
コンテンツマーケティングとSEOの違いを解説|連携で成果を出す方法
コンテンツマーケティングとSEOは、どちらもWebマーケティングにおいて重要な施策として認知されています。多くの企業がオウンドメディアを立ち上げ、記事コンテンツを発信することで、集客や売上向上を目指すようになりました。
一方で、以下のような声も増えています。
- コンテンツマーケティングとSEOの違いが分からず、施策の方向性が定まらない
- 記事は公開しているが、アクセスは増えてもコンバージョンにつながらない
- 両施策をどう連携させればいいのか分からない
そこで本記事では、コンテンツマーケティングとSEOの違いを明確にし、両施策を正しく連携させて成果を出すための考え方と実践方法について解説します。それぞれの定義や目的の違いを理解した上で、自社に最適な施策の組み合わせを判断できるようになることを目指しています。
目次
コンテンツマーケティングとSEOはどう違うのか
コンテンツマーケティングとSEOは、どちらもWebマーケティングの文脈でよく語られる施策です。しかし、両者は目的も手段も異なるものであり、正確に区別して理解することが、成果を出すための第一歩となります。
コンテンツマーケティングの定義と目的
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある情報を継続的に提供することで、顧客との関係性を構築し、最終的に購買やお問い合わせといった成果につなげるマーケティング手法です。
重要なのは、コンテンツマーケティングの目的が「集客」ではなく「関係構築」にあるという点です。商品やサービスを一方的に売り込むのではなく、見込み客が抱える課題や興味に寄り添った情報を提供し続けることで、信頼を獲得していきます。
コンテンツマーケティングで活用されるチャネルは多岐にわたります。ブログ記事だけでなく、動画、ホワイトペーパー、メールマガジン、SNS投稿、セミナーなど、ユーザーとの接点となるあらゆるコンテンツが対象となります。
BtoB企業の場合、コンテンツマーケティングは特に効果を発揮しやすいと言えます。BtoB商材は購入までの検討期間が長く、意思決定に複数の関係者が関わることが一般的です。そのため、継続的に価値ある情報を提供し、検討期間を通じて関係性を維持することが、最終的な受注につながります。
コンテンツマーケティングの成果指標としては、コンバージョン数(資料請求、問い合わせ、無料トライアル申込など)、顧客生涯価値(LTV)、ブランド認知度などが挙げられます。アクセス数だけでなく、そこからどれだけ実際のビジネス成果につながったかを測定することが重要です。
SEOの定義と目的
SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、自社サイトを上位表示させるための施策です。
SEOの目的は明確で、「検索エンジンからの集客を増やすこと」にあります。ユーザーが何かを知りたい、何かを解決したいと思って検索したときに、自社サイトが検索結果に表示され、クリックされることを目指します。
SEOは大きく「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」に分類できます。テクニカルSEOは、サイト構造の最適化、ページ表示速度の改善、モバイル対応など、技術的な側面からの施策を指します。コンテンツSEOは、検索ユーザーにとって有益なコンテンツを作成し、検索上位表示を狙う施策です。
SEOの成果指標としては、検索順位、オーガニック流入数、クリック率(CTR)などが挙げられます。これらの指標は「どれだけ集客できたか」を測るものであり、コンバージョンまでは直接的には測定しません。
検索エンジンは、ユーザーに最も役立つ情報を提供することを目的としています。そのため、SEOで成果を出すためには、検索ユーザーの意図を正確に把握し、その意図に応えるコンテンツを提供することが不可欠です。小手先のテクニックではなく、ユーザーにとって価値のある情報を提供することが、結果的に検索上位表示につながります。
コンテンツSEOという考え方
コンテンツSEOとは、コンテンツマーケティングの一手法であり、検索エンジンをタッチポイント(顧客接点)としたマーケティング施策です。検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツを継続的に発信し、検索エンジンからの集客を図ります。
コンテンツSEOは、コンテンツマーケティングとSEOの両方の要素を持っています。SEOの観点からは「検索上位表示を狙う」、コンテンツマーケティングの観点からは「ユーザーに価値を提供する」という二つの目的を同時に追求します。
この施策の強みは、一度検索上位を獲得すれば、広告費をかけずに継続的な集客が可能になる点です。良質なコンテンツは「資産」として機能し、長期間にわたって流入をもたらします。
ただし、コンテンツSEOはあくまでコンテンツマーケティングの一部であることを忘れてはいけません。検索エンジンからの集客は、ユーザーとの接点を作る「入口」に過ぎません。その先のコンバージョンや関係構築まで含めて設計しなければ、アクセスは増えても成果にはつながりません。
整理すると、以下のような関係性になります。
| 施策 | 目的 | 主なチャネル | 成果指標 |
|---|---|---|---|
| コンテンツマーケティング | 顧客との関係構築、購買促進 | ブログ、動画、ホワイトペーパー、SNS、メルマガなど | コンバージョン数、LTV |
| SEO | 検索エンジンからの集客 | 検索エンジン | 検索順位、オーガニック流入数 |
| コンテンツSEO | 検索経由でのユーザー獲得 | 検索エンジン(コンテンツ経由) | 検索順位、コンテンツ経由のCV |
このように、三者はそれぞれ異なる目的と役割を持っています。これらを混同してしまうと、施策の方向性がぶれ、期待した成果を得られなくなってしまいます。
両施策を混同すると成果が出ない理由
コンテンツマーケティングとSEOを混同している企業は、しばしば「記事を公開しても成果が出ない」という壁にぶつかります。なぜ混同すると成果につながらないのか、その理由を具体的に見ていきましょう。
集客だけでは売上につながらない
SEOに注力して検索上位を獲得し、月間のアクセス数が大幅に増加したとしても、それだけでは売上にはつながりません。これは、多くの企業が陥りがちな失敗パターンです。
検索エンジンから訪れるユーザーは、何かを「知りたい」という目的を持っています。例えば「コンテンツマーケティングとは」というキーワードで検索するユーザーは、概念を理解したいという情報収集段階にあります。この段階のユーザーに対して、いきなり「お問い合わせはこちら」と促しても、コンバージョンにはつながりにくいでしょう。
コンテンツマーケティングの視点で言えば、ユーザーの「態度」に合わせたコンテンツ設計が必要です。態度とは、ユーザーが商品・サービスに対して持っている心理状態のことで、一般的に「認知→関心→比較検討→購買」というステージで変化していきます。
情報収集段階のユーザーには、まず有益な情報を提供して信頼を獲得することが先決です。その上で、次のステージに進んでもらうための導線を設計する必要があります。SEOで集客することだけに意識が向いてしまうと、この「態度変容」の設計がおろそかになりがちです。
弊社の経験でも、アクセス数は十分にあるのにコンバージョンが生まれないというケースでは、ほとんどの場合、集客後の導線設計に問題がありました。コンテンツは「情報を詰め込む箱」ではなく、「読者とのコミュニケーションを生み出すきっかけ」として捉え直すことが重要です。
コンバージョン導線が設計されていない
記事を公開してアクセスを集めても、そこから次のアクションにつなげる導線がなければ、ユーザーは記事を読んで離脱してしまいます。
コンバージョン導線とは、ユーザーをお問い合わせや資料請求といった成果に導くための仕組みのことです。具体的には、以下のような要素が含まれます。
- CTA(Call To Action)の設置と最適化
- 関連コンテンツへの内部リンク
- サービスページへの適切な誘導
- ユーザーの検討段階に合わせたオファー
特に重要なのは、ユーザーの検討段階に合わせたオファーを用意することです。情報収集段階のユーザーには「無料のホワイトペーパー」、比較検討段階のユーザーには「無料相談」というように、ユーザーが「ハードルを感じにくいアクション」を設計することが効果的です。
SEOだけに意識が向いていると、「検索上位を取ること」がゴールになってしまい、その先のコンバージョン導線まで考えが及ばないことがあります。結果として、アクセスは増えてもビジネス成果につながらない「行き止まり」のコンテンツになってしまいます。
ある企業では、検索上位を獲得した記事について、記事内CTAやUIの設計・改修を徹底的に行いました。ユーザーの状況・動機・ニーズに応じてCTA配置や訴求内容をチューニングした結果、CTAクリック率が大幅に向上。さらに、CTAクリックが増えるとお問い合わせフォームでの離脱が課題化したため、フォーム項目の簡略化やUI見直しなどEFO施策も実施しました。
このように、コンテンツの内容自体は変えていないにもかかわらず、導線を整備しただけで成果が変わることは珍しくありません。SEOで集客した後の「コンバージョンまでの設計」がいかに重要かを示す好例です。
成果指標がずれている
コンテンツマーケティングとSEOを混同していると、成果指標の設定も曖昧になりがちです。何をもって「成功」とするのかが不明確なまま施策を進めてしまい、結果として効果的な改善ができなくなります。
よくある失敗パターンとして、以下のようなケースが挙げられます。
- リード獲得が目的なのに、PV数を主要KPIに設定している
- コンバージョンを追っているのに、検索順位ばかり気にしている
- ブランディングが目的なのに、短期的な成果を求めている
本来、成果指標は「最終的に何を達成したいのか」という目的から逆算して設定すべきものです。リード獲得が目的であれば、最も重要な指標はリード数(お問い合わせ数、資料ダウンロード数など)であり、PV数や検索順位は中間指標として位置づけられます。
SEOの指標(検索順位、オーガニック流入数)とコンテンツマーケティングの指標(コンバージョン数、CVR)を混同せず、それぞれの役割に応じた指標を設定することが重要です。
また、コンテンツマーケティングは中長期的な施策であることを理解しておく必要があります。SEOでコンテンツが評価されるまでには一定の時間がかかり、成果が出るまで半年から1年程度を要することも珍しくありません。短期的な成果を求めすぎると、施策を途中で打ち切ってしまい、本来得られたはずの成果を逃してしまうことになります。
コンテンツマーケティングとSEOの連携で成果を出す方法
コンテンツマーケティングとSEOは、正しく連携させることで相乗効果を生み出します。ここでは、両施策を効果的に組み合わせるための具体的な方法を解説します。
両施策の役割分担を明確にする
まず重要なのは、コンテンツマーケティングとSEOそれぞれの役割を明確に定義することです。両者は補完関係にあり、それぞれが得意とする領域が異なります。
SEOの役割は「見込み客を見つけてもらう」こと、つまり集客です。検索エンジンを通じて、自社の存在を知らない潜在顧客との接点を作ります。特定のキーワードで検索するユーザーは、明確なニーズを持っているため、適切なコンテンツを提供できれば効率的に見込み客を獲得できます。
一方、コンテンツマーケティングの役割は「見込み客を顧客に育てる」こと、つまり関係構築です。SEOで獲得した見込み客に対して、継続的に価値ある情報を提供し、信頼を醸成していきます。最終的には、購買やお問い合わせといったアクションにつなげます。
この役割分担を踏まえると、両施策の連携は以下のように整理できます。
| フェーズ | SEOの役割 | コンテンツマーケティングの役割 |
|---|---|---|
| 認知 | 検索経由での接点創出 | 有益な情報提供による信頼獲得 |
| 興味・関心 | 関連キーワードでの継続的な接触 | 課題解決につながるコンテンツ提供 |
| 比較検討 | 「比較」「おすすめ」系キーワードでの集客 | 自社の強みを伝えるコンテンツ |
| 購買 | 指名検索での流入確保 | コンバージョンへの導線設計 |
このように、フェーズごとに両施策が異なる役割を担うことで、見込み客の態度変容を効果的に促すことができます。
事例に学ぶ:集客とCV改善の両輪で成果を出したケース
ある企業では、オウンドメディアを活用したオーガニック検索強化を決定し、SEOとコンテンツマーケティングを連携させる取り組みを行いました。
この企業は当初、広告出稿やアウトバウンド営業でリード獲得を行っていましたが、コスト上昇と人的リソース逼迫により継続的なリード獲得が困難な状況でした。長期的なリード獲得チャネルとして、オウンドメディアを用いたオーガニック検索強化を決定したのです。
キーワード設計においては、検索ボリュームではなく「ツール・サービスの検討段階で検索されるキーワード」に絞りました。業界特有の専門用語との掛け合わせキーワードを設計し、最初は最重要な3つのキーワードに狙いを定め、成功体験を作って運用を加速させる戦略を取りました。
さらに重要だったのは、検索上位を獲得した記事について、記事内CTAやUIの設計・改修を徹底したことです。ユーザーの状況・動機・ニーズに応じてCTA配置や訴求内容をチューニングし、CVR改善も並行して進めました。
その結果、立ち上げ半年で月数十件、1年後には月100件を超えるお問い合わせが生まれることとなりました。それまでオーガニック検索からのお問い合わせはほとんど発生しておらず、社内にも大きなインパクトを与えました。さらに、広告費や営業リソースは大幅に削減され、最終的には広告・営業コストはゼロになったのです。
この事例から得られる重要な学びは、以下の3点です。
- SEOだけでなくCVR改善も同時に行う: 検索上位を獲得しても、導線設計が不十分ではリードは生まれない
- 最初から大量のキーワードを狙わない: スモールスタートで成功体験を作り、運用を加速させる
- ユーザーの状況に応じたCTA設計: 一律のCTAではなく、ユーザーのニーズに合わせたチューニングが重要
カスタマージャーニーに沿った設計
両施策を連携させる上で、カスタマージャーニーの視点は欠かせません。カスタマージャーニーとは、見込み客が商品・サービスを認知してから購買に至るまでの一連の流れを可視化したものです。
カスタマージャーニーを設計する際のポイントは以下の3点です。
ユーザーニーズの特定 各フェーズでユーザーが求めている情報は何かを明らかにします。認知段階では基礎知識、検討段階では比較情報、決定段階では導入事例など、フェーズによって求められる情報は異なります。
キーワードとコンテンツの紐付け 各フェーズでユーザーが検索しそうなキーワードを洗い出し、それに対応するコンテンツを設計します。例えば、認知段階では「〇〇とは」、検討段階では「〇〇 比較」「〇〇 選び方」といったキーワードが考えられます。
態度変容のトリガー設計 あるフェーズから次のフェーズに進んでもらうためのきっかけを設計します。記事を読んだ後に「もっと詳しく知りたい」と思ってもらえるようなCTA、関連コンテンツへの誘導などが該当します。
弊社では、クライアントの支援においてまずカスタマージャーニーを作成し、そこからキーワード戦略とコンテンツ戦略を導き出すアプローチを取っています。この順序で設計することで、SEOとコンテンツマーケティングが自然に連携した施策を組み立てることができます。
ある企業の支援では、ターゲットの調査分析やカスタマージャーニーの整理を通じて、「誰に、なにを届けるか」という顧客起点の発想に切り替えることで、リード数が昨対比115%に成長しました。それまでは「なにをやるか」が発想の起点となっていたため、オウンドメディアが乱立し、データの整備も十分でない状況でした。カスタマージャーニーを起点にした設計に変えたことで、明確な方針に基づいた施策の推進が可能になり、事業に貢献する成果が生まれたのです。
E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作
Googleは、コンテンツの品質を評価する際にE-E-A-Tという基準を重視しています。E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったものです。
この基準は、SEOにおいても、コンテンツマーケティングにおいても重要な指針となります。
Experience(経験) 実体験に基づく情報が評価されます。自社で実際に取り組んだ事例、成功・失敗から得た学び、現場で培ったノウハウなど、一次情報としての価値が高いコンテンツが求められます。これは、他サイトからの転載や一般論の羅列では得られない、自社ならではの強みになります。
Expertise(専門性) 特定分野における深い知識が示されているかが評価されます。表面的な情報ではなく、専門家としての見解や詳細な解説が含まれていることが重要です。コンテンツマーケティングにおいても、専門性の高い情報は読者の信頼獲得につながります。
Authoritativeness(権威性) その分野で認知されているか、他サイトから参照されているかが評価されます。被リンクの獲得や、業界での認知度向上はSEOとブランディングの両面で効果を発揮します。
Trustworthiness(信頼性) 情報の正確性、透明性が評価されます。誤った情報を発信しないこと、情報源を明示すること、運営者情報を公開することなどが求められます。企業がコンテンツを発信する以上、信頼性の担保は大前提となります。
E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作は、SEOでの上位表示と、コンテンツマーケティングでの関係構築の両方に貢献します。特に「経験」の要素は、自社の実務経験から生まれる独自の視点であり、競合との差別化につながる重要な要素です。
実践ステップと成功のポイント
ここからは、コンテンツマーケティングとSEOを連携させて実践するための具体的なステップを解説します。
キーワード選定から始める
コンテンツSEOを実践する上で、キーワード選定は最も重要なステップと言えます。どのキーワードを狙うかによって、集客できるユーザー層、コンテンツの方向性、最終的な成果が大きく変わってきます。
キーワード選定の基本的な流れは以下の通りです。
ステップ1: マストキーワードの決定 事業成果に直結するキーワードを選定します。自社のサービスや商品に関連し、見込み客が検索する可能性の高いキーワードが対象となります。
ステップ2: カスタマージャーニーとの紐付け 選定したキーワードが、カスタマージャーニーのどのフェーズに該当するかを整理します。認知段階のキーワードばかりに偏ると、コンバージョンにつながりにくくなります。
ステップ3: 関連キーワードの洗い出し マストキーワードに関連するキーワードを網羅的に抽出します。Googleのキーワードプランナーやサジェスト機能を活用することで、ユーザーが実際に検索しているキーワードを把握できます。
ステップ4: 優先順位の決定 検索ボリューム、競合性、コンバージョンへの近さを基準に、どのキーワードから対策するか優先順位を決めます。リソースが限られている場合は、成果につながりやすいキーワードから着手することが効率的です。
キーワード選定で重要なのは、「検索ボリュームが大きいキーワード」を選ぶことではなく、「自社の成果につながるキーワード」を選ぶことです。検索ボリュームが大きくても、コンバージョンにつながらないキーワードでは、リソースの無駄遣いになってしまいます。
弊社の支援実績でも、検索ボリュームではなく「ツール・サービスの検討段階で検索されるキーワード」に絞ったことで、効率的にリード獲得につなげたケースがあります。多岐にわたるサービスの中から最重要な3つに狙いを定め、まず成功体験を作ってから運用を加速させる戦略は、特にリソースが限られている企業に有効です。
検索意図に合致したコンテンツ制作
キーワードを選定したら、次はそのキーワードで検索するユーザーの「検索意図」を分析します。検索意図とは、ユーザーが特定のキーワードで検索する際の目的や、背景にあるニーズのことです。
検索意図は大きく4つに分類できます。
| 分類 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| ナビゲーショナル | 特定のサイト・ページに行きたい | 「Google Analytics ログイン」 |
| インフォメーショナル | 情報を知りたい | 「コンテンツマーケティングとは」 |
| トランザクショナル | 何かをしたい・購入したい | 「MAツール 資料請求」 |
| コマーシャル | 購入前に比較検討したい | 「MAツール 比較」 |
同じキーワードでも、ユーザーによって検索意図は異なる場合があります。そのため、実際に検索結果を確認し、Googleがどのようなコンテンツを上位表示しているかを分析することが重要です。上位表示されているコンテンツは、Googleが「このキーワードにはこのような情報が求められている」と判断した結果だからです。
検索意図に合致したコンテンツを制作するためのポイントは以下の通りです。
- 検索結果の上位10サイトを分析し、共通して含まれている要素を把握する
- サジェストキーワードや関連検索キーワードから、ユーザーの周辺ニーズを把握する
- ユーザーが「なぜこのキーワードで検索したのか」「何を解決したいのか」を考える
- 検索意図に対する回答を、コンテンツの冒頭で明確に示す
コンテンツ制作においては、「ユーザーの課題を解決する」という視点を常に持つことが重要です。検索エンジン向けのテクニックに終始するのではなく、読者にとって価値のある情報を提供することが、結果として検索上位表示とコンバージョン獲得の両方につながります。
継続的な改善とメンテナンス
コンテンツは公開して終わりではなく、継続的な改善とメンテナンスが必要です。検索エンジンのアルゴリズムは常に進化し、ユーザーのニーズも変化するため、コンテンツも更新し続ける必要があります。
メンテナンスが必要なコンテンツの例としては、以下が挙げられます。
- 検索順位が下降したコンテンツ
- 順位は高いがクリック率が低いコンテンツ
- アクセスは多いがコンバージョンにつながっていないコンテンツ
- 情報が古くなったコンテンツ
特に注目すべきは、「アクセスは多いがコンバージョンにつながっていないコンテンツ」です。これは集客には成功しているものの、その先の設計に課題があることを示しています。CTAの見直し、導線の改善、オファーの変更などを検討することで、既存のアクセスから成果を生み出せる可能性があります。
リライト(既存コンテンツの改善)の際には、以下の点を確認します。
- 検索意図との整合性は取れているか
- 最新の情報に更新されているか
- 見出し構造は適切か
- CTAは適切な位置に配置されているか
- 内部リンクは最適化されているか
コンテンツマーケティングとSEOは、どちらも中長期的な視点での取り組みが求められます。すぐに成果が出なくても、継続的に改善を重ねることで、徐々にコンテンツの価値が蓄積されていきます。
CVR改善とコンテンツSEOの両立
ある企業では、サービスサイトの地道な改善と、コンテンツSEO施策を愚直に強化し続けた結果、リード数が昨対比115%を達成しました。特に効果的だったのは、短期的な施策として取り組んだCVR改善です。もともと指名検索からの流入が多かったトップページにおいて、離脱を改善したことが早期に成果を生むことにつながりました。
並行して、検索意図に基づいた記事制作を徹底したことで、これまで獲得できていなかった層を新たに集客でき、リード拡大の新たな基盤を構築することができました。
この取り組みを通じて、数値面だけでなく組織にも変化が表れました。「なにをやるか」が発想の起点となっていた状態から、「誰に、なにを届けるか」という顧客起点の発想に切り替わったのです。それが明確な方針に基づいた施策の推進につながり、事業に貢献する成果が生まれることとなりました。
よくある失敗パターンと対策
最後に、コンテンツマーケティングとSEOに取り組む中で陥りやすい失敗パターンと、その対策を紹介します。
コンテンツ量産による質の低下
「コンテンツは資産になる」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。確かに、良質なコンテンツは長期間にわたって集客に貢献し、資産として機能します。しかし、この言葉を誤解し、「とにかく数を増やせば資産になる」と考えてしまうと、質の低いコンテンツを量産することになりかねません。
質の低いコンテンツには、以下のようなリスクがあります。
- 読者の期待に応えられず、ブランドイメージを損なう
- 低品質コンテンツの割合が高くなると、サイト全体の評価が下がる
- メンテナンスコストが増大し、運用負担が増える
コンテンツは「価値を生むものもあれば、生まないものもある」という認識を持つことが重要です。ビジネスの目的に合致し、読者に価値を提供できるコンテンツだけが、真の意味で「資産」となります。
対策としては、記事数を追い求めるのではなく、1記事あたりの品質を重視することが挙げられます。限られたリソースを分散させるよりも、少数でも質の高いコンテンツを制作した方が、長期的には成果につながりやすいと言えます。
ある企業では、乱立していたオウンドメディアを統合し、運用基盤を整備することから始めました。各オウンドメディアのSEO評価やキーワード獲得状況を分析し、もっとも効率的に評価を得やすい運用体制を策定。キーワード設計に応じて、新たに作るべき記事、既存内容を活かす記事、閉じる記事というように、数百ある記事の対応をすべて可視化させました。
このような「棚卸し」を行うことで、コンテンツの重複やSEO評価の分散を解消し、限られたリソースで最大の成果を得られる体制を構築できたのです。
短期間での成果を期待しすぎる
コンテンツマーケティングとSEOは、どちらも成果が出るまでに時間がかかる施策です。特にSEOでは、コンテンツが検索エンジンに評価されるまでに一定期間を要するため、公開してすぐに上位表示されることはほとんどありません。
短期間での成果を期待しすぎると、以下のような問題が生じます。
- 効果が出る前に施策を打ち切ってしまう
- 焦って小手先のテクニックに走ってしまう
- 中長期的な戦略を軽視してしまう
弊社の支援経験では、成果が安定するまでに半年から1年程度かかることが一般的です。この期間を「投資期間」として捉え、継続的にコンテンツを発信し続けることが、最終的な成果につながります。
対策としては、短期・中期・長期それぞれの指標を設定することが有効です。短期的にはコンテンツ公開数や検索順位の変動を追い、中期的にはオーガニック流入数の増加を、長期的にはコンバージョン数やROIを測定します。段階的な指標があることで、進捗を確認しながら施策を継続できます。
戦略なきコンテンツ制作
「何を書けばいいか分からないから、とりあえず書きやすいテーマから書く」という進め方は、成果につながりにくい典型的なパターンです。戦略なくコンテンツを制作すると、以下のような問題が生じます。
- ターゲットがばらばらで、どのペルソナにも刺さらない
- キーワードがカニバリゼーション(共食い)を起こす
- コンバージョンにつながるキーワードが対策されない
- コンテンツ間の関連性がなく、サイト全体の専門性が示せない
弊社では、コンテンツ制作に着手する前に、必ず以下の戦略設計を行います。
- 目的と成果指標の明確化
- ターゲット(ペルソナ)の設定
- カスタマージャーニーの作成
- キーワード戦略の策定
- コンテンツカレンダーの作成
この戦略設計があることで、「何を、誰に向けて、どのような順序で発信するか」が明確になり、一貫性のあるコンテンツ展開が可能になります。
特に重要なのは、「ビジネスの目的から逆算する」という視点です。リード獲得が目的であれば、コンバージョンに近いキーワードから優先的に対策する。認知拡大が目的であれば、検索ボリュームの大きいキーワードを狙う。目的によって最適なアプローチは異なります。
ある企業では、PV重視だったオウンドメディアを、CV重視の方針に転換することで成果を大きく伸ばしました。当初は「PVが伸びてきたオウンドメディアをどう伸ばすか」という議論がなされていましたが、そもそもリード獲得につながる集客ができていなかったのです。
そこで、ターゲット商材を定め、キーワードを定め、そのためのコンテンツ運用という順序に大きくシフト。成果から逆算した設計・運用に転換した結果、半期で約100件程度だったリード件数は、立ち上げ1年で約1,000件と10倍に拡大しました。
まとめ
コンテンツマーケティングとSEOは、似て非なる施策です。SEOは「検索エンジンからの集客」を目的とし、コンテンツマーケティングは「顧客との関係構築と購買促進」を目的としています。両者を混同すると、アクセスは増えてもコンバージョンにつながらない、という状況に陥りやすくなります。
成果を出すためには、両施策の役割を明確にし、カスタマージャーニーに沿った設計を行うことが重要です。SEOで集客した見込み客を、コンテンツマーケティングで育成し、最終的にコンバージョンにつなげる。この流れを意識することで、両施策の相乗効果を最大化できます。
また、E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作、継続的な改善とメンテナンス、戦略に基づいた施策の実行が、長期的な成果につながります。コンテンツは量ではなく質が重要であり、ビジネスの目的に合致したコンテンツだけが真の「資産」となることを忘れないでください。
コンテンツマーケティングとSEOの正しい関係性を理解し、自社に最適な施策の組み合わせを見つけることが、Webマーケティングで成果を出すための第一歩となります。
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