コンテンツマーケティングの始め方|7ステップで解説

コンテンツマーケティングの始め方|7ステップで解説

デジタルマーケティングの手法が多様化する中で、コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えています。広告費の高騰や消費者の情報収集行動の変化を背景に、価値ある情報を継続的に発信することで見込み客との関係を構築する手法として注目を集めています。

一方で、以下のような声も増えています。

  • コンテンツマーケティングを始めたいが、何から手をつければよいかわからない
  • 記事を公開しているが、期待した成果につながっていない
  • 社内の理解を得られず、リソースを確保できない

そこで本記事では、コンテンツマーケティングの基礎から実践的な始め方までを7つのステップで解説します。準備段階で押さえるべきポイント、具体的な実行手順、そして陥りやすい課題への対処法まで、体系的にお伝えします。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングを始める前に、その定義と特徴を正しく理解しておくことが重要です。広告との違いや、なぜ今この手法が注目されているのかを把握することで、自社にとって適切な取り組み方が見えてきます。

コンテンツマーケティングの定義と特徴

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある情報を継続的に提供することで、見込み客との信頼関係を構築し、最終的にビジネス成果につなげるマーケティング手法です。

ここで重要なのは、コンテンツそのものに価値があるのではなく、コンテンツを通じて生まれるコミュニケーションに価値があるという点です。記事を公開すること自体が目的ではありません。読者が記事を読んで「なるほど」と感じたり、「この会社は信頼できそうだ」と思ったりする、その瞬間のコミュニケーションこそが本質的な価値と言えます。

コンテンツマーケティングには以下のような特徴があります。

長期的な資産形成 一度作成したコンテンツは、適切に管理すればWeb上に残り続けます。広告のように費用をかけ続けなくても、継続的に集客効果を発揮する可能性があります。ただし、後述するように、質の低いコンテンツは資産ではなく負債になりかねない点には注意が必要です。

顧客との関係構築 一方的な売り込みではなく、顧客の課題解決に役立つ情報を提供することで、信頼関係を段階的に構築できます。特にBtoB領域では、購買までの検討期間が長いため、この信頼関係の構築が重要になります。

多様なタッチポイント ブログ記事、ホワイトペーパー、動画、SNS投稿など、様々な形式でコンテンツを展開できます。ターゲットの情報収集習慣に合わせて、最適なチャネルを選択することが可能です。

広告との違い

コンテンツマーケティングと広告は、どちらも見込み客との接点を作る手法ですが、いくつかの重要な違いがあります。

アプローチの違い 広告は企業側から能動的にメッセージを届ける「プッシュ型」のアプローチです。一方、コンテンツマーケティングは、ユーザーが自ら情報を探して訪れる「プル型」のアプローチが中心となります。

費用構造の違い 広告は配信を続ける限り費用が発生し、配信を止めれば接点もなくなります。コンテンツマーケティングは、初期の制作コストは必要ですが、一度公開したコンテンツは継続的に集客に貢献する可能性があります。

成果が出るまでの期間 広告は配信開始から比較的短期間で効果を測定できます。一方、コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかり、一般的には半年から1年程度の継続が必要と言われています。

重要なのは、どちらが優れているかではなく、目的に応じて適切に使い分けることです。短期的なリード獲得には広告が、長期的な関係構築にはコンテンツマーケティングが適しているケースが多いでしょう。両者を組み合わせることで、より効果的なマーケティング活動が可能になります。

なぜ今コンテンツマーケティングが注目されるのか

コンテンツマーケティングが注目を集めている背景には、いくつかの要因があります。

広告費の高騰 デジタル広告の普及に伴い、広告出稿の競争が激化しています。その結果、1件のコンバージョンを獲得するための費用(CPA)が上昇傾向にあります。特に競争の激しい業界では、広告だけに頼ったマーケティングが難しくなっているケースも見られます。

消費者の情報収集行動の変化 インターネットやSNSの普及により、消費者は購買前に十分な情報収集を行うようになりました。特にBtoB領域では、営業担当者と接触する前に、Web上で相当量の情報を収集していると言われています。この変化に対応するためには、顧客が求める情報を適切なタイミングで提供することが重要になります。

検索エンジンの進化 検索エンジンは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを評価する方向に進化を続けています。E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)と呼ばれる評価基準が重視されるようになり、質の高いコンテンツを継続的に発信することの重要性が増しています。

これらの背景から、多くの企業がコンテンツマーケティングに取り組み始めています。ただし、すべての企業にとってコンテンツマーケティングが最適な選択肢とは限りません。自社の事業特性やリソース、他のマーケティング施策との関係を考慮した上で、取り組むかどうかを判断することが大切です。

コンテンツマーケティングを始める前に準備すべきこと

コンテンツマーケティングで成果を出すためには、実際にコンテンツを制作する前の準備が重要です。目的の明確化、ターゲット設定、社内体制の構築など、土台となる部分をしっかりと固めておくことで、その後の運用がスムーズになります。

目的とゴールの明確化

コンテンツマーケティングを始める最初のステップは、目的とゴールを明確にすることです。「なぜコンテンツマーケティングに取り組むのか」という問いに、明確に答えられる状態を作りましょう。

目的の設定 コンテンツマーケティングの目的は企業によって異なります。代表的な目的としては以下のようなものがあります。

  • リード獲得:見込み客からの問い合わせや資料請求を増やす
  • 認知拡大:自社やサービスの認知度を高める
  • ブランディング:特定の領域での専門性や信頼性を確立する
  • 採用力強化:求職者へのアピールや採用エントリー数の増加

重要なのは、事業課題から逆算して目的を設定することです。「競合がやっているから」「流行っているから」という理由で始めてしまうと、途中で「何のためにやっているのかわからない」という状態に陥りやすくなります。

成果指標の設定 目的が決まったら、その達成度合いを測るための成果指標を設定します。例えば、リード獲得が目的であれば「月間問い合わせ数」、認知拡大が目的であれば「新規ユーザー数」や「指名検索数」といった指標が考えられます。

成果指標を設定する際は、「SMART」の原則を意識すると効果的です。

  • Specific(明確):具体的に何を達成するのか
  • Measurable(測定可能):数値で測定できるか
  • Achievable(達成可能):現実的に達成できる目標か
  • Relevant(関連性):事業課題の解決に結びついているか
  • Time-bound(期限):いつまでに達成するのか

ペルソナ設定の進め方

ペルソナとは、自社のターゲットとなる顧客像を具体的に描いたものです。「30代の会社員」といった漠然とした設定ではなく、実在する人物のように詳細なプロフィールを作成します。

ペルソナ設定の項目例

基本属性として、年齢、性別、職種、役職、業種、企業規模などを設定します。BtoB領域では、ペルソナ個人の属性だけでなく、所属する企業の特徴も重要になります。

次に、行動特性を整理します。どのような情報源を使って情報収集するのか、意思決定にはどのような人が関わるのか、購買までにどのくらいの期間を要するのかなどを明確にします。

そして最も重要なのが、課題やニーズの把握です。ペルソナが抱えている課題は何か、何を実現したいと考えているのかを深く理解することで、提供すべきコンテンツの方向性が見えてきます。

読者視点への転換 ペルソナを設定する際に注意すべきなのは、「自社が伝えたいこと」ではなく「読者が知りたいこと」を起点に考えることです。

作り手側はどうしても「この実績を伝えたい」「このサービスの良さを知ってほしい」という気持ちが先行しがちです。しかし、読者にとって価値があるのは、自分の課題解決に役立つ情報です。読者の立場に立って、「この人は何を知りたくて検索しているのか」「どんな情報があれば助かるのか」を考えることが、良質なコンテンツ制作の第一歩となります。

カスタマージャーニーマップの作成

カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社のサービスを認知してから購買に至るまでの過程を、時系列で整理したものです。各段階で顧客がどのような課題を抱え、どのような情報を求めているかを可視化することで、提供すべきコンテンツの全体像が見えてきます。

カスタマージャーニーの段階 一般的に、顧客の購買行動は以下のような段階に分けられます。

認知段階では、顧客は自分の課題を明確に認識し始めます。この段階では、課題の原因や解決の方向性に関する情報が求められます。

興味・関心段階では、顧客は具体的な解決策を探し始めます。様々な選択肢を比較検討するための情報が必要になります。

比較・検討段階では、顧客は具体的なサービスや製品の選定に入ります。機能や価格、導入事例などの詳細情報が求められます。

購買段階では、最終的な意思決定を行います。導入の流れやサポート体制などの情報が重要になります。

段階ごとのコンテンツ設計 カスタマージャーニーの各段階に応じて、提供するコンテンツの内容や形式を設計します。

例えば、認知段階では業界の課題やトレンドに関するブログ記事、興味・関心段階では解決策の比較や選び方に関するガイド、比較・検討段階では導入事例やホワイトペーパー、購買段階ではサービス詳細ページや料金表といった具合です。

このように全体像を設計しておくことで、場当たり的なコンテンツ制作を避け、顧客の購買プロセス全体をカバーした情報提供が可能になります。

社内体制とリソースの確保

コンテンツマーケティングは継続的な取り組みが必要なため、適切な社内体制とリソースを確保することが重要です。

必要な役割 コンテンツマーケティングを推進するためには、以下のような役割が必要になります。

責任者(オウンドメディア責任者)は、全体の戦略立案と意思決定を行います。KPIの設定や予算管理、経営層への報告なども担当します。

ディレクターは、コンテンツの企画や制作進行を管理します。編集カレンダーの作成、ライターへの指示、品質チェックなどを行います。

ライター・編集者は、実際にコンテンツを制作します。社内で対応する場合と、外部パートナーに依頼する場合があります。

分析担当者は、効果測定とデータ分析を担当します。Googleアナリティクスなどのツールを活用し、改善施策を立案します。

経営層の理解を得る コンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかるため、経営層の理解と支援を得ることが重要です。短期的な成果を求められると、必要な期間を確保できずに途中で断念してしまうケースも少なくありません。

経営層に説明する際は、コンテンツマーケティングの特性(長期的な資産形成、広告費削減への貢献など)と、成果が出るまでの期間(一般的に半年から1年程度)を明確に伝えることが大切です。

リソース配分の決定 限られたリソースの中で成果を出すためには、「やること」と「やらないこと」を明確に決めることが重要です。全方位的に施策を展開するのではなく、最も効果が期待できる領域に集中することで、効率的に成果を上げることができます。

例えば、初期段階では検索からの流入獲得に集中し、SNSや動画は後回しにするといった判断も必要になります。リソースの分散を防ぎ、選択と集中で成果を積み上げていくことが成功への近道です。

コンテンツマーケティングの始め方7ステップ

ここからは、コンテンツマーケティングを実際に始めるための7つのステップを解説します。各ステップで押さえるべきポイントを理解し、自社の状況に合わせて実行していきましょう。

ステップ1 オウンドメディアの立ち上げ

コンテンツを発信するための基盤となるオウンドメディアを立ち上げます。オウンドメディアとは、自社で運用するWebサイトやブログのことを指します。

ドメインとサーバーの準備 まず、ドメイン(Webサイトのアドレス)を取得します。企業名やサービス名、メディア名に関連したドメインを選ぶことが一般的です。

サーバーは、自社で管理するオンプレミス型と、外部サービスを利用するクラウド型があります。初期コストや運用負荷、セキュリティ要件などを考慮して選択します。多くの場合、クラウド型のサーバーを利用するケースが多くなっています。

CMSの導入 CMS(コンテンツ管理システム)を導入することで、専門的な知識がなくてもコンテンツの作成・公開・管理が可能になります。WordPressが広く利用されていますが、自社の要件に合わせて適切なCMSを選択します。

サイト構造の設計 コンテンツを効果的に届けるためのサイト構造を設計します。カテゴリーの分類、ナビゲーションの設計、内部リンクの構造などを検討します。

ピラーコンテンツ(特定のテーマを網羅する柱となるコンテンツ)とクラスターコンテンツ(関連するトピックを掘り下げるコンテンツ)の階層構造を意識すると、ユーザーにとって使いやすく、検索エンジンにも評価されやすいサイトになります。

ステップ2 キーワード選定とテーマ設計

コンテンツ制作の方向性を決めるため、キーワード選定とテーマ設計を行います。このステップがコンテンツマーケティングの成否を大きく左右します。

キーワードの調査 ペルソナが検索しそうなキーワードを洗い出します。Googleの検索窓にキーワードを入力した際に表示されるサジェスト(予測候補)や、関連キーワードを参考にすることで、ユーザーの検索意図を把握できます。

キーワードを選定する際は、検索ボリューム(どのくらい検索されているか)だけでなく、コンバージョンへの近さも考慮します。「〇〇とは」のような情報収集段階のキーワードよりも、「〇〇 比較」「〇〇 選び方」のような比較検討段階のキーワードの方が、成果につながりやすい傾向があります。

テーマの優先順位付け 洗い出したキーワードをもとに、コンテンツのテーマを設計します。すべてのキーワードを同時に対策することは難しいため、優先順位をつけて段階的に取り組みます。

優先順位を決める際の基準としては、以下のような観点があります。

  • ビジネスインパクト:成果につながりやすいか
  • 競合状況:上位表示の難易度はどの程度か
  • 自社の強み:専門性を活かせるテーマか

コンテンツカレンダーの作成 テーマの優先順位に基づいて、コンテンツの公開スケジュールを決めます。月単位や四半期単位で計画を立て、いつ何を公開するかを可視化しておくことで、継続的な制作が可能になります。

スモールスタートで成功体験を積む キーワード選定においてよくある失敗は、最初から多くのキーワードを対策しようとすることです。リソースが分散し、どのキーワードでも中途半端な結果に終わってしまうケースが少なくありません。

ある企業では、サービスの検討段階で検索されるキーワードに絞り込み、多岐にわたるサービスの中から最初は最重要な3つに狙いを定める戦略を取りました。検索ボリュームではなく、ツールやサービスの導入検討段階で検索されるキーワードを重視し、業界特有の専門用語との掛け合わせキーワードを設計。まずは3つのキーワードで成功体験を作り、その実績をもとに運用を加速させていったのです。

この事例からわかるのは、最初から完璧を目指すのではなく、小さく始めて成功を積み重ねることの重要性です。限られたリソースを集中投下することで、早期に成果を実感でき、社内の理解も得やすくなります。

ステップ3 コンテンツの企画・制作

設計したテーマに基づいて、実際にコンテンツを制作します。質の高いコンテンツを効率的に制作するための手順を解説します。

コンテンツ設計 個々のコンテンツを制作する前に、以下の要素を整理します。

  • 検索背景:ユーザーはなぜこのキーワードで検索しているのか
  • 顕在ニーズ:ユーザーが明確に求めている情報は何か
  • 潜在ニーズ:ユーザー自身も気づいていない本当の課題は何か
  • ユーザーにとっての最高のゴール:この記事を読んだユーザーが得られる最高の結果は何か
  • 見出し構成:どのような順序で情報を伝えるか

執筆と編集 コンテンツ設計に基づいて執筆を行います。以下のポイントを意識すると、読みやすく価値のあるコンテンツになります。

  • ユーザーの課題解決を最優先に考える
  • 専門用語は初出時に説明を加える
  • 1文を短く、読みやすい文章を心がける
  • 見出しや箇条書きを効果的に使う
  • 根拠のある情報を正確に伝える

品質チェック 公開前に品質チェックを行います。事実関係の確認、誤字脱字のチェック、読みやすさの確認など、複数の視点でコンテンツを検証します。

特に情報の正確性は重要です。企業が発信する情報として、誤った情報や根拠のない主張は、ブランドの信頼性を損なう原因になります。

独自性のあるコンテンツを生み出す制作体制 質の高いコンテンツを継続的に制作するためには、制作体制の設計も重要です。ある飲料メーカーでは、オウンドメディア立ち上げにあたり、SEO専門のライターではなく、自社製品の愛好家をライターとして起用しました。嗜好品には決まった正解がないため、その人ならではの視点や考え方、主張が盛り込まれている方がメディアらしさが出ると判断したのです。

構成設計と執筆・監修の役割を明確に分担し、執筆前の構成案作成は外部チームが担当、社内の監修を通じて方向性を確認するフローを構築しました。これにより、初稿段階から品質が担保された記事制作が可能になりました。

この企業は、独自のテーマ体系を設計し、SEO起点だけでなく、ブランドとして伝えたいテーマも含めたコンテンツマップを作成。その結果、立ち上げから1年半で月間8万UUを達成し、他社では真似できない独自性のあるコンテンツ資産を構築することに成功しています。

ステップ4 公開と配信チャネルの選択

コンテンツを公開し、ターゲットに届けるための配信チャネルを選択します。

公開時の設定 コンテンツを公開する際は、以下の設定を確認します。

  • タイトルタグ:検索結果に表示されるタイトル
  • メタディスクリプション:検索結果に表示される説明文
  • 見出しタグ(h1、h2、h3など):コンテンツの構造を示す
  • 画像の代替テキスト:画像の内容を説明するテキスト
  • 内部リンク:関連するコンテンツへのリンク

これらの設定は、検索エンジンがコンテンツの内容を理解するために重要な要素です。

配信チャネルの選択 オウンドメディアへの公開だけでなく、他のチャネルを活用してコンテンツを届けることも検討します。

  • SNS:公開したコンテンツの告知や、コンテンツの一部を切り出した投稿
  • メールマガジン:登録者に直接コンテンツを届ける
  • プレスリリース:調査結果など、ニュース性のあるコンテンツの配信

ただし、すべてのチャネルに取り組む必要はありません。ターゲットの情報収集習慣に合わせて、効果的なチャネルを選択することが重要です。

ステップ5 効果測定とKPI管理

公開したコンテンツの効果を測定し、KPIの達成状況を確認します。データに基づいた振り返りを行うことで、改善の方向性が見えてきます。

測定すべき指標 コンテンツマーケティングの効果を測定するための指標は、フェーズによって異なります。

集客段階では、以下のような指標を確認します。

  • 検索順位:対策キーワードでの順位
  • 表示回数:検索結果に表示された回数
  • クリック数:検索結果からクリックされた回数
  • セッション数:サイトへの訪問数

エンゲージメント段階では、以下の指標が参考になります。

  • 滞在時間:コンテンツがどの程度読まれているか
  • 直帰率:1ページだけ見て離脱した割合
  • ページ/セッション:1訪問あたりの閲覧ページ数

成果獲得段階では、最終的な成果指標を確認します。

  • コンバージョン数:問い合わせや資料請求などの成果件数
  • コンバージョン率:訪問者のうち成果に至った割合

手段の目的化を防ぐ 効果測定を行う際に注意すべきなのは、手段が目的化してしまうことです。

例えば、「月10本の記事を公開する」という目標を設定した場合、記事を公開すること自体が目的になってしまい、質を犠牲にしてでも本数を達成しようとするケースがあります。

これを防ぐためには、計画に余白を持たせることが重要です。データの振り返りから「この施策は効果がない」とわかった場合に、柔軟に計画を変更できる体制を作っておくことで、本来の目的である成果達成に向かうことができます。

ステップ6 改善とリライト

公開したコンテンツは、一度作って終わりではありません。効果測定の結果に基づいて、継続的に改善を行います。

リライトの判断基準 以下のような状況のコンテンツは、リライト(書き直し・追記)の候補になります。

  • 検索順位が低いまま改善しない
  • 表示回数は多いがクリック率が低い
  • 訪問はあるがコンバージョンにつながらない
  • 情報が古くなっている

リライトの進め方 リライトを行う際は、まず現状の課題を分析します。検索順位が低い場合は、検索意図に十分に応えられていない可能性があります。上位に表示されている競合コンテンツと比較して、不足している情報や視点がないかを確認します。

クリック率が低い場合は、タイトルやメタディスクリプションの見直しが効果的なケースがあります。検索結果に表示された際に、ユーザーが「このページを見たい」と思えるような表現になっているかを確認します。

コンバージョンにつながらない場合は、コンテンツ内の導線設計を見直します。ユーザーが次のアクションを起こしやすいよう、適切な位置にCTA(行動喚起)を設置しているかを確認します。

CVR改善の実践例 ある企業では、検索上位を獲得した記事について、記事内CTAやUIの設計・改修を徹底しました。ユーザーの状況・動機・ニーズに応じてCTA配置や訴求内容をチューニングし続けた結果、CTAクリックが増加。しかし、その次の段階でお問い合わせフォームでの離脱が課題として浮上しました。

そこで、フォーム項目の簡略化やUI見直しなどEFO(エントリーフォーム最適化)施策も実施。記事訪問からフォーム完了まで、一連のコミュニケーションとしてつながるよう導線設計を行い、地道なチューニングを繰り返しました。

この企業は、キーワード獲得だけでなくCVR改善も徹底した結果、立ち上げ半年で月数十件、1年後には月100件を超えるお問い合わせを獲得。最終的には広告費や営業リソースを大幅に削減し、オウンドメディアだけでリード獲得を完結できる体制を構築しています。

情報の鮮度を保つ 特に情報の正確性が重要な領域では、定期的にコンテンツの内容を見直し、古くなった情報を更新することが重要です。検索エンジンも、最新の情報を提供しているコンテンツを評価する傾向があります。

ステップ7 長期運用の仕組み化

コンテンツマーケティングを長期的に継続するための仕組みを構築します。個人の頑張りに依存するのではなく、組織として持続可能な運用体制を整えることが重要です。

運用フローの標準化 コンテンツ制作から公開、効果測定までの一連のフローを標準化します。誰が担当しても一定の品質を維持できるよう、ガイドラインやテンプレートを整備します。

ナレッジの蓄積と共有 制作したコンテンツの反応や、改善施策の結果などをチーム内で共有し、ナレッジとして蓄積します。成功事例だけでなく、失敗事例からも学ぶことで、組織全体のスキルが向上します。

小さな成功を祝う文化 長期的な取り組みを継続するためには、モチベーションの維持が重要です。特に成果が出にくい初期段階では、小さな成功(検索順位の上昇、初めてのSNSシェアなど)をチーム全体で喜び、祝う文化を作ることが効果的です。

大きな成果を待つのではなく、小さな変化に気づき、それを積み重ねていく意識が、ブレイクスルーまで走り続ける原動力になります。

外部パートナーの活用 社内リソースだけでは対応が難しい場合は、外部パートナーの活用も検討します。戦略設計、コンテンツ制作、SEO対策など、専門性が求められる領域では、プロフェッショナルの力を借りることで、成果までの時間を短縮できるケースもあります。

ただし、外部に依頼する場合も、最終的な品質管理と意思決定は自社で行う必要があります。「安いから外注する」という発想ではなく、何を重視してコンテンツを制作しているかを確認した上でパートナーを選定することが重要です。

コンテンツマーケティングで陥りやすい課題と対処法

コンテンツマーケティングに取り組む中で、多くの企業が直面する課題があります。事前に課題を把握し、対処法を理解しておくことで、よりスムーズに運用を進めることができます。

成果が出るまでに時間がかかる

コンテンツマーケティングは、成果が出るまでに時間がかかる施策です。特に検索エンジンからの集客を主軸にする場合、コンテンツが評価されるまでには一定の期間が必要になります。

課題の背景 検索エンジンは、新しく公開されたコンテンツをすぐに高く評価するわけではありません。コンテンツの質、サイト全体の信頼性、被リンクの状況など、様々な要素を総合的に判断して順位を決定します。

また、ターゲットとなるユーザーに認知されるまでにも時間がかかります。継続的にコンテンツを発信し、徐々に信頼を積み重ねていく必要があります。

対処法 まず、経営層や関係者に対して、成果が出るまでの期間について事前に説明し、理解を得ておくことが重要です。「半年から1年程度は成果が出にくい期間がある」ということを共有し、その間の評価基準を明確にしておきます。

また、長期的な成果指標だけでなく、プロセス指標(コンテンツ公開数、検索順位の変動など)も設定しておくことで、成果が出るまでの期間も進捗を可視化できます。

短期的にはリスティング広告など、即効性のある施策と組み合わせることで、コンテンツマーケティングの成果が出るまでの間もリード獲得を継続できます。

継続的な制作が難しい

コンテンツマーケティングは継続が重要ですが、多くの企業が途中で制作ペースを維持できなくなるという課題を抱えています。

課題の背景 担当者が通常業務と兼務しているケースでは、業務の繁忙期にコンテンツ制作が後回しになりがちです。また、「何を書けばいいかわからない」「ネタが尽きた」という状態に陥ることもあります。

対処法 継続的な制作を可能にするためには、仕組みを整えることが重要です。

編集カレンダーを作成し、何をいつ公開するかをあらかじめ決めておくことで、計画的な制作が可能になります。また、テーマのストックを常に持っておくことで、「何を書くか考える」時間を削減できます。

制作体制を見直すことも有効です。外部ライターの活用、チーム内での役割分担の明確化など、一人に負荷が集中しない体制を構築します。

コンテンツの質と負債化のリスク 継続を重視するあまり、質を犠牲にしてしまうことには注意が必要です。「コンテンツは資産になる」と言われることがありますが、質の低いコンテンツは資産ではなく負債になりかねません。

低品質なコンテンツが増えると、サイト全体の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。また、誤った情報や配慮に欠けた表現は、ブランドイメージを損なう原因にもなります。

本数を追いかけるのではなく、一定の品質基準を満たしたコンテンツだけを公開するという姿勢が重要です。

競合との差別化ができない

同じテーマで多くの企業がコンテンツを発信している中で、競合との差別化ができないという課題もよく聞かれます。

課題の背景 検索上位のコンテンツを参考にして記事を作成すると、どうしても似たような内容になりがちです。ユーザーにとっては「どこで読んでも同じ」という状態になり、自社を選んでもらう理由がなくなってしまいます。

対処法 競合との差別化を図るためには、自社ならではの視点や情報を盛り込むことが重要です。

自社の実績や経験に基づく知見は、他社には真似できない独自の価値になります。プロジェクトで得られた教訓、顧客からよく聞かれる質問への回答など、現場の声を反映したコンテンツは、読者にとっても価値が高くなります。

また、ターゲットを絞り込むことも有効です。幅広いテーマを扱うのではなく、特定の業種や課題に特化することで、その領域での専門性を確立できます。「中小企業の経理担当者向け」「製造業のマーケティング担当者向け」など、ターゲットを明確にすることで、より深い価値を提供できます。

カテゴリー思考の制約を外す 「コンテンツマーケティング」というカテゴリーで考えると、手段がブログ記事やホワイトペーパーに限定されがちです。しかし、「顧客とのコミュニケーション」という観点で捉え直すと、より多様な手段が見えてきます。

メールマガジン、ウェビナー、事例インタビュー、さらには営業資料の改善まで、顧客との接点すべてがコミュニケーションの機会です。カテゴリーの枠にとらわれず、顧客にとって最も価値のある形で情報を届けることを考えましょう。

事例に学ぶコンテンツマーケティング成功のポイント

ここまで解説してきた内容を踏まえ、実際の取り組み事例から得られた教訓をまとめます。

成果から逆算した設計が成否を分ける

コンテンツマーケティングで成果を出している企業に共通するのは、「PVを増やす」ではなく「成果を出す」という視点でコンテンツ設計を行っている点です。

ある企業では、PV重視でコンテンツを制作していた時期は、記事は増えても問い合わせにつながらない状態が続いていました。そこで、ターゲット商材を定め、キーワードを定め、そのためのコンテンツ運用という順序で設計を見直したところ、1年でリード獲得は約10倍に拡大しました。

この事例が示すのは、「何を作るか」よりも「誰に、何を届け、どう行動してもらうか」を先に設計することの重要性です。成果から逆算した設計が、コンテンツマーケティングの成否を分けるポイントになります。

ターゲット理解こそがコンテンツの質を決める

質の高いコンテンツを作るために最も重要なのは、ライティングスキルよりもターゲット理解です。

ある企業では、リライト対象の記事に対して、セールス担当者への徹底的なヒアリングを実施しました。商談の現場で実際に聞かれる悩みや、よくある質問を詳細に収集。過去の問い合わせ内容からも、どんな業種・規模の企業から、どんな課題感で問い合わせが来ていたかを分析しました。

その結果、これまでの記事が制作者の想像で書かれたものが多く、実際の顧客ニーズとのズレが大きいという事実が判明。理想論ではなく、現場のリアルな課題解決に焦点を当てた内容へとシフトすることで、記事の価値が大幅に向上し、問い合わせ数は約2倍に増加しました。

コンテンツ制作においては、「書く技術」よりも「顧客を知る」ことにリソースを割くべきだということを、この事例は教えてくれます。

小さな成功体験の積み重ねがチームを強くする

コンテンツマーケティングは長期的な取り組みであり、成果が出るまでの期間をいかに乗り越えるかが重要です。

多くの成功事例に共通するのは、大きな成果を待つのではなく、小さな成功を積み重ねているという点です。検索順位の上昇、初めてのSNSシェア、最初の問い合わせなど、小さな変化をチーム全体で共有し、祝う文化を作ることで、モチベーションを維持しています。

また、最初から全方位的に施策を展開するのではなく、最重要な領域に絞って成功体験を作り、その実績をもとに運用を加速させるというアプローチも効果的です。限られたリソースを集中投下し、早期に成果を実感できる状態を作ることで、社内の理解も得やすくなります。

コンテンツマーケティングを成功に導くポイント

最後に、コンテンツマーケティングを成功に導くための重要なポイントをまとめます。

一貫したメッセージと品質の維持

コンテンツマーケティングで成果を出すためには、一貫したメッセージと品質を維持することが重要です。

ブランドとしての一貫性 発信するコンテンツには、自社ならではの視点やトーンを持たせましょう。「この会社のコンテンツはこういう特徴がある」と読者に認識してもらうことで、競合との差別化につながります。

見た目のデザインだけでなく、どのような価値を提供するのか、どのような立場から情報を発信するのかという、コンテンツの中身に関する一貫性が重要です。

品質基準の設定 すべてのコンテンツが一定の品質を満たすよう、基準を設定します。正確性、独自性、実用性、読みやすさなど、複数の観点からチェックできる体制を整えましょう。

品質の維持には、複数人によるレビューが効果的です。執筆者とは別の視点でコンテンツを確認することで、見落としを防ぐことができます。

データに基づいた継続的な改善

コンテンツマーケティングは、一度仕組みを作れば終わりではありません。データに基づいて継続的に改善を行うことで、成果を最大化できます。

定期的な振り返り 週次、月次など、定期的にデータを確認し、振り返りを行います。目標に対する進捗、効果の高かったコンテンツ、課題が見られるコンテンツなどを整理し、次のアクションを決めます。

仮説検証のサイクル 「こうすれば効果があるのではないか」という仮説を立て、実際に試し、結果を検証するというサイクルを回します。タイトルの付け方、CTAの配置、コンテンツの構成など、様々な要素について仮説検証を行うことで、徐々に成果を高めることができます。

柔軟な計画変更 データの結果に基づいて、計画を柔軟に変更することも重要です。効果がない施策を続けるのではなく、効果が見られる施策にリソースを集中させるという判断ができる体制を作りましょう。

最初に立てた計画に固執するのではなく、目的達成のために最適な手段を常に模索する姿勢が、成果につながります。

他のマーケティング施策との連携

コンテンツマーケティングは、単独で完結する施策ではありません。他のマーケティング施策と連携することで、より大きな成果を生み出すことができます。

リード獲得後のプロセスとの連携 コンテンツマーケティングで獲得したリードを、確実に商談・受注につなげるためには、営業プロセスとの連携が重要です。マーケティング部門と営業部門が、ターゲット像や評価基準について共通認識を持つことで、質の高いリードを効率的に引き渡すことができます。

広告との組み合わせ コンテンツマーケティングと広告を組み合わせることで、相乗効果を生み出すことができます。広告でコンテンツへの流入を促進したり、コンテンツで興味を持ったユーザーをリターゲティング広告で追客したりするなど、様々な活用方法があります。

全体戦略の中での位置づけ コンテンツマーケティングを、マーケティング戦略全体の中でどのように位置づけるかを明確にしましょう。認知獲得からリード獲得、商談化、受注まで、顧客の購買プロセス全体を見据えた上で、コンテンツマーケティングが担う役割を定義することが重要です。

まとめ

コンテンツマーケティングの始め方について、準備段階から実行、改善までの7つのステップを解説しました。

コンテンツマーケティングは、成果が出るまでに時間がかかる施策ですが、継続することで長期的な資産を構築できます。重要なのは、コンテンツを作ること自体を目的にするのではなく、読者とのコミュニケーションを生み出し、最終的にビジネス成果につなげるという本来の目的を見失わないことです。

まずは自社の目的を明確にし、できるところから始めてみてください。小さな成功を積み重ねながら、徐々に取り組みを拡大していくことで、コンテンツマーケティングの成果を実感できるようになるでしょう。

弊社KAAANでは、AIを実装したプロジェクト推進に特化したマーケティング支援を行っています。コンテンツマーケティングの戦略設計から運用まで、成果にこだわった支援を提供しています。お気軽にご相談ください。

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著者

田島 光太郎

田島 光太郎

Marketing Planner / Consultant

業界歴10年以上。2023年株式会社KAAAN設立。BtoBマーケティング、オウンドメディア、コンテンツマーケティングを領域を得意とし、コンサルタント・PMとして戦略設計、インハウス化・グロース支援を行う。

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