プロジェクトの初期は、成果がまだ何も出ていないため、正しい進め方が見えづらい。特に、ゴールが曖昧なまま動き出すと、「何を目指しているのか分からない」とチーム内に不安が広がり、モチベーションも下がりやすくなる。プロジェクトの立ち上げ時こそ、全員が「どこに向かうのか」「どう進めるのか」を共有していないと、メンバーの動きがバラバラになる。特に関係者が多くなるほど、それぞれの認識のズレが連携ミスにつながりやすくなる。また、どれだけ努力しても、チームメンバーがそれぞれ違う方向を向いていては、成果は出にくい。プロジェクトを成功させるには、全員が同じゴールと進め方を理解し、足並みをそろえて取り組むことが欠かせない。
チームメンバー全員がゴールに向かい、足並みを揃えるためには、動き始める前に「共通の理解」をつくることが必要になる。そのために、まずやるべきことは、プロジェクトのゴールを具体的に定めること。「何を目指しているのか」「どうなったら成功なのか」を、誰が見てもわかる形に言語化する。たとえば、「新規顧客を〇社獲得」「サイト経由の問い合わせ数を〇%アップ」など、判断基準を明確にすることで、全員が同じ方向を向きやすくなる。次に必要なのが、ゴールまでの道筋を描くこと。ロードマップを用意し、「どの時点で何をするか」「誰がどこを担当するか」を共有する。こうすることで、チーム全体の動きが見えやすくなり、役割分担もスムーズに進む。ただし、ゴールにたどり着く方法はひとつではない。実際に動いてみないと正解が見えないケースも多い。そのため、メンバーには仮説を立てて試す姿勢が求められる。「まずやってみる」「うまくいかなければ修正する」という試行錯誤がしやすい雰囲気をつくることも大切になる。運用面では、ゴールやプロセスを資料にまとめておき、いつでも誰でも見返せるようにする。ミーティングのたびに「いまどこまで来たのか」「次に何をするのか」を確認できる状態があると、認識のズレが起きにくくなる。共通認識があれば、立ち止まったときもすぐに軌道修正できる。逆に、それがない状態で動き出してしまうと、後から「そもそも何のためのプロジェクトだっけ?」と迷う場面が出てくる。プロジェクトをスムーズに進め、チームの力を最大限に活かすためには、最初にゴールとプロセスを全員で共有することが何よりの土台になる。