コンテンツマーケティングの費用対効果とは?計算方法と改善のポイント

コンテンツマーケティングの費用対効果とは?計算方法と改善のポイント

デジタルマーケティングの主要施策として、コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えています。オウンドメディアやSEO記事、ホワイトペーパーなどを通じて見込み客との接点を持ち、長期的な関係構築を目指す手法として定着しつつあります。

一方で、以下のような声も増えています。

  • いくら投資すればどれくらいの成果が出るのか見当がつかない
  • 始めてみたものの、費用対効果が適正なのか判断できない
  • 経営陣への説明に使える数値的な根拠がほしい

そこで本記事では、コンテンツマーケティングの費用対効果について、基本的な考え方から計算方法、費用相場、改善のポイントまで解説します。投資判断に必要な視点を整理し、自社に適した取り組み方を検討するための参考にしてください。

コンテンツマーケティングにおける費用対効果の基本的な考え方

コンテンツマーケティングの費用対効果を正しく評価するためには、まずこの施策特有の性質を理解しておく必要があります。Web広告のような即効性のある施策とは異なる特性を持つため、評価の視点も変えなければなりません。

費用対効果(ROI)とは何か

費用対効果は、投資に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標です。英語ではROI(Return on Investment)と呼ばれ、マーケティング施策の評価において広く使われています。

基本的な計算式は次のとおりです。

ROI(%) = (利益 - 投資額) / 投資額 × 100

例えば、コンテンツマーケティングに月額50万円を投資し、それによって生まれたリードから100万円の利益が得られた場合、ROIは100%となります。投資額と同額の利益が得られたことを意味します。

ただし、コンテンツマーケティングにおいてはこの単純な計算だけでは不十分です。なぜなら、コンテンツは公開後も継続的に効果を発揮し続けるからです。今月作成したコンテンツが来月も、半年後も、1年後もリードを生み出す可能性があります。

このため、短期的なROIだけでなく、中長期的な視点での投資回収を見据えた評価が必要になります。

コンテンツマーケティング特有の費用対効果の特性

コンテンツマーケティングには、他のマーケティング施策とは異なる独自の特性があります。費用対効果を評価する際には、これらの特性を正しく理解しておくことが重要です。

まず、成果が出るまでに時間がかかります。検索エンジンからの流入を主な集客チャネルとする場合、コンテンツがGoogleに評価され、安定した順位を獲得するまでに半年から1年以上かかることが一般的です。初期段階ではROIがマイナスになることを前提として、中長期的な計画を立てる必要があります。

次に、時間経過とともにROIが向上していきます。広告のように予算を使い続けなければ効果が止まる施策とは異なり、一度公開したコンテンツは追加費用なしで機能し続けます。運用期間が長くなるほど、初期投資を回収した後は利益率が高まっていく傾向にあります。

さらに、コンテンツは必ずしも資産になるとは限りません。「コンテンツは資産になる」という表現はよく聞かれますが、実際には価値を生み続けるコンテンツもあれば、ほとんど読まれないまま放置されるコンテンツもあります。質の低いコンテンツを量産しても、むしろサイト全体の評価を下げ、負債になる可能性があります。

費用対効果を最大化するには、闇雲にコンテンツを増やすのではなく、ビジネス目的に合致した質の高いコンテンツを計画的に制作し、継続的に改善していく姿勢が求められます。

Web広告との費用対効果の違い

コンテンツマーケティングとWeb広告は、費用対効果の現れ方が大きく異なります。両者の違いを理解することで、自社に適した施策の組み合わせを検討できるようになります。

Web広告の特性として、即効性があり、予算を投下すればすぐに成果が見え始めます。クリック単価やコンバージョン単価が明確で、ROIの計算も比較的シンプルです。ただし、広告配信を止めると同時に集客も止まるため、継続的な予算投下が必要になります。

一方、コンテンツマーケティングは初期段階では成果が見えにくいものの、時間の経過とともに効果が蓄積されていきます。公開後にかかる費用は最小限で済むため、長期的に見ると広告よりも効率的になる可能性があります。

両者を組み合わせて活用するケースも多く見られます。短期的な成果が必要な場面では広告を活用し、中長期的な基盤づくりとしてコンテンツマーケティングに取り組むという使い分けです。

重要なのは、それぞれの施策が持つ特性を理解した上で、自社の事業状況や目標に応じて適切な投資配分を決めることです。どちらが優れているという話ではなく、目的に応じた使い分けが成果を左右します。

費用対効果を算出するために必要な要素

コンテンツマーケティングのROIを正確に計算するには、「効果」と「費用」の両面を正しく把握する必要があります。特にBtoB企業においては、リード獲得から受注までのプロセス全体を視野に入れた設計が求められます。

「効果」として計測すべき指標

コンテンツマーケティングの効果は、ビジネスの目的によって見るべき指標が変わります。ここでは、代表的な目的ごとに計測すべき指標を整理します。

リード獲得が目的の場合

BtoB企業に多いパターンです。最終的に計測すべきは、コンテンツ経由で獲得したリードの数と、そこからの商談化率・受注率です。

  • CV数(資料請求、問い合わせ、ホワイトペーパーダウンロードなど)
  • CVR(コンバージョン率)
  • CPA(顧客獲得単価)
  • 商談化数・商談化率
  • 受注数・受注率
  • 受注単価

リード数だけを見ていると、質の低いリードを大量に獲得しても成功に見えてしまいます。実際には、そこからどれだけ商談化・受注に至ったかが重要です。マーケティング部門とセールス部門が連携し、リードの質まで含めて評価する体制が必要になります。

認知拡大が目的の場合

ブランドの認知度を高めることが主目的の場合は、以下の指標が参考になります。

  • PV数(ページビュー)
  • UU数(ユニークユーザー)
  • セッション数
  • 指名検索数(社名やサービス名での検索数)
  • SNSでのシェア数・言及数

認知拡大は直接的な売上につながりにくいため、ROIの計算が難しくなります。ただし、長期的には指名検索の増加やブランド認知度の向上が商談数の増加に寄与するため、間接的な効果として評価する視点が必要です。

「費用」として把握すべき項目

コンテンツマーケティングにかかる費用は、初期費用と運用費用に大別されます。正確なROIを算出するためには、見落とされがちな隠れたコストまで含めて把握することが重要です。

初期費用

  • 戦略策定費用(ペルソナ設定、カスタマージャーニー設計など)
  • サイト構築費用(オウンドメディアの立ち上げなど)
  • 分析基盤の構築費用

運用費用

  • コンテンツ制作費用(記事制作、デザイン、動画制作など)
  • 運用管理費用(CMS利用料、サーバー費用など)
  • 分析・改善にかかる費用
  • 人件費(社内リソースを使う場合も工数を費用換算する)

見落とされがちなのが、社内担当者の人件費です。外注費用だけでなく、企画・ディレクション・確認作業などに社内のリソースを使う場合は、その工数も費用として計上すべきです。

また、コンテンツの更新やリライトにかかるメンテナンス費用も忘れてはなりません。公開して終わりではなく、継続的な改善を行う場合は、その費用も含めて計算する必要があります。

ROIの具体的な計算方法と例

実際にコンテンツマーケティングのROIを計算する例を見てみましょう。

想定条件

  • コンテンツマーケティングへの月額投資:50万円(制作費40万円+運用費10万円)
  • 月間CV数:20件(資料請求)
  • 商談化率:30%(6件の商談)
  • 受注率:33%(2件の受注)
  • 平均受注単価:100万円
  • 粗利率:50%

計算

月間の利益 = 受注数2件 × 受注単価100万円 × 粗利率50% = 100万円 ROI = (100万円 - 50万円) / 50万円 × 100 = 100%

この例では、投資額と同額の利益が得られており、ROI 100%という結果になります。

ただし、これは単月の計算です。コンテンツマーケティングでは、過去に制作したコンテンツが継続的に効果を発揮するため、累積で考えるとROIはさらに向上します。

例えば、初年度に600万円を投資して100本のコンテンツを制作し、2年目以降は追加費用なしでそのコンテンツが毎月同じリードを生み出し続けるとします。2年目のROIは投資ゼロに対して効果が続くため、理論上は無限大に近づきます。

このように、コンテンツマーケティングは時間軸を長く取るほど投資効率が高まる特性があります。単月や四半期ではなく、年単位での評価が適切です。

コンテンツマーケティングの費用相場

費用対効果を検討する上で、どのくらいの投資が必要かを把握しておくことは重要です。施策の種類や規模によって費用は大きく異なりますので、自社の目的と予算に合わせた選択が求められます。

施策別の費用目安

コンテンツマーケティングにはさまざまな施策があり、それぞれ費用感が異なります。以下は一般的な相場の目安です。

オウンドメディア構築

  • サイト設計・構築:100万〜300万円(規模や機能による)
  • CMS利用料:月額数千円〜数万円

SEO記事制作

  • 1記事あたり:5万〜15万円(取材の有無、専門性による)
  • 月間制作費用:20万〜50万円(4〜10本程度)

ホワイトペーパー制作

  • 1本あたり:10万〜30万円

SNS運用代行

  • 月額:20万〜50万円

分析・コンサルティング

  • 月額:10万〜40万円

これらの費用は、制作会社の規模や専門性、コンテンツの質、追加サービスの有無によって大きく変動します。安価な外注先を選んだ結果、質の低いコンテンツが量産され、かえって成果が出ないケースもあります。

費用を抑えることばかりを優先するのではなく、期待する成果に見合った投資ができているかという視点で判断することが重要です。

予算規模別の取り組み方

予算規模によって、取り組める施策の範囲は変わってきます。自社の予算に応じた現実的な計画を立てましょう。

月額10万円以下の場合

限られた予算の中では、まず1つの施策に集中することをお勧めします。SEO記事であれば月1〜2本の制作に絞り、質を重視した運用を行います。社内リソースを活用しながら、外注は最小限にとどめる形が現実的です。

月額10万〜30万円の場合

SEO記事を月5〜10本程度制作できる規模です。継続的な記事公開と基本的な分析・改善が可能になります。特定のテーマに集中してコンテンツを蓄積し、徐々に成果を積み上げていく段階です。

月額30万〜50万円の場合

複数の施策を組み合わせた運用が可能になります。SEO記事に加えて、ホワイトペーパー制作やメールマーケティングなど、リード獲得の仕組みを整備できます。コンサルティングを受けながら戦略的に運用することも選択肢に入ります。

月額50万円以上の場合

戦略設計から効果検証まで一貫した支援を受けることが可能です。専門の運用チームを組成し、データに基づいたPDCAサイクルを回しながら成果を最大化する段階です。

予算が大きければ成果が出るというわけではありません。重要なのは、予算規模に応じた適切な目標設定と、地に足のついた運用計画を立てることです。

内製と外注のコスト比較

コンテンツマーケティングを内製で行うか外注するかは、多くの企業が悩むポイントです。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて判断する必要があります。

内製のメリット

  • 社内のノウハウや専門知識を直接コンテンツに反映できる
  • 外注費用を抑えられる
  • 社内にナレッジが蓄積される
  • 柔軟な対応が可能

内製のデメリット

  • 担当者の工数が必要(人件費が発生)
  • SEOやライティングの専門知識が必要
  • 他業務との兼務による継続性の課題
  • 客観的な視点が得にくい

外注のメリット

  • 専門家のスキルを活用できる
  • 社内リソースを本業に集中できる
  • 客観的な視点からのコンテンツ制作
  • 安定した制作体制の確保

外注のデメリット

  • コストがかかる
  • 社内にノウハウが蓄積されにくい
  • コミュニケーションコストが発生
  • 業界知識の共有に時間がかかる場合がある

どちらが良いかは一概には言えませんが、多くの場合は両者のハイブリッド型が効果的です。戦略設計や重要なコンテンツの企画は社内で行い、制作実務は外部パートナーに任せるという形が一つの例です。

外注する場合も、丸投げにせず、自社のビジネス理解や専門知識を積極的に共有することで、質の高いコンテンツが生まれやすくなります。

費用対効果を高めるための実践ポイント

限られた予算の中で最大限の成果を出すためには、いくつかの重要なポイントがあります。闇雲に施策を増やすのではなく、効果的な取り組み方を押さえることが費用対効果の向上につながります。

カスタマージャーニーを起点とした設計

費用対効果を高める第一歩は、明確な戦略設計です。その核となるのがカスタマージャーニーの作成です。

カスタマージャーニーとは、見込み客が自社のサービスを認知してから購入に至るまでの一連のプロセスを可視化したものです。各段階においてユーザーが抱える課題やニーズを整理し、それに応えるコンテンツを設計することで、効率的にリードを獲得できるようになります。

例えば、BtoB企業のカスタマージャーニーを簡略化すると、以下のような段階があります。

  1. 認知段階:課題を感じているが、具体的な解決策を知らない
  2. 情報収集段階:解決策について調べ、選択肢を把握しようとしている
  3. 比較検討段階:複数の選択肢を比較し、導入先を絞り込んでいる
  4. 意思決定段階:最終的な判断を行い、導入を決定する

各段階に適したコンテンツを用意することで、ユーザーの態度変容を促し、効率的に商談・受注へとつなげることができます。

認知段階のユーザーに向けて「自社サービスの料金プラン」を伝えても響きません。逆に、比較検討段階のユーザーに「業界全般の基礎知識」を提供しても、購買決定の後押しにはなりにくいでしょう。

カスタマージャーニーを描くことで、どのフェーズのユーザーにどのようなコンテンツを届けるべきかが明確になり、投資の無駄を減らすことができます。

質と量のバランスを取るコンテンツ戦略

「質か量か」という議論がよく行われますが、費用対効果の観点からは両者のバランスが重要です。

質の低いコンテンツを量産しても、検索順位は上がらず、読者の信頼も得られません。むしろ、サイト全体の評価を下げる原因になることもあります。

一方で、質にこだわりすぎて月1本しか公開できないという状況も、成果が出るまでの時間を長引かせます。特にSEOにおいては、ある程度のコンテンツ量がないと検索エンジンからの評価を得にくい傾向があります。

バランスを取るためのポイントは以下のとおりです。

キーワードの優先順位をつける

すべてのキーワードに対して高品質なコンテンツを作る必要はありません。ビジネスインパクトの大きいキーワード(商談・受注に近いもの)には十分なリソースを投下し、そうでないものは必要最低限のコンテンツで対応するという使い分けが有効です。

コンテンツの種類を使い分ける

詳細な調査や取材が必要な大型コンテンツと、既存の知見をまとめた中規模コンテンツ、短時間で制作できる軽めのコンテンツを組み合わせることで、制作効率を高められます。

リライトを活用する

新規コンテンツの制作だけでなく、既存コンテンツのリライトも効果的です。すでに一定の評価を得ているコンテンツを改善することで、少ない労力で成果を向上させることができます。

継続的な改善サイクルの構築

コンテンツマーケティングで成果を出している企業に共通するのは、公開して終わりにしないという姿勢です。継続的な分析と改善を繰り返すことで、費用対効果は着実に向上していきます。

改善サイクルを回すために必要な要素は以下のとおりです。

定期的なパフォーマンス分析

月次や四半期ごとに、コンテンツのパフォーマンスを分析します。アクセス数、検索順位、CV数などの指標を確認し、成果が出ているコンテンツと改善が必要なコンテンツを特定します。

仮説に基づいた改善施策

分析結果をもとに、なぜ成果が出ているのか(または出ていないのか)を仮説立てし、改善施策を実行します。タイトルの変更、見出し構成の見直し、CTAの改善など、具体的な施策に落とし込みます。

効果検証と知見の蓄積

施策実行後は効果を検証し、うまくいった方法を社内のナレッジとして蓄積します。この繰り返しによって、徐々に勝ちパターンが見えてくるようになります。

また、コンテンツマーケティングの効果を最大化するには、コンテンツ制作だけでなく、営業との連携や組織体制の整備まで視野に入れることが必要になるケースもあります。リードの質を高めるには、マーケティング部門とセールス部門が共通のペルソナやカスタマージャーニーを持ち、双方向のフィードバックを行う体制が効果的です。

スモールスタートで成功体験を積み上げる

費用対効果を高めるうえで見落とされがちなのが、「最初から大きく始めない」という考え方です。

ある企業では、オウンドメディアの立ち上げにあたり、多岐にわたるサービス領域すべてを対象とするのではなく、最重要な3つのサービスに絞ってコンテンツSEOをスタートしました。検索ボリュームの大きさではなく、ツール・サービスの検討段階で検索されるキーワードに注力し、業界特有の専門用語や機器名称との掛け合わせキーワードを設計したのです。

この「スモールスタート戦略」のメリットは、早期に成功体験を作れることにあります。限られた範囲で成果が出ると、社内の理解も得やすくなり、追加予算や人員の確保もスムーズになります。その後、成功パターンを他の領域に横展開することで、効率的に全体の成果を拡大していくことができました。

結果として、この企業では立ち上げ半年で月数十件、1年後には月100件を超えるお問い合わせが生まれ、それまで広告やアウトバウンド営業に依存していたリード獲得体制が大きくシフトすることになりました。広告費や営業リソースは大幅に削減され、最終的には広告・営業コストがゼロになるという成果を達成しています。

このように、最初から全方位で取り組むのではなく、勝てる領域を見極めてリソースを集中させることが、費用対効果を高める近道となります。

費用対効果を評価する際の注意点

コンテンツマーケティングのROIを正しく評価するためには、いくつかの注意点があります。短絡的な判断を避け、適切な評価基準を持つことで、より良い意思決定ができるようになります。

成果が出るまでには時間がかかる

繰り返しになりますが、コンテンツマーケティングは即効性のある施策ではありません。特にSEOを軸とした取り組みでは、成果が見え始めるまでに半年から1年以上かかることが一般的です。

この時間軸を理解せずに短期的なROIで判断すると、本来成果が出るはずだった施策を早期に打ち切ってしまうリスクがあります。

経営陣や上司への説明においては、以下の点を事前に共有しておくことが重要です。

  • 成果が出るまでの目安期間(半年〜1年以上)
  • 初期段階ではROIがマイナスになることが一般的であること
  • 時間経過とともにROIが向上する特性があること
  • 定期的な進捗報告の指標(順位変動、流入数など)

事前に期待値を適切に設定しておくことで、「成果が出ない」という誤解に基づいた撤退判断を避けることができます。

数値化しにくい効果も考慮する

コンテンツマーケティングの効果には、数値化しやすいものとそうでないものがあります。ROIの計算では前者に注目しがちですが、後者も含めて総合的に評価することが大切です。

数値化しにくい効果の例

  • ブランド認知度の向上
  • 企業・サービスへの信頼感の醸成
  • 業界における専門家としてのポジション確立
  • 採用活動への好影響
  • 営業活動における商談ツールとしての活用

例えば、コンテンツを読んだ見込み客が直接問い合わせには至らなくても、商談の場で「御社のブログを読んでいました」と言われるケースがあります。このような効果は数値には現れにくいものの、商談の成約率向上に貢献している可能性があります。

また、良質なコンテンツを継続的に発信することで、困ったときに「あの会社に相談してみよう」と想起される存在になることも、長期的な価値を持ちます。

ROIの計算だけでなく、これらの間接的・長期的な効果も含めて評価することで、コンテンツマーケティングへの投資判断がより適切になります。

施策単体の成長率で評価する視点

複数のマーケティング施策を並行して実施している場合、「どの施策が最も効果的か」を比較したくなります。しかし、単純な貢献度比較は適切ではありません。

例えば、Web広告とコンテンツマーケティングを同時に始めた場合、3ヶ月後の時点ではWeb広告の方がリード獲得数が多いことがほとんどです。これは両者の特性の違いによるもので、コンテンツマーケティングの価値が低いことを意味しません。

より適切な評価方法は、施策単体の成長率を見ることです。

  • 先月と今月でリード獲得数がどう変化したか
  • 3ヶ月前と比べて検索順位がどう変動したか
  • 公開から半年経過したコンテンツの累積成果はどうか

それぞれの施策について、ビフォーアフターでの成長を評価することで、施策の健全性を判断できます。SEOは即効性がないものの、継続すれば右肩上がりで成果が伸びていくことが多いです。その成長カーブが順調かどうかを見ることが、適切な評価につながります。

施策間の単純比較ではなく、各施策がそれぞれの目的に対して順調に成長しているかどうかを評価する視点を持ちましょう。

事例に学ぶ費用対効果改善のポイント

実際にコンテンツマーケティングで費用対効果を大きく改善した企業の取り組みから、参考になるポイントをご紹介します。

CVR改善への注力が短期的な成果につながる

ある法人向けビジネス支援サービスを提供する企業では、オウンドメディアを立ち上げ、1年以内に月間36万PV、月間100件程度のCVを安定的に獲得する体制を構築しました。注目すべきは、その結果として広告費を当初の50%程度に抑えることに成功した点です。

この企業が重視したのは、単にPVを増やすことではなく、CV(コンバージョン)に直結する施策に注力することでした。具体的には、以下のような取り組みを行っています。

  • 導入事例ページの強化: 比較検討段階にあるユーザーの関心を引きやすいコンテンツとして、導入事例を戦略的に配置
  • CVポイントの戦略的配置: 記事の内容と関連性の高いCTAを設置し、自然な流れで問い合わせにつながる導線を設計
  • メディアコンテンツの営業活用: 制作したコンテンツを営業資料としても活用し、マーケティングと営業の連携を強化

この事例から学べるのは、「PVを増やすこと」と「CVを増やすこと」は別の施策として捉える必要があるということです。PVが多くても、そこからCVにつながらなければ費用対効果は上がりません。CV導線の最適化に注力することで、同じPV数からより多くの成果を得られるようになります。

検索順位に依存しない戦略も視野に入れる

また別の企業では、Googleのコアアップデートによる検索順位の下落という危機に直面しました。これまで安定していた検索流入が減少し、売上も低迷するという状況です。

一般的な対応としては、リライトを強化して検索順位の回復を目指すところですが、この企業は異なるアプローチを取りました。どれだけ試算しても現状の延長線上では目標達成が困難だと判断し、「なぜ既存顧客は自社のサービスを購入したのか」という本質に立ち戻り、戦略そのものを見直したのです。

分析の結果、これまで個別に販売していたサービスには共通の需要があり、セット販売の方が顧客にとっても利便性が高いことが判明しました。この考えに基づいて販売方法を再設計したところ、獲得件数が多少減っても顧客単価の向上で売上を最大化できるモデルが確立されました。

結果として、過去最高のマーケティングリード数を創出し、売上は前年比で大幅な増収を達成しています。

この事例が示唆するのは、コンテンツマーケティングの費用対効果は、単にコンテンツの質や量だけでなく、事業戦略との整合性によっても大きく左右されるということです。検索順位の回復に固執するのではなく、事業全体の視点から最適な戦略を模索することが、結果として費用対効果の改善につながる場合があります。

実践から得られる3つの教訓

これらの事例から、費用対効果を高めるための実践的な教訓を整理すると、以下の3点に集約されます。

  1. 成果に近いポイントから改善する: PVを増やすよりも、CVRの改善に注力する方が短期的な成果につながりやすい
  2. 勝てる領域にリソースを集中する: 全方位ではなく、成果が出やすい領域を見極めてスモールスタートする
  3. コンテンツだけでなく事業戦略も視野に入れる: 検索順位や流入数といった指標だけでなく、どうすれば事業に貢献できるかという視点を持つ

費用対効果の改善は、コンテンツ制作の効率化だけで達成できるものではありません。戦略設計から効果測定、改善サイクルの構築まで、一貫した視点で取り組むことが成果につながります。

まとめ

コンテンツマーケティングの費用対効果について、基本的な考え方から計算方法、費用相場、改善のポイント、評価の注意点まで解説しました。

コンテンツマーケティングは、Web広告のような即効性はないものの、継続的な取り組みによって長期的な資産を築ける施策です。ただし、「コンテンツは資産になる」というのは自動的に成立するものではなく、目的に合致した質の高いコンテンツを計画的に制作し、継続的に改善していくことで初めて実現されます。

費用対効果を高めるためのポイントを改めて整理します。

  • ROIの計算は単月ではなく中長期視点で行う
  • リード数だけでなく商談化・受注までを視野に入れた効果測定を行う
  • カスタマージャーニーを起点とした戦略設計から始める
  • 質と量のバランスを取り、継続的な改善サイクルを構築する
  • 数値化しにくい効果も含めて総合的に評価する
  • スモールスタートで成功体験を積み上げ、横展開する
  • CVR改善など成果に近いポイントから取り組む

コンテンツマーケティングは、正しく取り組めば高い投資効率を実現できる施策です。本記事の内容を参考に、自社に適した投資判断と運用計画を立ててみてください。

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著者

田島 光太郎

田島 光太郎

Marketing Planner / Consultant

業界歴10年以上。2023年株式会社KAAAN設立。BtoBマーケティング、オウンドメディア、コンテンツマーケティングを領域を得意とし、コンサルタント・PMとして戦略設計、インハウス化・グロース支援を行う。

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