BtoBの問い合わせフォームで「実績」を記載していない例を時折目にする。最近では、単に入力フォームを設置するだけでなく、「会社概要」や「どういった相談が可能か」といった情報を載せるのが定石となり、多くのフォームでこれらが記載されている。しかし、「会社概要」や「相談内容」が明確に記されていても、「実績」が欠けている場合や、記載はあるが抽象的で具体性に欠けるケースが少なくない。問い合わせを検討するユーザーにとって、企業の概要や相談が可能な内容がわかっても、「実績」がないと、「問い合わせをした結果、どのようなメリットが得られるのか」「どんな成果が期待できるのか」がイメージできず、フォームから離脱してしまうリスクが高まる。実績を問い合わせフォームに記載することは、ユーザーが問い合わせを決断するための「最後のひと押し」になる。もちろん、実績だけを強調しても効果は薄く、「どんな会社で、どのような相談ができるのか」などの情報とセットで提供する必要がある。
実績を効果的に伝えるためには、「定量的であること」と「具体的であること」の2点が重要。例えば、以下の2つの文章のうち、どちらの方が説得力があるだろうか。1. マーケティング組織強化により、大量のリード創出を実現 2. BtoB企業向けテレアポ文化を変え、2年かけて年に1万件のリードを創出おそらく、2つ目を選ぶ人が多いだろう。「マーケティング組織強化」という表現よりも、「BtoB企業向けテレアポ文化を変え」という方が具体的で課題解決のプロセスが見えやすい。また、「大量のリード創出」よりも「2年かけて年に1万件のリードを創出」という方が成果の規模感や達成に要した時間が明確に伝わる。このように、具体性と定量性の両方が備わることで、読者は成果を実感しやすくなり、問い合わせをする動機付けが強まる。実績を記載する際は、言語化した内容を「より定量的かつ具体的に伝えられる表現はないか?」という視点でさらにブラッシュアップすると、説得力が増す。問い合わせフォームは単なる情報提供の場ではなく、ユーザーが行動を起こすきっかけを作る重要な最後の砦。そのことをおさえた上で、ユーザーの信頼を得ると同時に、どのような内容があれば、ユーザーにとって「最後のひと押し」となるか検討してみてほしい。