記事化する
- 記事の要点をインフォグラフィックにまとめる
- ホワイトペーパーの一部を複数のブログ記事に分割する
- YouTube動画の一部を切り出してショート動画にする
- ポッドキャストのテーマを記事コンテンツで深掘りする
このように、1つのテーマや素材を複数のチャネル・形式で展開することで、制作コストを抑えながら、異なる層にリーチすることができます。
リパーパスのポイント
単に同じ内容を別形式にするだけでなく、各チャネルの特性に合わせてアレンジすることが重要です。記事向けの詳細な説明をそのままSNS投稿にしても、読まれにくいでしょう。
また、リパーパスを前提として最初の企画を設計しておくと、効率が上がります。たとえば、ウェビナーを企画する段階で「このウェビナーの内容は記事3本とショート動画5本に展開できる」と考えておくことで、制作プロセス全体を最適化できます。
コンテンツマーケティングでは、「コンテンツそれ自体」に価値があるのではなく、「コンテンツを通じて生まれるコミュニケーション」に価値があります。同じ情報でも、相手の状況や接点によって、どの形式で届けるのが最適かは変わってきます。リパーパスは、この考え方を実践するための具体的な手法でもあるのです。
まとめ
コンテンツマーケティングにはさまざまな種類のコンテンツがあり、それぞれに特徴と適した活用シーンがあります。記事コンテンツやホワイトペーパーといったテキスト系、動画やウェビナーといった動画・音声系、SNS投稿やインフォグラフィックといったSNS・ビジュアル系など、選択肢は多岐にわたります。
本記事で解説した内容を改めて整理すると、以下のようになります。
コンテンツの基本形式
- テキスト形式:記事、ホワイトペーパー、メルマガ、事例紹介
- 動画形式:YouTube、ウェビナー、製品デモ
- 音声形式:ポッドキャスト
- ビジュアル形式:インフォグラフィック、SNS投稿、ショート動画
種類選定の判断基準
- 自社のターゲットが情報収集するチャネルはどこか
- 伝えたい情報に適した形式はどれか
- 社内で継続的に制作できる体制があるか
- 成果が出るまでの期間と投資対効果はどうか
効果的な運用のポイント
- すべてに手を広げず、優先順位をつけて取り組む
- カスタマージャーニーに沿ってコンテンツを配置する
- リパーパス(再利用)で効率的にコンテンツを展開する
- 公開して終わりではなく、継続的に改善する
重要なのは、自社の目的とターゲットに合ったコンテンツを選び、継続的に質の高い発信を続けることです。すべての種類に手を広げるのではなく、優先順位をつけて取り組み、成果を見ながら改善していくアプローチが、限られたリソースで最大の効果を得るための鍵となります。
コンテンツマーケティングは即効性のある施策ではありません。成果が出るまでに時間がかかることを理解した上で、中長期的な視点で取り組む必要があります。しかし、一度軌道に乗れば、広告に依存しない持続的な集客基盤を構築できる可能性があります。
コンテンツは「作って終わり」ではなく、「育てて活かす」ものです。自社の強みを活かせる種類を選び、読者にとって価値のある情報を継続的に発信することで、信頼を築き、成果につなげていただければ幸いです。
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